表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無限転生の召喚士  作者: 阿澄龍之輔
8/115

序章 7 出発の日

序章はこれで終わりです

一章の書き溜めに入るので少し時間が開きますm(__)m

あらかた食べ終えた2人は満足そうにお茶を飲んでいる

そしてメアリーは残った料理をいそいそと器に詰めている


『あ、あとそうだ、道中は目立つからこれを着てよ』


と袋から2枚のローブを取り出すと2人に差し出す


「え?これは?」

『うちの職人が編んだんだ。性能は悪くないと思う。どうかな?』

「精霊様が編んだローブ・・いいんですか?ありがたくいだきます」


2人にして地面に額をこすりつけんばかりに頭を下げる

ちなみに精霊自ら編み込んだローブは魔力付与がされていて、魔法に対する防御は高い

近接戦闘に関しては多少軽減する程度だが近づかなければいいだけの話だ

そして特殊機能としてフードを被れば存在が希薄になるというおまけ付きである

問題は色が地味でみすぼらしく見える事ぐらいだが、2人はまったく気にしてないようだ

嬉しそうにローブを胸にだく


「ありがとうございます。ずっと大事にします」

『うん、後はこの魔法の袋。あまり良いものじゃないけど』


狐太郎が2人に渡した魔法の袋は狐太郎が持ってるものより数段劣る

だがそこは精霊達が住む場所

普通に出回っている物より数段は上の物で間違いない

現に収納力は家一軒程、さらに登録機能付きで登録者以外は使えないという機能も付いている


登録の仕方は血を一滴垂らすと登録完了だ

登録者を変えたい場合は同じく登録したい者の血を一滴垂らして上書きすれば良い

それには前登録者の任意が必要で、登録者が死亡などすると未登録状態に戻る

もちろん登録製の魔法の袋など出回ってはいない

精霊達のお手製だ

過去にはたくさんあったらしいのだが


そんな魔法の袋の説明をする狐太郎にクリスティア達は声もなく聞いているだけだ

登録は部屋に戻ってからする事になった

食事の席で多少とはいえ血はまずかろうという事で


そんな話をしていると宴も終わりにきているようで広間にいるのはまばらだ

狐太郎達も部屋に戻るべく立ち上がる

すると1人の精霊が狐太郎を呼び止める

アムエルと一緒にいた付き人の1人でターランだった

クリスティア達は部屋に戻りますねと帰っていった

2人の間に微妙な空気が流れる

だが周りはいたって変わらない、ターランの性格を知っているからだ

アムエルは未だ飲み続けているし、ミルワースも視線はこちらを見ていたが暖かな視線だ

喋らないターランに狐太郎が話しかける


『ターラン・・?』

「これを持っていけ」


ぶっきらぼうに渡された狐太郎の手にはブレスレットが3つある


『これは?』

「呪い(まじない)が込められている。装着する物同士の位置がわかる。そして体調によって色が変わる。急いで作ったから効果は保証できんがな・・」


いい終わるがいなやさっさと席に戻るターラン


『ありがとうターラン』


礼を言うとふんっ、と言う返事だけ聞こえてきた

そして同じ席に座っているミルワースと目が合うとウインクしてきた

まぁターランはあんな感じだから許してくれと言う感じだろうか


ターランはミルワースと同じくアムエルの孫だ

ミルワースとは姉弟で姉のミルワースはよく喋る感じだが弟のターランは寡黙なタイプだ

だからよく誤解されそうになるが寝は優しいのだ、そして照れ屋


それを知っているから狐太郎は特に思うこともないのだ

ここのみんなは優しくいい精霊ばかりだ

絶対帰ってこようと決意新たに広間をあとにする


そして部屋に戻って明日の為に寝るのだった




出発の日


狐太郎は身支度を整えると精霊の麓の入口へと向かう

身支度といってもほとんどは魔法の袋に入ってるし着てるのはローブがあるので見た目は何も持ってないように見える


入口には精霊がほぼ全員いるんじゃないかと言うくらい集まっている

近づくと人垣(精霊垣?)が割れる

すでにクリスティア達は到着済みだった

昨日もらったローブもすでに着ているし、ブレスレットも装着済のようだ

フードは被ってないが


「おはようございますコタローさん」

『おはようクリスさんにメアリーさん』


軽く挨拶を交わす

すると人垣から背の高い真っ赤なコックコートを着たアグニスが数人の料理人を従えてやってきた

料理人達は手にバケットやら木の箱やらを持っている

恐らく全部料理なのだろう

一体何人前つくったんだ


「よう!待ってたぜ。これは餞別だ。道中食べろよ」

『いくらなんでも多すぎない?よく材料あったね・・・』

「なに、森に狩りに行ったからな」


わははと笑うアグニスをよーく見るとうっすら血糊みたいのがコックコートに付着してる気もするが、元が赤なのでわからない


『ありがとうアグニス』

「そっちの王女様達が気に入ってくれてたみたいだからな。料理人冥利に尽きるってもんだ」


豪快に笑いながらタレやドレッシングが入った容器を渡される

それを大事そうに魔法の袋に仕舞い込むと、料理人達が持ってきた料理も全部魔法の袋に収める


「じゃあ俺達は片付けがあるから行くわ!帰ってきたら話聞かせろよ」


言いながらアグニス達は調理場へ帰っていった

クリスティア達も深々と頭を下げている

メアリーなんかは頭を下げながらヨダレが落ちかかっていたのは見なかったことにする


「そろそろ出発しないと安全地帯までには着かんじゃろう」


コタローはしばらく辺りをキョロキョロ見回していたがアムエルの声かけに我にかえる


『そういえばシェリーがいないけど?』

「む?そう言えば見ないな」

「シェリーなら多分顔出さないわよ」


狐太郎とアムエルの疑問に答えたのはシェリーの姉シェリルだ


「多分泣いちゃうだろうって顔出さないみたい。何だかんだでコタローに懐いてたから寂しいんでしょ。まだまだ子供なんだから」


やれやれとシェリルは両手を腰にあて、仕方ないわねという仕草をする

どうやら泣く所を見られたくなくて来ないらしい

昨日の宴でも見なかったしな


「たぶんいつもコタローがさぼって昼寝してる所にいるんじゃないかしら」


聞かされた狐太郎は改めて世界樹の上のいつもの指定席の昼寝場所に目をやる

さすがに遠くて見えないが手を振る

シェリーが見てるといいな

会えないのは寂しいがこれでお別れではない


「さて、名残惜しいがいつまでも引き止めるわけにもいかんじゃろぅ」

『そうだね。ずっといるとこみ上げてきそうだし行くよ』


行ってきますとお辞儀をして森へ向かう

クリスティア達も精霊達に深々と頭を下げて礼を言うと狐太郎に付いて行く


「気をつけていけよ」

「危なくなったら呼ぶんだぞ」

「お土産よろしくね」


など三々五々聞こえてくる

それが心地よい

そんな声援?を背にしながら狐太郎は世界樹の麓から出発した





シェリーは世界樹の木の上に座っていた

いつも狐太郎がさぼって昼寝をしている場所だ

毎回シェリーが狐太郎をおこしに来るのが日課になっていてシェリーもさりげなく楽しみだった

それが今日からなくなる


迷い込んだ人間達を送り届けるためにここから離れてしまう

寂しくて仕方ない

行かないでとも言えない

言っても訊かないだろう事はわかっている

付いていきたいけど足でまといになって迷惑かけたくない

森を離れれば具現化もできない

帰ってくるのは分かっているがいつ帰ってくるかはわからない

危険が付きまとうかもってアムエルが言ってたのを思い出し悲しそうな顔をする

ならせめて危険を少しでも減らそうと思ってローブを作ることにした

裁縫なんかはもちろんしたことはない

何回も手を傷つけて傷だらけだ

出来上がったローブも若干形が変だと思う

でも狐太郎は喜んでもらってくれた

少しでも力になれたかもしれないと思い嬉しかった


前日からの宴は顔を出さなかった

出発が近づくにつれ合うと泣きそうになるからだ

今日も見送りに行かなかった

すでに顔は涙で濡れていたから

出発前狐太郎がこっちを見て手を振ってくれたのが見えた

また涙が溢れてきた

だけどその顔は笑顔だった


「いっちゃったわよ、コタロー」


横にシェリルが座っていた


「いいの?挨拶しなくて?」

「うん、また会えるし帰ってくるんだから大丈夫」


そう・・と一言返事をするとシェリルはシェリーの頭を撫でる


「さっきコタローがこっち見て手を振ったんだけどお姉ちゃん教えたでしょ?」

「あら、聴いてたの?盗み聞きはダメよ」


言いながらシェリルの声は柔らかい


「しばらくコタロー留守だから部屋の掃除誰かしなきゃね」


いたずらっぽく言うシェリルにハッと顔をあげるシェリー


「私がする!!」

「まだ決まってないからいいんじゃないかしら」


言いながらシェリーは下へ飛んでいった


「まだ部屋は汚れてないとおもうけれど」


そう言いながらもシェリルも下へ降りていく

いつ帰ってきてもいいように毎日掃除しよう


そう心に決めたシェリーは晴れやかな顔をしていた





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ