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第1話・開戦前

 雲一つない青い景色が広がる大空に、赤い大きな鳥が空中を旋回している。


 その真下には、火を噴く山々や、焼け野原になった草原、裂けた大地が見渡せた。かろうじて安全である所々の場所では、蟻のように集う人々や生き物が空を仰いでいる。まるで、神を拝むかのように両手を握る人も多く見られる。しかし、誰一人としてその瞳に希望の光を宿してはいなかった。


 青空を飛び回る赤い鳥は一際目を引いているが、鳥ではなく、その鳥の背に乗っている二人の男女を見上げ、そして恐れているのだ。


 男は、黒と緑を基調とした戦闘服と腰袋を身に纏い、女は背中に〝威支(いと)〟という文字が刺繍された黒いマントを身に纏っている。


 男は、風で視界を邪魔する黒い前髪を掻き上げながら、薄紫色の瞳で女の方に向いた。同時に、白髪の長い髪をなびかせながら、黄金の瞳を持つ女が男の瞳を捉える。


 二人の耳には、地上からの叫びが聞こえていた。




「人間を滅ぼせ!」

「化け物を生かすな!」




 何万といる老若男女が、あるいは生き物が、荒れ果てた大地の上で死闘を繰り広げながら怒号していた。まさしく戦争そのものだが、敵を見失った乱戦のような戦であった。


 男女は、空に浮かぶ大きな黒い穴を仰ぎ見た。そして、眼下に広がる光景を一望し、迷いの色を顔に見せる。


 何を滅ぼし、何を生かせばいいのだろうか――。


 〝皇帝〟となりし男と、〝女帝〟となりし女。


 世界の運命は、この二人に握られている。

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