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第陸章:厄介な遺産の始まり

人間の理性と創造主の正義の間で揺れるその細い境界線に立った時、神の命令を受け入

れる以外に正しい選択肢はない。

ミラフを殺したいという欲望に駆られながらも、その衝動を抑え、全能者の意志に従うだけ

の強さを持ったアークは、くるりと背を向け、ゆっくりと窓に向かって歩き、通りへと飛び降り

た。一方、サンターの死体の傍らですべてを見守っていたユアンは、血まみれになり、右手

で左の眼窩を押さえているミラフを見た。ユアンは少し後ろめたそうに彼女に微笑みかける

と、続いて窓から飛び降りた。

「あれは一体何だったんだ?」通りでアークに追いついたユアンが尋ねた。「計画は二人を

殺すことだったはずじゃないか?」

「創造主には別の考えがあった」

ユアンはため息をついた。

「お前は日に日にまずくなっているな。少なくとも牙は持ってるのか?」

「ああ」

会話はそこで途切れた。二人はその夜、あまりに疲れ切っていたため、八ブロック以上歩く

ことができなかった。歩き続け、商品の荷降ろしをし、小さな戦闘までしたことで、彼らの体

は消耗しきり、結路地の地面で寝ることに甘んじた。

新しい日が訪れると、夜明けが首都を強く照らしたが、寒さは依然として続いていた。首都

の朝は中心部ではカオスだったが、彼ら二人がいる場所はそれほど主要な地域ではな

かったため、それほど混雑していなかった。それでも、家を出る人々、学校へ向かう制服姿

の若者たち、通りを横切る何台かの馬車が目に入った。通りは三台の馬車が通れるほど

十分に広かった。

「何を食べる?」

それがユアンが起き上がって最初に尋ねた言葉だった。

まだ死んだ犬の膝の上に寄りかかっているアークが答えた。

「首都の広場に行こう。きっとすごく大きくて、色々なもので溢れてるはずだ」

「どうやって行くか知ってるのか?」

「聞けばわかるさ」

そうして、確かに親切とは言い難い人々に尋ねるという小さな困難を経て、彼らはついにそ

の巨大な広場に辿り着いた。それは実に広大で、入口に立っても果てが見えないほどだっ

た。広場は丘の上に位置し、昨日彼らが隊列と共に通ったメインゲートの脇にあった。

「呪われたよそ者め、読むこともできないのか?」

「馬鹿者が俺の時間を無駄にしやがって。みんなあそこへ行く方法を知ってる。最も間抜け

な奴でさえな」

二人はうつむいてその場を離れた。「なんて無礼な連中だ」ユアンは怒って言った。「ただ道

を教えるくらいで死ぬわけでもないだろうに」

ゲートから二ブロック進み、一つ下がり、丘を登るだけだった。登りはそれほど急ではな

かった。

そこに着くのはある意味簡単だった。主要な道路のほとんどがそこに繋がっており、看板が

場所を示していた。

道理で、アークとユアンが尋ねた人々全員が怒ったのだ。彼らは看板を見さえすれば、簡

単にたどり着けたのだ。

広場がある場所は、あの場所を建設するには不向きな場所のように思えた。広場は街の

中心ではなく、端にあった。明らかに、これは遠くに住む人々には不利だった。

間違いなく、それは素晴らしい場所だった。アークとユアンが到着するとすぐに、その場所

の人通りが膨大であることに気づいた。端から端まで貫く通りは極めて広く、五台の馬車が

楽に通れるほどだったが、それでもそこにいる全ての人と馬には十分ではなかった。

一見すると一直線のように見えたが、そうではなかった。その場所は人を欺いた。両側に

は、より多くの店や商業ビルに囲まれた小さな公園へと続く細い道があり、広場はレクリ

エーションの場所としても機能していた。

そこはまさに驚異的だった。王国で生産されるもの全てが見つかる。サンブリの大森林か

らのエキゾチックな果物、オルニールからのトウモロコシ、ティミトリからの織物、ザ・ユー

ティから運ばれてきた干し牛肉、メルコン州からの穀物など。

「ありえない、ここには何でもある」アークは店々を歩きながら驚いて言った。「見てよ、シト

リム製の武器、力を増幅する道具、祝福された鎧と呪われた鎧。ありえない」彼の興奮は

増していった。「まさかあれがサンブリタン・ブラックベリー・ワイン?覚えてるか、ユアン?

パーニクがあのワインを少しくれて、それから俺たちを路上に放り出した前…なんという思

い出だ」

彼らはもう少し歩き、あらゆる種類の肉で溢れる店にぶつかった。

「ここにはリスまでいるんだ」ユアンは店を観察しながら言った。

もう少し進むと、公園に通じる路地の一つで、この二人の最大の弱点を見つけた。猫娘た

ちだ。

何? もちろん違うよ、そんな弱点をすべての男が持っているわけじゃない。けど、悪くない

かもね。

ウインク、ウインク。そんな目で見ないでよ、私は簡単に満足する男なんだから。

彼らはあらゆる種類のパンがある店の前に立ち止まった。それは驚異的だった。あまりに

も多くの可能性が彼らの目の前に広がっていた。腕ほどもある大きなパン、小さなボール

型のパン、チョコレートでコーティングされたもの、ピーナッツがのった赤いパンもあった。そ

れは印象的で、天井からは様々な色のパンが吊るされていた。店には様々な形のクッキー

もあった。間違いなく、この二人にとってのパラダイスだった。

目にしたものに圧倒され、彼らはパンが並ぶショーケースの向こうでよだれを垂らしてい

た。

「何かお手伝いしましょうか?」

カウンターの向こうの若い女性が尋ねた。

「お嬢さん、あるパンを全部くれ。俺たち二人、それぞれ二つずつな」ユアンが言った。

アークは金のパスカルを渡した。

二人は、少女がパンを渡してくれるのを待ちきれずに待った。10分後、かわいそうな少女

は、彼らが頼んだ全てのパンが入った大きな袋を、ほとんど倒れそうになりながら抱えてい

た。

「はい、どうぞ。良い一日を。またいらしてくださいね」少女は耳まで裂ける笑顔で彼らを見

送った。

〈カナリー〉"ねえ、私の男をそんな風に見ないでよ、私が…"

パンの袋を手に、彼らは小さな公園にあるベンチに座った。目の前には遠くに大きな王宮

が見え、それは街の景観をさらに引き立てていた。

「なんて美味しいんだ」ユアンが応じた。

「見てよ」アークはパンを見せた。「この縁には何が入ってるんだ?こんなに美味しいなん

て」

「間違いなく、これはごちそうだ。一生これを食べていられる」

彼らの横では、人々が広い階段を上り下りしていた。それは別のテラス(店がある)へと続

き、さらに下っていくと、今度は街のメインアベニューに繋がる通りに通じていた。

しかし、いつものように、人々の中に悪が現れた。一人の少年が群衆の中を走って現れ、

三人の兵士と一人の王室親衛隊員が後を追っていた。少年は急いで階段を駆け下り、

人々を押しのけ、その過程で罵声を浴びせられた。彼の後ろでは、兵士と親衛隊員が彼を

見失わないように追っていた。

「こら、子供!止まれ!」親衛隊員が叫んだ。

連中は彼を捕まえ、今や少年が全力で握りしめていた何かを奪おうとしていた。

「お願い、取らないで。ママに届けないといけないんだ」少年は親衛隊員ともみ合いながら

懇願した。

「じゃあママさんによろしく。次はもっと強い奴をよこせな」一押しで少年を地面に転がした。

彼らは今、少年が持っていたものの所有者となり、来た道を引き返そうとした。

少年は自分のものを取り戻そうと必死になり、彼らについて行き、あの袋を返してくれるよう

懇願し始めた。

アークは彼らが視界に入った瞬間から全てを見ていた。何も言わず、彼は立ち上がり、気

づかれない安全な距離から彼らを追い始めた。何が起こっているか知らないユアンは、習

慣でアークを追った。

「どこに行くんだ?」ユアンが尋ねた。

「シーッ」アークはシッと言った。

何が起こっていたのか? さあな。感覚か、何かがアークをこう行動させた。彼の心の中の

謎か。まあ、私は知っている。結局のところ、私は彼について書いているんだからね? この

世界にどんなものがあろうとも、アークは心の中に常に一片の人間性を秘めていた。そし

て彼にとって、子供が誰かに虐待されているのを見ることほど悪いものはなかった。だから

彼は行動した。しかし作家よ、彼はゼテックスで子供を助けなかったのか? 矛盾している

のがわかるだろ。 シーッ、静かに。あの子供たちは単にかわいいという特権を利用して何

か得ようとしていただけだ。この子は、必要なものを正直に努力して手に入れようとしてい

るように見える。それで彼はポイントを得た。アークリンフィルドール、君に10ポイントあげよ

う。

少年と親衛隊員の場面は激化し、近くにいた人々の注意を引いていた。

彼らは、いわば噂話好きの群衆だ。退屈な日常から逃れる口実を探す、典型的な都会人

よ。

王室親衛隊員は少年の態度にいら立ち、威厳と権威に満ちた声で叫んだ。

「こいつを路地に連れて行き、黙らせろ」

兵士たちはそれ以上なく従い、乱暴に一人が少年の腕を掴んだ。少年は泣き始めた。

「離して!」少年はあちこちにキックやパンチを放った。「どこに連れて行くんだ?」

兵士は仲間を伴い、汚い布切れのように少年を誰も見ていない路地に放り出した。何が起

ころうとしているのか、誰も目撃できない場所だ。兵士たちは少年を凝視し、指をポキポキ

鳴らした。

「俺たちのような人間に逆らっちゃいけない理由、それに俺たちを怒らせるとどうなるか、今

思い知らせてやる」一人の兵士が言った。

その瞬間、アークとユアンが屋根から飛び降り、二人の兵士の上に落ちて即座に殺害し

た。三人目の兵士はまだ、顔に笑みを浮かべて自分を見つめる二つの影の存在に気づい

ていなかった。あの少年はそれを見て、兵士の後ろを指さしながら吃り始めた。もう彼を恐

れているのではなく、後ろにいる二つの影を恐れていた。兵士は少年の反応を見て笑った

が、少年を傷つけようとさらに近づいた時、アークが自らの剣で男の喉を切り裂いた。

兵士の体は地面に倒れ込み、その音が王室親衛隊員の注意を引いた。この男は、少年が

殴られているのを覗き見るような気持ちで路地に入り、部下の死体が血の水たまりに囲ま

れて床に転がっているのを見た。その傍らで、二つの影が自分を凝視していた。彼が経験

した恐怖は言葉では表現できない。その感情は彼の足を裏切り、命令に従わなかった。

「さあ、イダレリエル、お前はこれより恐ろしい敵とも戦ってきたはずだ。それなのに、なぜこ

んなに恐れている?」

もう戦うように自分を説得できなかった。光のごとく速い一撃の短剣が彼の頭に突き刺さっ

た。それはパーニクがアークに与えたナイフだった。路地に倒れ死んだ後、アークはその体

に近づき、ひっくり返し、ナイフと少年から奪われた袋を手に取った。それは食べ物などで

はなく、金のパスカルと他の宝石だった。

「小さな泥棒め」

アークが囁くように言った。笑みが彼の顔に浮かんだ。少年は彼に、同じ年頃に生計を立

てようとしていた自分自身を思い出させた。

ほら見ろ、矛盾してるぜ、作家よ。 ああ、そうか?じゃあどうしろって言うんだ? え?単に

話に展開を持たせただけさ。アークはもう変わったんだ、多分ね。彼を見ればあまりそうは

見えないけど。単に、彼は至高の存在に対して深い尊敬と愛を感じているだけだ。それは

変化を促すには十分だ。 とはいえ、もちろん、少年が泥棒になるのを支持するのは間

違っている。 正直に生計を立てろよ、少年。

「ほら」アークは袋を彼に投げた。「俺は君のコインの一つをもらっておくよ」

何してるんだ、バカ。それは私が伝えたいメッセージじゃない。 まあまあ、君のゲームには

付き合おう。

恐怖と驚きに打たれた少年は、涙の中でその場を去り、その袋を強く抱きしめた。

「私の願いを聞いてくださり、ありがとう、創造主様。これで私の家族はようやく食べること

ができます」彼は走りながら言い、いくつかの涙が目からこぼれた。

路地で、アークとユアンは見つめ合った。

「あの袋には何が入ってたんだ?」ユアンが尋ねた。

「パスカルと宝石だ」

ユアンの表情が変わった。今や彼は混乱していた。

「泥棒だったのか。なんで止めなかったんだ?」

「それを奪った側には、それ以上のものがあるはずだ。それに、彼はママに渡すんだと言

い、命がかかっているかのように奪われたものを取り戻すことにしがみついていた。あの袋

が犯罪者グループのものではなく、彼の生きるための唯一の希望だったと信じたいんだ」

アークはまるで今言ったことが世代を超えて響く言葉だったかのように通りを見つめた。さ

て、君には言い返せないな。 明らかに私は話に良い継続性を与えるためにそれを書いた

んだ。 まあ、そう信じたいけど、実際のところアークは人を助ける独自の理由を持つ人物

だ。少し理解するのが難しい人間だが、彼が良い心を持っているのは明らかだ。

「ありがとうの一言もなかったな」ユアンはがっかりして言った。

***

夜が首都に訪れ、アークとユアンは休める宿を探しに行った。街は非常に大きかったの

で、場所を見つけるのにさほど苦労はなかった。リンブリンの夜は昼とさほど変わらず、何

千もの馬、馬車、人々が仕事から家へと戻り、それゆえ夜も昼と同じように人通りがあっ

た。

「すみません、お嬢さん、部屋代はいくらですか?」アークが尋ねた。

夜を過ごすのに良い場所を見つけた後だった。

「ああ…二、二…銀のパスカルで一晩です。三枚目を追加されれば、朝食が付きます」受付

の女性はアークの存在に緊張し、頬を赤らめ、目を輝かせていた。

「はい、どうぞ」アークはテーブルに銀のパスカルを二枚置いた。

「こ、こちらです」少女は鍵を手渡した。「あの階段を上がってください」

〈カナリー〉"どうして女の子はみんなあなたに言い寄るのよ? あの子たちをはっきりさせて

よ、アーク" 彼女が彼に対して怒る時の口調は愛らしかった。もし彼女に体があったら、きっ

とキスで彼を飲み込んでしまうだろう…ああ、そうだった、彼女には体があるんだ。でも、切

り傷が愛情を示す良い方法だとは思えないけどね。

アークとユアンは指示された通りに上った。

「なんてハンサムな男性なんだろう」二人がいなくなったのを見て少女が言った。さらに、彼

女は感情を抑えるために顔に手を当てた。

「すみません、お嬢さん」暗い青色のローブを着た女性が言った。「部屋を一ついただけま

すか?」

彼女は金のパスカルを一枚渡した。

「広い部屋でお願いします」

受付の女性は少女のリクエストで少し赤面した。なぜなら彼女の後ろには同じ格好をした

二人の男性がいたからだ。受付が何を考えたかはもうお分かりだろう。そして彼女が想像

を膨らませるにつれ、最初の時よりもさらに赤面した。

「鍵をお取りください、お嬢様」作り笑いを浮かべながら彼女は言った。

彼らが借りた部屋はそれほど広くなかったが、二人を収容するには十分だった。アークは

椅子に座り、まだパンを食べていた。彼の傍らにはユアンがベッドに横たわっていた。

「どうするつもりだ?」ユアンはバター付きのパンを食べながら横になって尋ねた。

「わからない」アークは口にパンをくわえながら答えた。「あの受付の子がどうやって俺を見

ていたか見たか?」

会話の方向性の非常に突然の変化だ。抗議することは何もない。私も機会があればこの

話題に変えただろう。ただし、これがいつか私に起こるとは思えないけどね。

「ああ、お前は本当の色男だよ。彼女の目さえ強く輝いていた。お前から何かを欲しがって

いるのは明らかだ」

「それに彼女は可愛い。髪はきちんと整っていて、いい香りがした。あの真珠の付いたヘア

バンドは彼女を愛らしく見せていた」

剣はアークとユアンの会話を聞いた後、小さな光のきらめきを放った。彼女はやきもちを焼

いていた。

「もし私があなただったら、朝に彼女に話しかけるわ…」

ドアの物音が二人の注意を引いた。二人は振り返ってそれを見た。その後、鍵が開く音が

部屋に響き渡り、それで二人は立ち上がって防御態勢を取った。ドアが開き、二人の男と

前に立つ一人の少女の姿が彼らの前に現れた。一行は暗い青色のローブを着ていた。二

人の男はフードを被っていたので、顔は見えなかった。一方、少女は顔を出していた。可愛

らしく若々しい顔で、ローブと同じ色のオランダ編みの三つ編みをした髪だった。彼女の体

つきは女性の中で際立っているわけではなかった。痩せていて、きれいな腰をしていた。彼

女の最も可愛いところは太ももだったが、もちろん、ローブがその大部分を覆っていた。

「オルニールギルドは、牙を渡すことを要求します」彼女が言った。

アークもユアンも答えなかった。二人は自分たちが置かれた状況に興味をそそられてい

た。

「話す気はないようですね」少女は腰に手を当て、歯を見せない美しい笑顔で彼らを魅了し

た。「まあ、平和的に済ませることも、あまり一般的でない方法で済ませることもできます。

そして見たところ、あなた方はあまり一般的でない方を選んだようですね」

少女は手を伸ばし、彼らを指さした。手は一つの球体からなる白い輪に囲まれ、そこにいく

つかの記号が形成されていた。

「いきなりか?挨拶もしてくれないのか?」アークが言った。

「私が自己紹介する必要はないと思います。結局のところ、10秒後にはあなた方は死んで

いるでしょうから」

「そうか、それなら」アークは剣を抜いた。「名前すら教えてくれない女性のために遠慮する

必要はないな」

〈カナリー〉"よく言ったわ"

剣は赤い色に覆われ始め、その刻印を照らした。まだ炎には包まれていなかった。アーク

はまだ、それ以上の力を解き放つ感情的な準備ができていなかったからだ。

「男って、いつもこんなに脆いのね」

少女は力を行使し、輪を輝かせ、そこから一種の糸が飛び出した。その糸は途中で二つに

分裂し、それぞれが犠牲者に向かって進んだ。予想通り、アークは横に動いて攻撃をかわ

した。ユアンは動かない。代わりに、彼と糸の間にメイスを置いた。後者は彼の武器に巻き

つき、あまりに強い力でそれを横に引きずり、ユアンの手から奪った。すぐに、少女の部下

の一人が両手にダガーを持って彼を攻撃した。

アークは攻撃をかわした後、少女に向かって突進した。少女はまだ攻撃を放った後で態勢

を立て直しておらず、彼女のもう一人の部下が彼女を守るためにアークに立ち向かった。こ

の男はアークの首を斬ろうとしたが、アークは足をわずかに動かしてしゃがんだ。

「は? なんでそんなに速くしゃがんだ?」男は思った。「くそ、ダウミ」

攻撃の最中、彼は動きを変え、下から上へ切り上げるようにアークを攻撃した。

相手の剣の方向が突然変わったのを見て、アークは剣を背中の後ろに置き、敵の攻撃を

首尾よくブロックした。それから、180度回転して男と向き合い、顔に一撃を加えて反撃し

た。慣性の力で彼を遠くに投げ飛ばした。

今、別の問題があった。ダウミは十分な時間を得て、態勢を整え、アークに向けてもう一つ

の致命的な力の一撃を放った。アークはかろうじてそれをかわした。しかし、この攻撃は最

初のものとは異なっていた。それほど強力ではなかったのだ。さらに、糸は完全に消え去ら

ず、ダウミはそれを左手(力の攻撃を放った手)で掴み、鞭として使用し、糸に近すぎたアー

クを打つことができた。

ユアンは不利だった。武器がなく、機動力も乏しい。彼は敵の絶え間ない攻撃に圧倒され

ているように見えた。これにもかかわらず、ユアンは致命的な切り傷を受けないように体の

一部を犠牲にし、首尾よくブロックした。この過程で彼は傷ついた。しかし、彼の犠牲は、敵

が彼の足を切り、どんな攻撃にも無防備になった時に勝利をもたらした。ユアンはこの瞬間

を利用し、相手の顔に直接打撃を加え、壁に向かって吹き飛ばした。

現場を通りかかった受付係は、部屋で起きている騒ぎに気づき、何が起こっているのかを

見に近づいた。ちょうどその時、ユアンは繰り返し打撃を加えて敵を床に押さえ込んだ。

「これ、気に入ったか? ああ? 俺は大好きだぜ」ユアンが言った。

受付係はこれをすべて聞き、状況を完全に誤解した。とても居心地が悪くなり、彼女は顔に

手を当てて、赤くなった頬を隠しながらその場から走り去った。

「なぜハンサムな男の子たちはいつもこうなっちゃうの?」

戦いに戻ろう、いいね?

ユアンは、男が戦いを続ける力を残していないのを見て、周囲で自分のメイスを探した。そ

れは自分の位置からそれほど遠くないことに気づく。少し努力して体を伸ばし、なんとかそ

れをつかみ、持ち上げて最後の一撃を放とうとした。ダウミはアークと死闘を繰り広げてい

たが、仲間が死の数秒前にあることに気づき、迅速に行動しなければならなかった。彼の

もう一人の仲間も状況に気を配っており、アークが仕掛けようとした攻撃の一つで、彼の武

器がダウミの糸によって捕らえられ、その後、男から放たれた腹部へのキックで押し出さ

れ、彼の体は自分の武器からもユアンからも介入できない十分な距離に飛ばされた。しか

し、彼らは油断せず、ダウミはアークの体全体を糸で囲み、動けないようにした。

〈カナリー〉"アーク!" 剣の少女が叫んだ。

男はアークを殺すためにゆっくりと近づいていく。

アークを制圧したダウミは、ユアンの方向に手を伸ばし、詠唱した。

「いかなる者も、運命が定める糸に干渉することなかれ。光の麻痺よ、贖い給え、そして汝

が選びし戦士に力を与え給え」

その瞬間、ユアンは動けずに静止した。まるで電気ショックが全身を走ったかのようだっ

た。光の糸が彼の体から出始め、数秒前に彼を殺そうとしていた男の体に入っていく。少し

ずつ、男は完全に回復していく。今や力がないのはユアンだった。

「あいつは奴のエネルギーを吸い取り、仲間に与えている」アークはその光景を見ながら考

えた。

比較的元気になった男は、自分からユアンを引き離し、ダガーを手に取り、彼を殺す準備を

した。

「急がなければ、さもなくばユアンが死んでしまう」

アークは心と体をリラックスさせ、目を閉じて集中した。数秒後、彼の全身が熱くなり始め、

彼を縛り付けていた糸を焼き切った。彼を殺そうとしていた男は、アークが解放されそうな

のを見て、急いで彼を殺そうとしたが、それは無駄だった。アークは自分の周りに灼熱の輪

を生成し、男がそれを突破するのは不可能だった。落ち着いて右手を前に伸ばす。そこに

は、処刑されそうになっているユアンがいた。彼は目を開けた。その目は激しい炎のように

輝いていた。輪は、力が弱まっているため、次第に小さくなっているようだった。彼の力が

今やアークの手に集中し、それを取り囲む螺旋を形成しているからだ。輪が完全に消えた

瞬間、男はアークが何かをする前に彼を殺そうとしたが、それは無駄に終わった。十分な

力が蓄えられた時、アークは詠唱した。

「ドゥーム」

彼の力の全てが彼の手から一気に放出され、彼の周囲の一部と彼が狙った男を完全に焼

き尽くした。部屋の壁さえも破壊し、通りへの開口部を生み出した。

「やめろ!」ダウミは閃光を見て叫んだ。

部屋は焼け焦げていた。カーテンは炎上し、カーペットは炭化し、アークがいた周囲は黒く

焦げていた。ダウミには傷一つなかった。彼は光の糸で身を覆い、自分の力の大部分を費

やして生き延びたのだ。しかし、彼の傍らには第三度熱傷を負った仲間が横たわってい

た。目の前にはユアンだけがいた。彼も火傷を負っていたが、それほどひどくはなかった。

彼を殺そうとしていた男はもはや生きていなかった。灰だけが残っていた。

仲間の死と、もう一人が重傷を負っているのを見て、怒りに満ちたダウミは、残っている力

をすべて集め、ユアンの両側に光の糸で形成された二本の巨大なナイフを作り出した。

アークは、かろうじて立ち上がろうとしているユアンの方へ走り出た。ナイフが彼を貫通する

前に、彼はユアンに体当たりすることに成功し、二人は数秒前にアークが作った壁の大き

な穴から通りへと落ちた。

創造主のはからいか、二人は通りを通過していた馬車の上に落ちた。

この全ての出来事が起こった宿屋の屋上では、夜の闇の中、フードを被った二人の人物の

姿があった。一人はもう一人が歩けるよう助けながら、馬車が遠ざかるのを見つめていた。

そのうちの一人の顔は完全に焼け焦げており、少しの空気を求めてあえいでいた。もう一

人は、怒りと無力感に満ちた顔をしていた。仲間が生き続けるのを助けること以外、何もで

きなかったからだ。


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