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突撃!! AHOの子ロボ分隊!  作者: 高階 桂
Mission 09 東アフリカ独裁者打倒せよ!
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第十五話

 AI‐10たちが入るドラム缶を載せたパレットは、燃料油卸会社の集積ステーションへと運ばれ、そこで降ろされた。排熱で徐々にドラム缶内の温度が上がって来たので、シオは最初の冷却材を使うことにした。粒状尿素が入ったビニール袋を開き、中にほぼ等量の水を入れる。すぐに、反応が始まった。尿素が水に溶解する際に、熱を吸収する現象……いわゆる吸熱反応を利用した冷却法である。

 何事もなく夜が明け、朝になると、パレットは大型トラックに積み込まれた。走り出したトラックは、数回の停車を繰り返したのちにエンジンを切った。フォークリフトによってパレットが降ろされ、少し離れたコンクリート面に降ろされる。

 AI‐10たちは、夜が訪れるのを辛抱強く待った。



 午後九時過ぎ。

 キャンバストップの三菱パジェロが、ゆっくりとした速度で裏通りを走ってゆく。

 運転するのは、陸軍の作業服を着こみ、野戦帽を目深に被ったソランジュだ。腰のホルスターには、Cz75自動拳銃が収まっているが、グリップにはめ込まれた弾倉に込められているのは、実包ではなく訓練用の空砲である。……作戦参加の条件として、自分は誰も殺傷しないことを主張し、エリザに認めさせたのだ。

 後席には、カジュアルな服装をしたダークとラッセルが座っていた。こちらは無論非武装である。

 このパジェロは民間仕様で、塗色もそのまま、車体後部と前部ドアに南部軍管区のマークを描き、ブロック・レターで偽の登録番号を記入しただけである。だが、内戦開始以来多数の民間車両が軍によって購入ないし徴用されて使用されており、ここトレミニ空軍基地も例外ではなかった。特に日本製の四輪駆動車は重用されているので、この程度の偽装でも目立つことはないだろう。ゲート警備の空軍憲兵も、ナンバープレートや登録番号をいちいち確かめたりしないことは、確認済みである。

 ソランジュは、手筈通り目的地である酒場の前の駐車スペースにパジェロを乗り入れた。そこにはすでに、六台の軍の車両が停まっていた。国防軍制式車両であるAIL M242ストームMk2(ジープタイプのイスラエル製四輪駆動車)二台、トヨタ・ランドクルーザー、トヨタ・ハイラックス、メルセデス・ベンツ・Gクラスが一台ずつ。加えて、こちらにそっくりなパジェロも、一台停まっている。

 ソランジュが、一番隅にバックでパジェロを停めた。ダークとラッセルは、車を降りると酒場へと向かった。開けっぱなしの水色の両開き戸の中から、黄色い光とざわめきが派手に漏れ出している。

 掛けられている看板には、『リス・ブラン』という店名と、その名の通りの白い百合が描かれていた。

「いい店名じゃないね」

 ラッセルが、顔をしかめつつ言う。ダークが、唸り声で同意した。日本人の感覚としては、『白百合』は可憐かつ清楚な美しさを連想させる良い名だが、ヨーロッパや中南米で白い百合は葬儀の際の花の定番なのだ。……日本で言えば、居酒屋の店名に『白菊』と付けるようなものか。

 建物は安っぽい造りだが一応鉄筋コンクリート製らしく、広々とした店内に突っ立っている邪魔な柱は二本だけだった。正面奥にカウンターがあり、そこは地元民専用なのか、原色の派手なシャツを纏った黒い肌のアマニア人たちが陣取っていた。右手の方は厨房で、トイレの表示もそこにあった。前部で二十はありそうなテーブルはすべて安っぽい赤か白のプラスチック製で、椅子も同様の色と材質だ。左側の、厨房から遠い場所が傭兵たちの居場所らしく、ヨーロッパ系の肌の白い連中はそこのテーブル席に固まっていた。ダークとラッセルは、すぐにそちらに向かった。あまり目立ちたくはないので、ダークは整備員らしい数名……眼鏡を掛けた奴が三人いたのでまず間違いない……が集まっている一郭から、適当にテーブルを選ぶと、気軽に挨拶をしながら空いた椅子に滑り込んだ。ラッセルも、パイロットらしい雰囲気……これは、万国共通なのですぐにわかる……を発散させている男たちが座るテーブルに向かう。

「ロジェだ。今日着いたばかりだ」

 偽名を名乗ったダークは、同席の三人と握手を交わした。

「俺はピートだ。こっちがエンツォ、こっちがルカーシュ」

 口髭を生やした長身の男が、訛りのあるフランス語で同席者を紹介する。ベルギー人であるダークは、訛りからして彼がオランダ人であることを悟った。黒髪で細身のエンツォは名前からするとイタリア人。眼鏡を掛けているルカーシュは、東欧系だろうか。

「何を飲む?」

 エンツォが、結構きれいなフランス語で訊いた。

「プリムスをくれ。こちらにも、お代わりを」

 折よく通りかかった給仕女を呼び止めたダークは、そう注文した。アマニアにあるこの手の酒場で飲める酒といったら、輸入物のバカ高いウィスキーか、地元企業がライセンス生産しているまたは独自ブランドで売っているビール、同じく地元企業が作っているゴールド・ラム、それに地元民が好む怪しげな糖蜜酒や雑穀酒くらいなものである。プリムスはベルギーのメーカーのブランドのビールなので、味も質も安心して飲める。ピートたちが飲んでいたのも、プリムスとスコール……こちらは元々カールスバーグのブランドのビール……だった。もっとも、ベルギー人であるダークには、スコールの方は水っぽくて飲む気になれないのだが。

「気前がいいな。気に入った」

 にやりと笑ったルカーシュが、ダークにおつまみのヤギの串焼きを勧めてくれる。

「アフリカは初めてでね。どんな様子かな、こっちは?」

 注文したビールを持ってきてくれた給仕女に五百アマニア・フラン札を渡したダークは、同席者にそう訊いた。話題が仕事の話になれば、偽装がばれてしまう。看板までに仲良くなると同時に、会話の主導権を握らねばならない。……その前に、酔い潰してしまえれば楽なんだが……。

 ……おっと、この手があったか。

「ところで、ここのラムはどうなんだ? 味見してみたいんだが」

「よせよせ。強いだけで旨くはないぞ。酔っぱらいたいんなら、別だが」

 ピートが、首を振る。

「これも経験だ。試してみよう」

 ダークは給仕女を呼んだ。千アマニア・フラン札を渡し、グラス四つとラムを一本持ってきてくれるように頼む。



 深夜零時。

 バーテンダーが看板を告げると、居残っていた地元客はもちろん、傭兵たちも素直に帰り支度を始めた。契約で、地元官憲や空軍憲兵ともめ事を起こさないように定められているのだ。違反すれば、報酬を減らされるし、最悪の場合は契約違反を楯に無報酬のまま国外退去させられかねない。

 ダークはすっかり酔っぱらったピート……ラム酒作戦は大成功であった……に肩を貸すと立ち上がった。同じように酔ったルカーシュを、エンツォが抱きかかえる。

 傭兵たちが、ぞろぞろと酒場を出てゆく。待っていた軍の車両が、次々とエンジンを掛けた。

 ソランジュも、手筈通りエンジンを始動させた。

 路地で待機していたエリザが、動いた。タイトかつ襟ぐりの深いミニドレスといういかにも娼婦らしい格好で傭兵たちに近付く。ストレートヘアのウィッグと、きつめのメイクで変装もばっちりだ。目ざとくダークを見つけ、ピートの腕をさりげなく取って肩にまわす。

 二人はピートを支えたまま、ルカーシュを抱えたエンツォが先に乗り込んだM242ストームに乗った。ダークは視線を回してラッセルを探した。……同じように酔っぱらったパイロットを介抱しつつ、無事にソランジュのパジェロに乗り込んだようだ。

「お、なんだこの別嬪さんは」

 半分眠っていたピートが目を開き、酔眼をエリザに向ける。

「お眠りなさい。あとで、いいことしてあげるから」

 エリザが囁くように言って、ピートの頬を撫でた。



 六台の車は雑な列を作って走り出した。ソランジュは、上手い具合に四台目にパジェロを割り込ませることに成功した。ダークとエリザが乗ったストームは二台目だ。

 先頭を走るランドクルーザーが、トレミニ基地の副ゲート前で止まった。ガリルARを肩に掛けた空軍憲兵三名が近付き、うち二名がハンドライトで車内をざっと照らす。運転手が身分証明書を残る一人にちらりと見せると、ゲートを封鎖していたバーが上がった。ランドクルーザーが基地内に走り込み、代わってストームが停止位置に停まる。

 ハンドライトが、車内を照らし出す。ダークは、酔って寝ているふりをした。エリザが、ピートの厚い胸板に半ば抱きつきながら、空軍憲兵に愛嬌を振りまく。

 ストームが無事に基地内に入ると、ダークは寝たふりを続けながら内心でほっと息をついた。とりあえず、最初の難関は突破した。この分で行けば、ラッセルとソランジュも大丈夫だろう。



 ソランジュの番になった。

 ソランジュは落ち着いて、パジェロを停止位置に止めた。隣にはパイロットらしいフランス人が、後席にはラッセルと、アメリカ英語を話す男が座っている。

 偽造の身分証明書を取り出したソランジュは、それを空軍憲兵に見せた。かなり精巧にできており、暗いところで一瞥した程度では偽物だとばれることはない……はずだ。

 何か違和感を覚えたのか、空軍憲兵が身分証明書とソランジュを見比べ始めた。貼られている写真はソランジュのものなので、疑惑を払拭しようとして彼女は空軍憲兵に顔を向け、この緊張した状況下では最大限の努力と評価できるぎこちない笑顔を浮かべた。だが、これは逆効果だった。空軍憲兵が、怪訝な表情で同僚を手招きする。

 ここでとっさに動いたのはラッセルだった。無言のまま千鳥足でパジェロを降り、空軍憲兵の詰め所の壁に正対し、おもむろにズボンのファスナーを下ろし始める。

「こ、困ります」

 空軍憲兵が、慌てて止めに入る。

「早くしてくれよ。漏れそうなんだ」

 ラッセルが、舌をもつれ気味にして訴える。

 やり取りを見ていた空軍憲兵が、身分証明書を急いでソランジュに返した。ソランジュは身分証明書をポケットに仕舞うと、ラッセルが乗り込むのを確認してからパジェロを発進させた。先を走っていたGクラスはすでに遠ざかっており、テールランプは見えなかったが、ソランジュは気にしなかった。傭兵宿舎への道順は、完璧に頭に入っている。



 午前零時三十分を超えた頃、シオが身を隠しているドラム缶の天蓋にノックがあった。

 シオはすぐに時間を計り始めた。正確に五秒後に三回連続してノックがあれば、『安全を確保した。開けて出てこい』という合図となる。

 こんこんこん。

「合図なのであります!」

 シオは内側からラッチを外し、そろそろと天蓋を持ち上げた。

 隣のドラム缶をノックしているエリザが見えた。ダークとラッセルは、すでに装備の入ったドラム缶を開け、中身を取り出し始めている。ソランジュは、周囲を警戒中のようだ。

「お手伝いしますですぅ~」

 ぬっと現れたベルが、シオが支えている天蓋を受け取り、パレットの上に置いてくれた。詰め物や、水の入ったペットボトルなども、次々と取り出してくれる。動けるスペースができると、シオは自分の装備を抱えてドラム缶から出た。

 一同は無言のまま、装備を整えた。シオはストックを折り畳んだままの56‐2式自動歩槍を持ち、割り当てられたRDXが入った袋を背負った。

「準備はいい? では、行動開始」

 エリザが、告げた。一同は、三組に分かれた。本命であるミラージュ2000‐5を爆破するエリザ、ダーク、ラッセル、それに亞唯と雛菊の組。予備エンジンなどを収めた倉庫を爆破するソランジュとスカディ組。それに、航空機用の弾薬庫を爆破するシオとベル組である。

 主隊である航空機爆破組は、足早に格納庫へと向かった。可能ならば、完全に基地が寝静まる午前三時くらいまで待つべきだが、長時間潜んでいればそれだけ発見される確率が高くなる。急いで爆薬を設置し、退避する方が安全という判断であった。

 慎重に一棟目の格納庫に侵入した航空機爆破組は、さっそく仕事に掛かった。内部は暗かったので、RDXを仕掛ける役目はもっぱら亞唯と雛菊に任された。機首レドームと、コックピット後方のアビオニクス用コンピューター収納部、垂直尾翼付け根前の、ターボファンエンジンのタービンブレードの真上あたり、そして、エンジン排気ダクトの奥。三機のミラージュ2000‐5にそれぞれ四つの爆薬を仕掛け、撤去処理妨害用のトラップを仕掛けるのに、ほぼ二十分を要した。

 二棟目の格納庫でも、作戦は順調に進んだ。二機に爆薬を仕掛けるのに掛かった時間は、十三分ほど。三棟目に忍び込んだ一同は、三機のミラージュ2000‐5に次々とRDXを仕掛けていった。亞唯と雛菊も設置に慣れたおかげで、十六分程度ですべてを仕掛け終える。

「複座型が一機足りないわね」

 エリザが、言う。今までに爆薬を仕掛けたのは合計八機。事前情報では、ミラージュ2000‐5は九機のはずだ。

「修理棟にいるんだろう」

 ダークが言う。傭兵空軍に割り当てられた格納庫は三棟だが、これとは別に修理専用の格納庫がひとつある。

「移動しましょう」

 エリザが言って、手を振って促す。

 一同は、少し離れた処にある修理用格納庫を目指した。そこは、予想に反して内部に明りが灯っていた。……徹夜で修理でもしているのだろうか。

「隠れろ」

 いきなり、先頭を歩んでいた亞唯が告げ、身を低くした。全員が一斉に、暗がりに身を潜める。

 一台の車両……M242ストームがヘッドライトを煌々と照らしながら走ってくる。そして間の悪いことに、航空機爆破組が潜む暗がりのすぐそばに停車した。一同は緊張に身を固くして、56‐2式自動歩槍の安全装置を外したが、ストームからは誰も降りてこなかった。エンジンも、掛かったままだ。

「何やってるんだ、あの車は?」

 ダークが、小声で亞唯に訊いた。

「乗ってるのは三人。どうやら、休憩中のようだね。瓶から、何か飲んでるよ」

 光量増幅機能を使ってストームを監視しながら、亞唯も小声で答えた。

「どうする?」

 エリザが、ラッセルを見て訊く。

「迂回は可能だけど、無理はしたくないね。ソランジュたちに連絡を取ってみては? 向こうに余裕があれば、修理棟は彼女たちに任せてしまってもいいと思う」

「そうだな」

 ラッセルの意見に、ダークが同調した。

「じゃあ、うちがスカぴょんに連絡するわ」

 雛菊が、無線でスカディを呼び出し始める。



 時間は少し遡る。

 ソランジュ・スカディ組と別れたシオとベルは、航空機用弾薬類が収められている倉庫へと向かった。土提に囲まれた鉄筋コンクリート造りの建物のスチール扉には、大きな南京錠が掛かっていたが、シオご自慢の金属用チップソーであっさりと掛け金部分を切断されてしまう。

「センサーの類はなさそうですねぇ~。お邪魔しますですぅ~」

 ベルが、スチール扉を押し開けた。内部は暗かったが、AI‐10にとっては支障とはならない。

 小区画に分かれた弾薬倉庫には、様々な兵器弾薬類が収められていた。イスラエル製の五百ポンド低抵抗爆弾。同じくイスラエル製のパイソン4空対空ミサイル。68ミリロケット弾十九発を収めるF4ポッドと、68ミリロケット弾各種。フランス製のBAP100滑走路破壊爆弾。DEFA30ミリ機関砲用の30×113B機関砲弾。

 ベルが、片端からRDXを楽し気に仕掛けてゆく。シオはそれを手伝った。

「おっと、怪しい部屋を発見したのです!」

 シオは、奥の方に金属扉を見つけて歩み寄った。建物の出入り口に付いていた物よりも大きな南京錠が掛かっている。

「お宝が眠っていそうなお部屋ですねぇ~」

 ベルが、喜ぶ。

「ラスボスの部屋かもしれません! ここは支援魔法を掛けてから開けましょう!」

「シオちゃん、ゲームのやり過ぎではないですかぁ~」

 ベルが、笑いながら突っ込む。

 シオは南京錠の掛け金を金属用チップソーで切断した。先ほどとは違い、多少は物音を立てても問題ないので、作業は楽であった。

「開けますよぉ~」

 ベルが、扉を押し開ける。

 中には、金属製の大きなロッカーがあった。ベルが、その扉を引き開ける。

 ロッカーの内部には棚があり、そこには暗緑色に塗られた金属の円柱が何本も並べられていた。直径は二十五センチくらい。長さは、六十センチほどだろうか。

「なんだか、見覚えがある円柱なのですぅ~」

 ベルが腕を伸ばし、一本を手に取った。

 シオも首を伸ばして、円柱をしげしげ眺めた。黄色いブロック・レターで文字が描いてある。

「これは……」

 シオはメモリー内を検索して、以前に取得した画像を呼び出した。目の前にある円柱と、比較する。円柱のサイズ、色調、記されている文字。すべてが一致した。

「シラリアのブドワ農薬工場で、スカディちゃんと雛菊ちゃんが押収したイソプロピル化合物のキャニスターと、そっくりなのであります!」

 驚きのあまり、シオは両腕をぱたぱたと上下させながら言った。

「メタなことを言えば、Mission03の時にシラリア共和国で活動した際のことですねぇ~。これをメチルホスホン酸ジフルオリドと合成すれば、サリンを作ることができますですぅ~」

 IPA化合物のキャニスターをひっくり返して調べながら、ベルが言う。

「なんでこんな物が、アマニアにあるのでありますか?」

「工場が破壊される前に、お買い求めになったのではないでしょうかぁ~。同じアフリカ大陸ですし、直線距離なら四千キロメートルくらいしか離れていないはずですぅ~」

 シオの疑問に、ベルが推測で答える。

「シラリアのモーゼス・エサマ大統領も独裁者でありました! ネイサン・ムボロとは類友だったのでしょうか?」

 シオは首を傾げつつ言った。

「シオちゃん、急いで倉庫内を捜索しなければなりませんよぉ~。もしメチルホスホン酸ジフルオリドがあったら、爆破すればサリンが合成されて大惨事になりますですぅ~」

 ベルが、そう指摘する。

「はっと! そうなのです! 急いで探すのであります!」

 シオとベルは慌てて捜索に掛かったが、倉庫内にはそれらしいキャニスターの姿は無かった。安心した二体はIPA化合物にもRDXを仕掛けると、そそくさと倉庫を出てスカディに事の次第を口頭で報告した。


 第十五話をお届けします。

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