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突撃!! AHOの子ロボ分隊!  作者: 高階 桂
Mission 02 日本大使奪還せよ!
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第十五話

 エミディオは、扉の横にある壁にへばりつき、廊下の気配を探った。

 先ほど突然の爆発音で仮眠から叩き起こされた彼は、すぐさま枕元のAIM突撃銃を掴み、ポケットに予備弾倉と手榴弾が入っている上着を羽織った。M74自動拳銃の収まった布製ホルスターは、寝ている時でもベルトに付けてある。

 ……突入作戦ではないのか?

 外部の様子を伺いつつ、エミディオは訝った。銃声が、聞こえないのだ。陸軍や内務省部隊が、人質奪還を目指して大使館に突入してきたのであれば、配置に就いている部下が反撃するし、敵も銃撃を行うはずだ。

 エミディオは、AIMの銃口でつつくようにして、扉をそっと開けた。

 途端に、銃撃を喰らった。何発もの銃弾が、木製の扉を切り裂く。衝撃で、扉が全開となった。

 エミディオはAIMだけを廊下に突き出すようにして、応射した。もちろん、狙いなどつけてはいない。一弾倉撃ち尽くすと、部屋の中を駆けてベッドの向こう側に身を隠し、新たな弾倉をはめ込んだ。掩蓋陣地のような安全な固定射座を持たぬ限り、同一の射撃位置を長時間保持しない。特に敵が複数の場合は、戦術的包囲をさせないために頻繁な移動が必要となる。……ゲリラ戦、いや、歩兵戦闘の基本である。

 ……ここで死ぬしかないな。

 エミディオは覚悟を決めた。状況はつかめていないが、政府側が人質の安全を省みずに本気で攻め寄せてきたとなると、押し返すのは不可能だろう。この作戦以前にも、エミディオはいくつかの作戦に参加し、陸軍兵士や警察官、内務省の工作員などを殺害している。逮捕されれば、その求刑は確実に最高刑になるだろう。そしてまず間違いなく、裁判では求刑通りの有罪判決が下るはずだ。サンタ・アナには死刑制度はないので、終身刑は免れない。

 もちろん、生きて収監されていればフレンテの同志によって奪還救出される可能性はある。しかし、その前に内務省の連中に薬物を使われ、知っている情報をすべて搾り取られてしまうだろう。それにより、さらに多くの同志が逮捕され、拠点が潰され、蓄えていた武器が押収され、資金源が断たれることになる。そうなれば、フレンテは壊滅である。ただでさえ、本作戦がこうして失敗に終わったことが、組織にとっては大打撃だというのに。

 扉の方で、気配がした。エミディオは、AIMを一連射した。銃弾が扉枠を掠め、ベージュ色の木屑が宙に舞う。

 お返しに、部屋の中に手榴弾が放り込まれる。スタン・グレネードだと判断したエミディオは、いったん銃を手放して両耳を塞ぎ、目を閉じて顔をベッドの脇に押し付けた。

 だが、爆発は生じなかった。代わりに、床に転がった缶状の手榴弾から白い煙が吹き出す。

 CSガスは無臭である。だが、皮膚に焼けるような感覚を覚えたエミディオは、すぐに催涙ガスだと気付いた。

 ……くそ、炙り出すつもりか。

 特殊部隊側は、シオからの情報でこの部屋がエミディオ専用だと言うことを知っていた。下っ端のゲリラは射殺しても問題ないが、フレンテ最高幹部の一人であるエミディオは、生きたまま捕らえたいと考えていたのである。それゆえの、CS手榴弾攻撃であった。

 カトリックでは、自殺を禁じている。エミディオも、自ら命を絶つ気はなかった。しかし、このままでは、早晩戦闘能力を失い、抗うすべもなく捕らえられてしまうだろう。薬物を使った尋問。屈辱的な裁判。自然死まで延々と続く、辛く苦しい収監。

 反撃しても、突入部隊は本気で撃ち返してこないだろう。殺したくないからだ。だが、他の連中なら……。

 エミディオは立ち上がると、窓のカーテンを引き開けた。窓を開放し、新鮮な空気を喘ぎながら吸い込む。

 すでに、目からはとめどなく涙が溢れていた。視界はぼやけていたが、大使館を包囲している警官隊の姿は、見て取れる。数え切れないほどの人数なので、正確な照準は必要ない。

 AIMを持ち上げたエミディオは、大きく身を晒すと、肩付けで撃ち始めた。警察官たちが、慌てて装甲車の陰に引っ込む。

 あちこちから、応射がなされた。数弾が、エミディオの身体を貫く。致命傷となった心臓への命中弾は、ろくに射撃訓練を受けたこともない新人警官が慌てて放ったM‐16A1のまぐれ当たりであった。

 フレンテ軍事部門最高幹部のひとりにして、本作戦の指揮官は、その望み通り積極果敢なる戦闘中に敵弾に倒れてこの世を去った。



 対テロ特殊部隊の隊員は、作戦行動中に人に出くわしたらまずその『手』を見るように訓練されている。もちろん、武器の有無を確認するためだ。手に銃器その他剣呑な物を持っていれば、車椅子に乗ったやせ細った老女だろうと即座に射殺。空手ならば、迷彩戦闘服を着込んでスキーマスクを被ったマッチョでも、とりあえず引き金を引かない。これが、基本である。

 MP‐5を肩付けし、文化広報室に踏み込んできた二人の内務省特殊部隊員。セオリー通りであれば、彼らはスサナに対し発砲すべきであった。だが、二人とも引き金を引かなかった。即座に、彼女に戦意がないことを悟ったからだ。

 両手でAIM突撃銃を抱えていたものの、銃口は下を向いているし、目もうつろだ。見た目は明らかにフレンテのゲリラだが、まだ少女。加えて、大使館内の掃討作戦はすでに終盤段階である。無線で人質全員確保を知らされているし、つい今しがた、リーダーであるエミディオ・ナダル無力化の連絡も入っている。特殊部隊側には、慈悲にも似た精神的ゆとりが生まれていた。下っ端のゲリラを焦って射殺する必要は、もはや無い。

 と、急にスサナの目に鋭さが戻った。シオに説得されて揺らいでいた戦意が、特殊部隊員の乱入でもとに戻ってしまったのだ。訓練の賜物である。

「いけません、スサナちゃん!」

 スサナの表情の変化を見て取ったシオは、とっさに叫んだ。

 スサナの腕が、上がった。驚いたような表情で……実際、自分でも驚いていたのだが……AIM突撃銃の銃口を、闖入者に向けてしまう。厳しい訓練の結果、頭で考えるよりも早く、身体が動いてしまったのだ。

 特殊部隊員二名が、引き金を二回ずつ引いた。合計四回の三点バースト……十二発の9ミリ弾が、スサナの小柄な身体に叩き込まれる。衝撃で仰け反りつつ、スサナが床に崩れ折れた。

 二人の特殊部隊員が、シオの存在を無視して室内の掃討に掛かる。三人目が入り込み、無造作にスサナの死亡を確認した。手早く身体を探り、予備弾倉と手榴弾を回収する。

「スサナちゃん……」

 シオはスサナの死体の脇に座り込んだ。死に顔は、安らかではなかった。驚きの表情を張り付かせたまま、硬直している。半開きの口が、なぜ撃たれてしまったのかと問いかけているかのようだ。

「なんで早く銃を手放してくれなかったのですか、スサナちゃん」

 シオは呼びかけた。もちろん、返答が無いのは承知のうえだ。

「スサナちゃんは、ここで死んではいけない人だったのです。刑務所に数年入ってから、充分人生をやり直せるはずだったのです。そうすれば、日本に来ることもできたはずです。日本を、見せてあげたかったのです……」

 室内掃討を終えた特殊部隊員たちが、どたどたと文化広報室を出て行った。シオは、死体とともに部屋に残された。

「……若い人が無駄に死んでしまう国は、いい国ではないのです……。よくわかりませんが、絶対に間違っていると、シオは思うのです……」



 十時五十一分。突入開始から六分後。

 特殊部隊のチームに追いかけられ、地下の洗濯室に立てこもったルフィノが、CS手榴弾を投げられて降伏した。

 その四分後、特殊部隊のリーダーが無線で大使館内の完全制圧を対策本部に報告する。



 陸軍兵士の手を借りて、続々と大使館を脱出した三十一名の人質は、大使館北西にある邸宅の庭に集められた。内務省と首都警察の合同チームが、人数を確認のうえ、型通り写真と人質の顔を照合し、ゲリラが紛れ込んでいないかどうかをチェックする。女性警官がペットボトルの水を配り、人質たちはそれで口腔内や鼻腔にこびりついていた粉塵を洗い流した。待機していた数名の陸軍軍医が、各人をざっと診察する。高齢の一人が胸の痛みを訴え、二人が脱出の際に脚を痛めたので、この三人だけは救急車に乗せられた。もう一人、脚を引き摺っていた人物……元副大統領……がいたが、痛めたのは脱出のときではなく、サッカーの試合中だと言い張って、救急車に乗せられることを断固拒否した。仕方なく、屈強な警察官一人が肩を貸す形で、迎えのバスに乗り込む。

 バスは警察車両に囲まれて、官庁街を目指した。ノゲイラ政権は、『ポジート』作戦の成功を、とことんまで政治的に利用してやる魂胆なのだ。すでに内務省は報道各機関に対し、あらゆる取材制限を撤廃することを通告していた。最も政府寄りの報道をしてくれるテレビ局は、電話で大統領官邸での独占取材の許可を通告され、取材クルーが大慌ててバンに機材を運び込んでいるところであった。

 その大統領官邸では、開放された人質を接待する準備が大童で進められていた。シャンペンの箱が開けられ、純白のテーブルクロスが広げられる。官邸専属カメラマンは、助手を被写体に試し撮りを行っていた。当の大統領は、専属理容師に髪を整えさせていた。『ポジート』作戦の成功に加え、この後の数時間のマスコミ向けパフォーマンスが上手く行けば、支持率が跳ね上がること請け合いである。このところ経済政策の失敗で支持率低迷に悩んでいたノゲイラ大統領は、上機嫌で専属理容師が奏でるリズミカルな鋏の音に聞き入っていた。



「シオちゃん、迎えの車が待っているのですぅ~」

 文化広報室に入ってきたベルが、言う。

 大使館内は、いまだ騒がしかった。特殊部隊は撤収したが、代わりに陸軍の爆発物処理部隊が入って来て、フレンテ側が仕掛けた爆発物の撤去を開始したのだ。首都警察も乗り込んできて、写真撮影や遺棄されたゲリラの装備の回収など、捜査活動を始めている。

「スサナちゃんが、死んでしまったのです」

 シオは、ぽつりと言った。

「どのような、ご関係だったのですかぁ~」

 近寄ってきたベルが、訊く。

「お友達になれたかもしれない娘だったのです」

 通常、AI‐10のような『感情の豊かさ』を売りにするロボットの他人に対する好悪は、マスターのそれに準じたものとなる。マスターが好意を抱いている人物はロボットもお気に入りの人物と看做すし、その逆もまた然りである。

 軍事目的に転用される場合、この方法は役に立たない。マスターとは切り離されてしまうのが通常であるし、直属の上官を『擬似マスター』とするやり方では、上官がその上級者を嫌っていた場合などに、命令拒否などを引き起こしかねないためだ。

 それゆえに、軍用ROM内では他者に対し好意を持ち易いプログラムが採用されている。たとえ初対面であっても友軍の兵士や上官に対しては好意を持ってくれなければ困るし、人道的見地からも敵対勢力に属する民間人などには好意を持って接する必要があるからだ。

 『敵』と指定された相手に対しても、同様である。捕虜になることを承諾した者、戦意の無い者、協力的な者などは、好意を持って接する。このプログラムに従い、シオはスサナに対しかなりの好意を抱いて接してきていた。さすがに『敵』の指定は外せなかったので、友人となるのは無理だったが、もしスサナが投降の意思を示し、実際に銃を置いたのであれば、もっと親密な関係になれたことは、間違いない。

 シオは立ち上がった。任務はまだ終わっていない。大井大使は、いまだフレンテの人質なのだ。奪還しなければならない。

「スサナちゃん。短くて辛かった人生かもしれませんが、あなたはとってもいい娘だったのです。成仏してください」

 シオは、スサナの頭の上で両手を合わせた。

「シオちゃん、この娘はカトリックだと思いますがぁ~」

「死者を悼む気持ちは、宗教の枠を超えるのです。さようならなのです、スサナちゃん」



 在サンタ・アナ日本大使館人質救出作戦、作戦名『ポジート』は、ほぼ完璧と言える成功を収めた。

 三十一名の人質は、全員が無事救出された。ゲリラ十一名のうち、八名を射殺。重傷を負った一人を逮捕。残る二人は、抵抗を諦めて逮捕された。

 大使館内に突入した特殊部隊の死者はゼロ。負傷者は、五名。一人は大腿部貫通銃創で重傷だが、命に別状はない。残る四名は、いずれも軽傷。

 この史上稀にみる大成功の主たる要因は、人質が集められていた二階レセプションルームを内側から爆破し、突入口を造ることにより速やかに人質の安全を確保できたことにある。内外のマスコミは、内務省の公式声明にあった『事前に大使館内に単独潜入し爆破準備を進めたエージェント』の正体を探ろうと取材を続けたが、内務省側は頑としてその正体を明かそうとはしなかった。それゆえ、正体を明かせないのは、彼ないし彼女が外国人だからだ、との見方が生じ、ネット上などではその正体に関して憶測が飛び交った。イギリスかアメリカの特殊部隊員説か諜報機関員説が、もっとも説得力があったが、場所が日本大使館だったこともあり、『日本から派遣されたニンジャの仕業』との冗談交じりの説も唱えられた。



「まずは、『ポジート』作戦成功おめでとうと言わせてもらいましょう。見事なお手並みでした、フォンセカ局長、ケサダ大佐。大統領も、サンタ・アナ内務省と陸軍の完璧な協力が驚嘆すべき大成功をもたらした、と申されました」

 ハンコック大使が、二人のサンタ・アナ人を賞賛した。

 人質救出成功からほぼ五時間後。『キャットニップ』作戦に関わった人々は、アメリカ大使館の会議室で打ち合わせを行っていた。招請したのは、ハンコック大使だ。議題は、もちろんいまだフレンテの人質となっている日英両大使についてである。

 シオも、前回と同様出席を許されていた。その隣には、ベルの姿もあった。『ポジート』作戦成功の功労者として、出席を求められたのだ。

「シオとベル。君たちも、よくやってくれた。大統領から、代わりに礼を言ってくれと頼まれている。諸君がいなければ、アメリカ人人質の解放は無理だった、と大統領はお考えだ。もし機会があれば、直接礼を述べたい、とまで仰った。ありがとう」

 ハンコック大使が、笑顔でそう言う。

「合衆国大統領からお褒めの言葉を賜わるとは、光栄なのです!」

 シオは椅子の上でぴょんぴょんと飛び上がって感激を表現した。

「恐悦至極なのですぅ~。お役に立てて、嬉しいのですぅ~」

 一方のベルは嬉しそうだが、いつもの調子である。

「大統領は、イギリス、日本の両大使奪還のために、合衆国は協力を惜しまない、と明言された。両大使はすでにニカラグア国内に移送されたと、サンタ・アナ当局は判断しており、合衆国の各情報機関も同様な分析結果を出している。これに基き、わが方の偵察衛星はニカラグア北東部を詳細に調査している。国務省は、非公式ながらすでにニカラグア政府に対し申し入れを行い、圧力を掛けつつある。我々は今後とも連絡を密にし、協力体制を維持し、両大使奪還のために力を合わせるべきだと思う。いかがですかな?」

 ハンコック大使が、イギリス勢……マコーミック一等書記官、デニス、ホーン大尉の三人を見る。

「ありがとうございます、大使閣下。わが国は、合衆国の友情に感謝し、その助力をありがたく受け入れる所存です」

 マコーミック一等書記官が、そう答える。

「日本はどうですかな?」

 ハンコック大使が、日本勢に目を当てた。

「貴国のご提案、感謝いたします。もちろん、協力態勢の維持に異存はありません」

 多田官房参事官が、やや慎重な物言いでハンコック大使の提案を受け入れた。

「しかし……ニカラグア国内とは、やっかいですな」

 世間話でも始めるかのような気楽な口調で、デニスが喋り出す。

「今のタッカー大統領に、ニカラグアと事を構える気はさらさらないでしょう。サンタ・アナも同様。下手に手を出せば、国境紛争再燃ですからな。日本も、ここまで届く長い腕はお持ちではない。といってわが国も、効果的な手立てを持っているわけではない。……手詰まりですな」

「フレンテ側のアクション待ちかも知れませんね」

 一応空気を読み、誰も発言しそうにないことを確認してから、畑中二尉が意見を述べ始める。

「作戦失敗で、フレンテは大きな打撃を受けたはずです。失地回復のために人質である大井、ヤング両大使を使った新たな作戦を行う可能性は、高い。連中が何か行動を起こせば、必ず隙が生まれるはずです。そこを衝くしかないと」

「同意できる分析ですな」

 CIAのアーネルが、うなずいた。

「長期戦になるのは、困るのです! あたいには、お世話をしなければならないマスターがいるのです!」

 まったく空気を読まずに、シオはそう発言した。長浜一佐は苦い顔をしたが、他の出席者は和んだようだ。ハンコック大使が、微笑みながら声を掛ける。

「シオ、君とベルの仕事はもう終わったと思うよ。あとは我々に任せて、日本へ帰りたまえ」

「そうさせてもらいます、大使閣下!」

 シオは元気よく答えた。


第十五話をお届けします。

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