女は怖い!!お姉ちゃんの誕生日?!
わたしのお姉ちゃん、実は五股してま〜す!!
私は幼稚園、小学校、中学校、大学とすべて名門シロカネ。
お嬢中のお嬢っ!!
屋根にシャチホコ乗ってるしィ〜って名古屋城やんけっ!!
当然、彼氏はお金持ちなわけで、結婚相手も玉のこし決定なわけで……その人生に満足していないわけじゃない。
「ワレ、なにチョーシこいとんのじゃ。ぶっ飛ばすぞ、ボケがっ!!」
な〜んて、お嬢がそんなはしたない言葉使いするわけないやろ。
バキっ ボコ―――――
……って、ホントにぶっ飛ばしちゃった☆
だってわたし、有言実行派なんだも〜ん。
「あ〜すっきりした」
「可愛い顔して、恐ろしいヤツやなぁ」
これがわたしの彼氏、総一郎さん。一番のお気に入り……今のところねッ。何てったって、超〜お金持ち。関西弁は兵庫出身やから。
他に三人いるけど、紹介する気分じゃないや。四股宣言!?
あぁ、巻き髪が緩んどる。これじゃあ、名古屋嬢の名がすたるでぇ。
「玲華、コテ学校においてきてしもぉてん。誰か取って来てぇ」
「レイカのためなら何でもするよ!!」
三人の飼いならしたペットが吠える。そこに総一郎さんはいない。
「玲華うれしぃ〜。じゃあ、シャネルのマフラーもついでに買ってきて」
夏やけどぉ。ふんっ。
「ま、マフラー……?」
「散れっ」
冷たい視線。「絶対買って来い!!色違いも忘れんなよゴルァ」と、目で合図する。
「お〜怖い、怖い」
あんたもね、お姉ちゃん。五股もかけてよくやるよ。携帯五個も要らんやろーがッ!!
今日は、つばさお姉ちゃんの誕生日。確か三十路……じゃなかった。二十九歳。ご愁傷様、お局様……。
でも、今はお局様に構ってられないの。玲華の巻き髪の方が大事だから。
だから、せめて若作りに専念できますよーに。