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俺の家族が全員最強でした――。チートは問答無用でフルボッコ!  作者: 犬丸
SEASON・2――/第一章・青年期編・4
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塊叫団と最弱・6

 そいつがやった来たのは、青島隊長とガイス隊長がジコク様の救出作戦を練っている時だった。


 服の腹と背中に「1」の数字のある女。周りの奴隷と比べると身なりが綺麗で肌に艶もある。こいつが奴隷1番だ。




「走流野ナオト、ボスがお呼びよ」




 内部から破壊される恐れがないからだろうか。これだけ闇影隊がいるにも関わらず、女は警戒心を見せずに牢屋の鍵を開けた。


 小声で青島隊長に伝える。




「内部の様子を見てきます。その間に、奴隷の解放を。目印をつけておきますので」

「頼んだぞ」




 来た時と同じように、入り組んだ通路とエレベーターを経由して移動する。場所を覚えさせないように徹底しているみたいだ。だけど、




(包火……)




 指先に発動した言霊でバレないように焦げ後をつけていく。いくら脆いといっても、モニター室やキルの部屋らへんは頑丈に設計されているはずだと、青島隊長は言っていた。となれば、どうにかして今いる付近までは逃げなきゃいけない。




(奴隷も一緒にだから、絶対にミスは許されない……)




 前を歩く女の背中を睨みつけながら気を引き締める。




「キル様、ナオトを連れて参りました」

「あんがとさーん。入れろ」




 プシューと音は鳴らしてドアが開く。真っ白で清潔感のある広くて綺麗な部屋。キルはソファーで横になっている。




「……お前、監視カメラの意味、わかってんだろ?」

「なんの話しかな」

「しっかりカメラに文句言っておいて何とぼけてんだ、あぁ? 何者だ」




 青島隊長がカメラを睨みつけていたのは、きっと監視カメラが何なのか分からなかったからだ。イオリも気にしている様子はなかった。


 けど、これを利用しない手はない。




「俺が日本人だからだよ。監視カメラが何の為に設置してあるかくらい分かる。奴隷の中にも日本人が紛れ込んでいたみたいだけど、あれはこの世界にはない能力だった。お前らこそ何者だ」




 キルがソファーから起き上がる。




「あー、異世界人ってやつだろ? 聞いてるぜ、お前の話しはよ。ま、今はいいや。俺は与えられた使命を全うするまで。親父みたいにはならねぇ」




 そうして、また別の部屋に移動した。薬品の臭いが漂っていて、拘束具のついたベッドが二台置かれている。あと、手術道具みたいなものや用途不明の機械まで。


 片方のベッドでは男の人が眠っている。頭に何か装着していて、瞼や手がピクピクと動いている。そして、




(これは……)




 モニターの前に集まる医療者は、画面を見ながら必死に記録をとっている。男の人の記憶を見ているようで、掘り返した土の中から出てきた棺を眺めている所が映し出されていた。




「キル様、大体のことが分かりました」

「お疲れさーん。で、あの遺体は彼女らだったのか?」

「ええ。しかし、問題なのは真実を告げた者が人間ではないという事です」

「面倒な説明は省いて、さっさと本題に入ってくれ」

「も、申し訳ありませんっ。東昇で眠りについていた巨大な獣が彼に真実を伝えたようです。あの大きさだと、恐らく誰も……。過去の王族を除いて、勝てる者はいないでしょう」

「へぇ、そうかい。それは、日本人でもってことか?」

「はい。断言いたします」

「なるほどね。だからあいつらは……」




 そう言って、キルは俺を見た。




「お前ら走流野家が邪魔なわけだ」




 モニター前に1人だけを残して、他のメンバーが俺を抑えにかかる。まさか、俺の記憶を見ようってか!?




「やめろっ!!」

「大人しくしてろってー。すぐに終わるからよ」




 彼らが闇影隊ならまだしも、一般人には手が出せないっ。と、その時だ。首元にチクリとした痛みを感じた途端に急に体の力が抜けていった。振り返ると、ミハル隊長みたいな超絶美人が立ったいる。俺は、彼女の胸の間に顔を埋めた。




「はい、いっちょ上がりぃ。こーんな子ども相手にもたもたしてるんじゃないよ、お馬鹿さん」

「姉貴、おせぇよ」

(青島隊長は、お姉さんがいるだなんて……言ってなかった……)




 意識が遠のいていく。







 目が覚める。ボンヤリとする意識のなかで、隣のベッドにいる男の人と目が合った。彼は俺を見て驚いている。声を掛けようとすると、小さく首を横に振って話さないようにと訴えてきた。


 キルは、モニターの両端を掴んで至近距離で映像を見ている。




「あひゃひゃひゃ!! 始末したい理由はわかったけど、あいつら、とんでもねぇ事を俺らにやらせてんな! 疑って正解だぜ!!」

「ほんとねー。話しが上手すぎると思ったわ。それで、どうするの? お父さんが手を組まなかった相手とあなたは手を組んだ。もう逃げられないわよ」

「なんで逃げんだよ。面白いじゃねーの。このまま利用されている振りをして、最後には根こそぎ奪ってやんよ」




 短剣を引き抜き、俺の首元に刃先をあてがう。




「お前はとんでもねぇ奴だ。ガディアンが消したがる理由もわからなくもない。だが、その前に重度……。あいつらを片付けねぇとなー」

(ダメだ……。そんなことをすれば、また……)




 ウイヒメの時のような惨劇が繰り返される。


 早く、出ないと。伝えなきゃ……。




「しばらくは起き上がれないわよー? 少し休んでなさい」




 お姉さんは俺の頭を撫でて部屋を出て行った。その後をキルも着いていく。


 彼らはまだ治癒能力をきちんと理解していないようだ。


 俺はすでに回復しつつあった。

 次回予告!


 隣のベッドにいた男性と一緒に、全員を連れて脱出を試みるナオトたち。

 混血者や能力者を徹底解析している塊叫団のボス、キルと一戦を交えるが……!?


 乞うご期待!

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