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怪談の壱  作者: 棚田 純
1/1

Bちゃん

耳覚えのないもの、この世のものでは無いものからの囁きや呪いなどが語られる怪談。

実話を元に書いたものもある。

うちの知人のT君の話です。当時小学…6年生の頃、T君は友達のS君とBちゃんとよく公園とかで遊んでいたそうです。

ある日、S君が2人を公園に呼び出して一言 言いました。

「ごめんな…俺、転校することになったんだ。」

とS君は申し訳なさそうに告げました。

Bちゃんは泣いてしまいましたが、T君と一緒に別れの挨拶をしました。S君は、前向きに捉えて

「また、会えるさ。」

と一言言ってS君は転校することになりました。


それから、暫し時は過ぎてBちゃんは別の学校に進み大学に行く為の勉強に専念していると葉書で毎年送られてきます。ですが、S君は、あの日以 来葉書は送られません。おそらく、もう僕らを忘れたのだと受け入れました。

数週間後、事故にあってBちゃんが入院したというの葉書に書かれていたので、T君は慌ててBちゃんの家の人に聞いて病院に駆けつけました。Bちゃんの病室から誰かと笑い話をしているのが聞こえました。T君は「慌てて損した」と思い、室内に手をかけるをやめました。

そして、その人が出てくるのを待っていましたが

一向に出てきません。不審に思ったT君は、恐る恐る耳を傾けました。

「アハハハハ…あらそうなの?ウフフフ」

とBちゃん1人しか聞こえません。T君はこれは変だと思い、その戸を開けようと手をかけました。すると、近くにいた医師がパッとT君の手を払いました。

T君は思わず、医師の方に向けて「何すんだ!」と声をあげました。

医師は、申し訳なさそうにT君に言いました。

「君、そこ屋上だぞ」

と言って気づくとT君は病室で寝ていたそうです。

隣には、S君がいて心配そうに見ていました。

T君は、S君に「おい!Bちゃんはどうした!」

と問い詰めると、S君は青ざめた顔でこう言いました。

「お前も見たのか?」

と言いました。どうやら、T君はBちゃんという死神に「あの戸を開けて(あの世に)入って」と呼びかけていたのかも知れません。

数日間に1話お届けする怪談噺。

本当か否か。

もしかすると、あなたの話も含まれているかもしれない…。

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