現実
「んぁ!!」
目が覚めるとそこはいつもの俺の部屋だった。机があり、クローゼットがあり、テレビやゲームがある正真正銘俺の部屋だ。
「なんだよ、あれって夢だったのか?」
だとしたら俺は相当重症の中二病だな。そう思い俺がベットから起きるようとするとそこにはあの夢の中で会ったシヴァと名乗った少女が隣でスヤスヤと寝ていた。
「・・・・うん。これは夢だな」
ならばせめて役得させてもらおうと思いほっぺたとツンツンとつついた。
「~~っやん。うううぅzzz」
少し唸ったあとまたスヤスヤと眠り始めた。うん、可愛い。・・・・・あれ?おかしいな。感触がえらくリアルに伝わってきたような。そう思い今度はシヴァの脇をこちょこちょとくすぐってみた。
「や!あはははははは!ダメー!ハハハハハハハハハハ!!!」
え?本物?あれって夢じゃなかったのか・・・
「えぇーっと。君はシヴァ?でよかったのかな?」
「あーっはははははははは!!!と、とりあえずやめてーーー」
「あ!っと、ごめんごめん」
そこで手を止めてくすぐり地獄の刑から開放してあげた。ちょっともったいなかったかな?
「はーはー。なんでいきなりくすぐってくるんですかぁ?信じられません!」
シヴァは気持ちよく寝ていたところを起こされてご立腹のようだ。俺の目をジーっと見つめて頬を膨らませて威嚇してくるが正直可愛いだけでまったく怖くない。
「ごめんごめん、ただスヤスヤと寝ているシヴァが可愛くてついね」
「か、可愛いなんてそんな・・!!」
シヴァは顔を赤くしてあぅ~と唸って俯いてしまった。
「それに俺は起きてるのにぐーすか寝てるお前に腹が立ってついね」
「ってそれってただの逆恨みじゃないですか!?しかも私個人の落ち度は一切感じられません!」
「逆恨みっていうか・・・八つ当たり?」
「なおいけません!!けしからんです!言語道断でしゅ!そんな理由で神様にこんな辱めをするなんて!」
一応こんなロリでもやはり神様としてのプライドは持っているらしい。というか昨日の夢はやはり本物か・・
俺がそんなことを考えていると隣でシヴァがもうお嫁にいけませんとか、責任を取ってもらわなければ、とか言ってた気がしたが聞こえないふりをすることに決めた。
「ところで昨日の禿ダルマが言ってことって本当か?シヴァ」
俺がそう問いかけるとさっきまでブツブツ言っていたシヴァが急に真剣な表情でこっちを向いた。
「はい、本当です。誠さんにはこれから私と共に神魔獣抗争と戦っていただきます」
「拒否権がないんじゃやるしかないだろ?まぁよろしくな」
はい!とシヴァは満面の笑みで元気よく返事をする。癒されるなぁとか考えているとシヴァから一枚の手紙を手渡された。どうやら夢でダルマが言っていた詳しいルールの説明とやらだろう。
そんな時ふと時計を見た。いや、見てしまった。そこには8:15という数字が書いてあった。
その瞬間誠は学校という嫌な現実に引き戻された。