第二十六話
ティグルのサブセンサーが、突っ込んでくるシオを捉えた。プログラム上でそれに与えられたコードは、目標Kであった。
すぐさま、脅威度の判定が行われる。
『脅威度強の蓋然性、高』
ティグルのプロセッサーは、そう判断した。まったくの無害である可能性もあるが、爆発物などを保持していた場合……あるいは自爆攻撃を意図していた場合は、深刻なダメージを受けるおそれがある。
プロセッサーが、最優先目標に指定された目標Kの排除方法を選択に掛かる。搭載兵装による排除は、即座に除外された。目標Kの移動速度と自己の位置、それに現在の銃塔の指向角度を計算すれば、兵装発射が間に合わないことが明確だからだ。
『目標Kの破壊による排除不可能』
プロセッサーは、そう判断を下した。残る対抗手段は、回避しかない。
ティグルはプロセッサーからの指示に従い、二つの回避手段を即座に実行した。
まず、ボディ側面左右に搭載されている合計八基のスモーク・ディスチャージャーから、四発の発煙弾を発射した。最新式のラピッド・ブルームタイプなので、急速に広がった白い煙が、すぐさまティグルを覆い隠してしまう。
「おっと!」
煙の中に突っ込んでしまったシオは、とっさに視覚を赤外線モードに切り替えた。だが、この発煙弾はIRCM(対赤外線)兼用だったので、ろくに前が見えない。
ティグルが第二の回避手段を開始した。すなわち、六本の脚を動かして移動を始めたのである。突っ込んでくる目標Kよりも早く動ければ、追いつかれることはない。
「待つのです、虎さん!」
シオは超音波センサーの情報を頼りに、逃げるティグルを追った。
しかしながら、ティグルのような軍用ロボットはその多くが、ダッシュ速度を重要視して設計されている。戦車や重装甲車などと比較すれば、はるかに軽装甲の兵器が戦場で生き残るためには、機動性を活かすしかない。発射された対戦車ミサイルを避けたり、大口径兵器やロケットランチャーの照準を合わせ辛くするダッシュ速度……停止または低速状態から速やかに高速移動へと移行する能力……は極めて有効な生存能力を提供してくれる。
伸ばしたシオの指先が、ティグルの側面装甲に届こうとしたその瞬間、両者の移動速度が逆転した。ティグルとシオのあいだが、ぐんぐんと広がり始める。
だが、ティグルのその動きは、結果的に待ち受けていたベルとの距離を縮めただけに終わった。
「自分から来てくれるとは、いい子なのですぅ~」
自作の成型炸薬を抱えたベルが、ドラム缶から飛び出した。ほんの三メートルほど脇を走り抜けようとしたティグルの脚のあいだに、タイミングを合わせて滑り込む。
時限信管を作動させた成型炸薬が、ティグルの腹部に押し付けられた。強力な磁石でそれをぴたりと張り付かせたまま、ティグルがベルの上を走り抜ける。
ベルは起き上がると、煙の中を走った。
腹部に張り付いた異物を、ティグルは吸着地雷だと正しく判断していた。
爆破タイミングが時限式によるものか、あるいは無線指令などの外部コマンドによるものかは判別できなかったが、早急に外すか無力化しなければ、大ダメージを蒙ることは確実である。
そして、単独行動中である今、これを外す方法は、ひとつしかない。
走りながら、ティグルは脚を撓めた。そしてそのまま、大きくジャンプする。
脚部に備わっているショックアブソーバーの機能を、強制的に停止させる。目的はボディに衝撃を与えることにある。これを緩和しては、意味がない。
どしん。
ティグルは着地した。激しい衝撃が、ティグルのボディを見舞う。
いきなり、二桁におよぶ損害警告が各所から発せられた。プロセッサーが素早く損害を評価し、索敵や照準、ダメージコントロールを含む総合戦闘能力が70%以下に落ちたと判断するほどの、損害を蒙ったと判定する。だが、それだけの甲斐はあった。ベルが装着した成型炸薬の缶が、ぽろんと外れたのだ。
どん。
横倒しに路上に転がった缶の時限信管が作動し、メタルジェットが噴き出す。だがそれは、ティグルの腹部装甲を破ることなく、空気中に放出されただけに終わった。
「もらったのです!」
薄れゆく発煙弾から生じた煙の中から、シオが飛び出してきた。……ティグルが停止したので、追い付いたのだ。
ティグルのメインセンサーが、接近するシオを捉えた。
銃塔がぐるりと旋回しようとして……止まった。
先ほどのジャンプで、旋回機能に障害が生じていたのだ。
ティグルは逃げようと走り出したが、脚部も損傷していた。間接部の数箇所に故障があり、速度が出ない。
最後の手段として、ティグルは残る四発の発煙弾をすべて発射した。再びあたりは濃密な白煙に満たされたが、シオはすでに至近にまで迫っており、視覚センサーに頼らなくてもティグルに追いつくことができた。
「虎さん、覚悟!」
直前までに捉えていた視覚センサーの情報と、超音波センサーの情報を合わせて処理したシオは、ティグルがいると思われた場所に成型炸薬入りの缶を叩き付けた。狙い通り、ティグルのボディ側面に成型炸薬が張り付く。
時限信管はすでに作動している。シオは退避行動に入った。
今度も、ティグルは側面に張り付いた異物を吸着地雷だと正しく判断していた。再びこれを振り落とそうと、ジャンプする。
だが、損傷した脚部では先ほどのような大ジャンプは無理であった。着地時に生じた衝撃は、一回目の三分の一にすら及ばなかった。ベルが製作した成型炸薬は、ボディ側面にぴったりと張り付いたまま、傷ついたティグルが必死になって作り出した衝撃に耐え抜いた。
どん。
成型炸薬が起爆した。メタルジェットが側面装甲を易々と突き破り、内部構造へと吹き込む。
狩人の槍の穂先が虎の内臓を引き裂くがごとく、爆発の威力はティグルの動力機構を大きく損なった。
ティグルが、損傷した側面を上にして路上にどさりと横たわった。各所から黒い煙を噴き出しながら、フランス製の軍用ロボットはその機能を停止した。
態勢を立て直したシオとベルは、正面入口からビルの中へと突っ込んでいった。
待ち受けていた内務省職員が、MP5Kと拳銃で応戦してくる。すかさず、ベルがプラストライトの塊を投げた。プラスチック爆薬単体では、殺傷力はそれほど得られない。だが、充分な衝撃波を生み出すことは可能だ。
爆発と同時に、シオは突撃した。衝撃波を浴びて混乱している内務省職員に、冷静にミニUZIの銃弾を浴びせてゆく。
「ルイ、メガン。一階は任せた!」
シオとベルに続きビルに突入してきたデニスが、指示を出す。
「援護しろ!」
シオとベルの脇を、FAMASを肩の高さに構えた越川一尉がすり抜けて、階段の下に張り付いた。デニスが続き、ミニミの銃口を階段の上に向ける。
廊下でスターリング・サブマシンガンを乱射していた伍長が、倒れた。
ジェームズ・ドランボ将軍は腕時計に眼を落とした。増援が駆けつけるまで、あと十五分。どうやら、持ち堪えられそうにない。
すでに、味方は二人に減っていた。副官のデイゴ大尉と、ロデ大統領を抑えている軍曹だけ。一階には、エネンガル海軍か内務省の者が生き残っているかもしれないが、そちらが制圧されてしまうのも時間の問題だろう。
となれば、方法はひとつしかない。
「軍曹、大統領に後ろ手に手錠を掛けろ」
「イエス、サー」
ロデ大統領を抑えていたシラリア陸軍軍曹が、ベルトに下げていた革ケースから標準的な手錠を取り出し、ロデの手首に嵌めた。
「よし。手榴弾を寄越せ」
「イエス、サー」
軍曹が、差し出されたドランボの手に、L2A2手榴弾を押し付けた。
受け取ったドランボは、それをロデ大統領が着ているシャツの胸ポケットに、セイフティ・レバーが外に出るような形で押し込んだ。それをポケットごと左手で握りながら、安全ピンを抜く。
これで、ドランボ将軍が手を離せば、ロデ大統領は確実に死ぬことになる。
「撃つな! 攻撃を続ければ、ロデ大統領が死ぬことになるぞ!」
ドランボ将軍は、扉の外に向かって怒鳴った。
「まずいですね」
壁に張り付いた越川一尉が、舌打ちする。
ビル内の掃討作戦は、ここまでは順調に推移していた。切り札だったであろう軍用ロボットが破壊されたことで、敵の士気は相当落ち込んだらしい。すでに、メガンから一階を完全掃討したとの連絡が入っている。
「まあ、大統領を人質に取られることは計算済みだがね」
デニスが、余裕の笑みを浮かべる。
「どうするのでありますか?」
慎重に戸口の奥を覗き込みながら、シオは訊いた。室内に立てこもっている敵は、三人。こちらにスターリング・サブマシンガンを向けている大尉。同じくスターリング・サブマシンガン持ちで、銃口をロデ大統領に向けている軍曹。そして、左手でロデ大統領の胸ポケットの手榴弾を握り、右手に持った自動拳銃をロデの頭に突きつけているドランボ将軍。いずれも、家具で作ったバリケードの奥にいるので、狙撃も難しい。
この状態で、ドランボ将軍を無力化すれば、確実に手榴弾が起爆してしまう。手錠で拘束されているロデ大統領が、手榴弾を胸ポケットから取り出すことはまず無理だ。間違いなく、大統領は死んでしまうだろう。
「ベル。無線でスカディたちに連絡してくれ。付近の住民に、『ここにダニエル・ロデ大統領が監禁されている』と触れ回るように言うんだ」
デニスが、そう命じた。
「わかりましたぁ~」
「……何をするつもりです?」
越川一尉が、訝しげな視線をデニスに向ける。
「まあ、任せておいてくれ。奴を英雄にすることになるが、ロデ大統領の命には代えられない。シオ。今捉えている視覚映像は、すべて記録しているな?」
「もちろんです!」
シオは勢いよく肯定した。
「よし。念のため、バックアップを取ってメモリー内の別な場所に格納してくれ。ベル、君も前に出て室内の様子を記録するんだ。特に、ドランボ将軍を詳しくな」
「了解なのですぅ~」
スカディ、亞唯、雛菊の三体が、近所を廻ってフランス語で『ロデ大統領がこのビルに監禁されている』と触れ回った結果……。
五分と経たずに、小さなビルの周囲は野次馬で溢れかえった。ロデ大統領自体が、人気者であり、車で通過すると知れただけで沿道に人だかりができるほどなのだ。そしてもちろん、国民のすべてが、クーデター派によって『ロデ大統領の保護拘禁』がなされたことを知っている。なにしろ、クーデター派が陸軍を始めとする大統領派の動きを牽制するために、大々的に宣伝したのだから、当然ではあるが。
「何の騒ぎだ?」
ジェームズ・ドランボ将軍も、ビルの周りが騒がしくなったことに気付いていた。副官のデイゴ大尉が、そっと窓から外を窺い、おもわず後ずさる。
「どうした?」
「市民が、周囲に集まっています。……数百、いや、千人はいそうです」
小声で、大尉が報告する。
「そろそろ始めるか」
デニスが、こほんと咳払いしてから、身を乗り出した。
「ダニエル・ロデ大統領を人質にとって立てこもっているシラリア共和国国防相ジェームズ・ドランボ将軍に告ぐ。わたしはとある国の情報機関に所属している。本国の命令で、ロデ大統領救出を行った。ぜひ、大統領を解放してもらいたい」
「大統領の命が惜しければ、退け。こちらとしても、彼を殺したいわけじゃない」
ドランボ将軍が、しゃがれ声で応じる。
「退いても無理だよ、将軍。集まった市民を見ただろう。彼らは皆、ここに大統領がいることを知っているからこそ、集まったんだ。大統領に銃を突きつけている君たちを、市民が黙って通してくれると思うのかね?」
多少嘲りを含んだ声で、デニスが言った。ドランボが、沈黙する。
「どうだね? それとも、市民に銃を撃ちまくって血路を開くか? そんなことをすれば、クーデターは確実に失敗するだろうな……」
……嵌められたか。
ドランボ将軍は悔しがると同時に、某国の情報機関員と名乗ったこの男の機転に感心してもいた。市民を集め、味方に付けることにより、人質のロデ大統領という切り札の価値を、大幅に減じさせてしまったのだ。
クーデターを成功させるには、ロデ大統領を生きたままサン・ジュスタン市に連れてゆく必要がある。ここで殺してしまっては、クーデターは失敗するし、おそらくは怒り狂った市民にドランボ自体も殺されてしまうだろう。
ロデ大統領を人質にして、この場を切り抜けようとすれば、その様子を多数の市民に目撃されることになる。だめだ。その様子が他のエネンガル国民に知られれば、クーデター側に同調する市民は皆無となるだろう。サン・ジュスタンにロデ大統領を連行し、国営テレビでニヤ新大統領への指示を表明させたとしても、国民は誰一人として信用してくれないことになる。
あと十分もすれば、二個小隊の味方が到着する。だが、彼らはエネンガル陸軍兵士である。どう考えても、エネンガル市民に銃口は向けないだろう。ドランボと市民の対決となれば、外国人であるドランボの命令は聞きそうにない。
失敗だ。どう転んでも、クーデターは失敗する。
「どうだろう将軍。英雄に、なる気はないかね?」
唐突に、情報機関員にそう呼びかけられ、ドランボは戸惑った。
「英雄?」
「そうだ。ロデ大統領を救出し、ニヤ国防相によるクーデターを阻止した、英雄さ」
「……意味がわからないが」
「なに、簡単なことさ。あんたとロデ大統領が、肩を組んでこのビルを出てゆくだけでいい。クーデター派によって逮捕監禁されていたロデ大統領を、たまたまエネンガル訪問中だったシラリアのドランボ国防相が救出した、というシナリオさ。あんたはエネンガル国民に末永く英雄として記憶されるだろう。そうそう、第6旅団にも撤退命令を出してくれよ。あれは、クーデターを阻止しようとして派遣した、ということにしておけば丸く収まるだろう」
「しかし……」
「エネンガルとシラリアの合併とか、自分が新生エネンガルの国防次官だとかを気にしてるのか? あんなもの、すべてニヤ国防相が勝手にやったことにしちまえばいい。シラリア議会の承認? どうせお飾りなんだから、気にするな。あんたとエサマなら、いくらでもごまかせるだろう。ひとつだけ言っておくが……」
今までかなりフレンドリーな口調だった情報機関員が、急に冷ややかな声音となった。
「……わたしは確かにロデ大統領救出を本国から命じられた。だが、それに優先する形で、シラリアによるエネンガル乗っ取りを阻止するように命じられている。優先命令遂行のためには、第二の命令を完全無視することも、許されているんだ。そのあたり、理解してほしいね」
……つまり、合併阻止のためにはロデ大統領を見捨ててもいい、ということか。
ドランボ将軍は逡巡した。この情報機関員の言うとおりにすれば、少なくとも自分はこの窮地を脱することができる。だが、盟友エサマ大統領と長年掛けて徐々に進めてきたエネンガル乗っ取り計画は完全な失敗に終わってしまう。サリン製造などという危ない橋を渡ってまで捻出した資金を、惜しげもなく投じたまさに生涯を掛けた作戦が。
「時間がない。あと十秒で決めてくれ。きっかり十秒後に、手榴弾を室内に投げ込む。そのあとで、室内の様子を市民に公開する。『逃げられないと悟ったドランボ将軍、ロデ大統領を道連れに自決』というシナリオだな。市民は怒り狂うだろう。もちろん、ニヤ国防相によるクーデターは失敗。シラリアとの合併は白紙。あんたの墓は、未来永劫エネンガル人に蹴り倒されるという寸法だ」
情報機関員が、嬉しそうに言った。
……まだ死ねない。
「待った。あんたのシナリオに乗るとして……こちらの安全の保証は?」
「市民さ。先に『ドランボ将軍がロデ大統領を救出した』と広報する。そのあとで、あんたがロデ大統領と握手しながら市民の前に現れれば、あんたは英雄だ。安全は、市民が保障してくれるだろう。なにしろ、敬愛する大統領の命の恩人なんだからな。……そのくらいの嘘なら、付き合ってもらえますよね、大統領閣下?」
「エネンガル人同士が殺しあうような事態は避けねばならん。ドランボ将軍は悪党だと思うが……仕方あるまい。将軍、あなたを英雄に仕立ててあげましょう。ただし、勲章の授与はありませんぞ」
ずっと黙ってやりとりを聞いていたロデ大統領が、重々しく言った。
「万歳! エネンガル共和国!」
「万歳! 大統領!」
「万歳! 英雄ドランボ将軍!」
表通りを埋め尽くした群集が、感極まった叫びを繰り返す。
ロデ大統領は、神輿のように何人もの市民に担がれた状態で、表通りを練り歩く群衆の中にいた。そのすぐ後ろには、同じように市民に担がれたドランボ将軍の姿がある。
「いいの、あれで?」
辟易といった表情で、メガンがデニスに訊く。
「ロデ大統領の命が掛かっていたからな。とりあえず、これでシラリアのエネンガル乗っ取りは無くなった。シラリアの支援を受けられないとなれば、ニヤ国防相のクーデターも自動的に失敗に終わるだろうな。色々と、好都合だよ」
「まあ、最悪の事態は免れたわけだ」
ルイが、疲れたような声で言う。
「でも、ドランボ将軍が英雄になったうえに、お咎めなしというのは釈然としませんわね」
スカディが、憤然として言った。
「そうでもないぞ。シオ、ベル。例の映像はしっかりキープしてあるな?」
「もちろんであります!」
「ちゃんと記録してあるのですぅ~」
デニスが、手を伸ばしてシオとベルの頭を同時に撫でた。
「この中には、ドランボ将軍がロデ大統領を人質に取っている映像が音声と共にしっかりと記録されている。大尉、このコピーをぜひSISとCIA、それにエネンガル政府に提供してくれんかね? これさえあれば、ドランボ将軍に色々と圧力を掛ける材料になると思うんだがな」
「上官に諮る必要がありますが、喜んで提供すると思いますよ」
にやにやと笑いながら、越川一尉が請合った。
「思うんだが……モーゼス・エサマは少しばかり在職期間が長すぎるんじゃないかな? 噂では、健康を害しているとも訊く。近いうちに病死するんじゃないかな。そうすれば、後継者は当然ジェームズ・ドランボ将軍になるだろう。わたしが思うに、ドランボ将軍は言われているほど悪い奴じゃないよ。たぶん、イギリスやアメリカ政府の意向を素直に聞いてくれるし、エネンガルに手を出すようなことは二度としないだろうね。結構いいシラリアの大統領になるんじゃないかな、彼は。どう思うね、君たちは?」
デニスがにこにこしながら言って、再びシオとベルの頭を撫でた。
第二十六話をお届けします。




