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9話 エピローグからプロローグへ

■夢編

---


魔王の咆哮が消え世界は光をとりもどしていく。


アリオンはゆっくりと呼吸を整え、剣をおろした。

その手はまだ熱い。祈りの光を握った余韻が残っている。


フィアは隣に立っていた。


呪いは解けた、そして、彼女はまっすぐな瞳ではっきりと語った


「―終わったね。」


アリオンはほほえみで答える。


空は曇天から、溶けるように青へと変わり始める。

世界樹の葉が、ひとひら、またひとひらと落ちてきた。


その葉には、かすかな光と―

祈りの像が浮かんでいる。


旅の途中で助けた姉弟。

道を教えてくれた老婆。

町で剣の手入れをしてくれた鍛冶師。

名前も覚えていない、人混みの笑顔。


そして―


アリオンは息をのんだ。


知らない少女が映った。


風になびく栗色の髪。

どこか遠くを見る強い目。

まだ会ったことはないはずなのに、その存在だけがなぜか心の奥で響いた。


(いつか

―あの場所へ届くのだろうか。)


そんな予感が胸に降りた。


足元には、再生をはじめた草が

芽吹いている。

世界が息を吹き返した証。



フィアも同じ光景を見ていた。

 

彼女は笑った。


その笑みは、言葉より強かった。


■その10日後


魔王が倒れ世界が光をとりもどし、人たちは喜び騒いでる。


その雑踏をはなれアリオンとフィアは世界樹の下で2人星を見上げてた



「……ありがとう、フィア。

でも僕はしばらくしたら新しい旅にでる。

僕は君にあえて強くなれた。

だから自分を試したいんだ。」


アリオンは言った。祈りの力も、剣も、旅路も、すべてが残した答えだった。


フィアはゆっくりと、アリオンの胸に手を当てた。


「アリオンわかってた。


でも、どこにいっても私はアリオンのこと祈りで護ってる。

あなたが帰ってきても、何年経っても護ってる。」


その瞬間―


世界樹の枝が震え、空に溢れるように光が舞い始めた。


温かい。

痛みも、恐怖も、拒絶もない。

ただ優しく包む―

呼び声のような光。

でもその光は強い力でアリオンの意志に反して彼を空に運んでいこうとする。


フィアは一瞬驚くが悟ったように目を閉じ、深く祈りの姿勢をとる。


もう止めようとはしない。

否定も、悲しみもない。


ただ―受け入れていた。


たぶん彼女はその不思議な力で

このことが起こることを予感していた。


光がアリオンを包む。

足が浮く。

大地から離れる感覚。


フィアに向け、アリオンは最後の言葉を残す。


「俺は行く。

でも―忘れない。

祈りは届くって、教えてくれたから。」


フィアの睫毛が震え、微笑が生まれる。

声はかきけされても、その表情が、答えだった。


流星のような光が、空へと駆け上がる。

世界樹の冠を越え、雲を突き抜け―


空に浮かぶ島へ届いた。

その衝撃―

アリオンは気を失っていた。


■新しい世界。目覚め。


柔らかな感触。

誰かの声。


「ねえ…大丈夫?

聞こえる?」


アリオンはゆっくりと目を開けた。


視界いっぱいの空。

風。

浮島の景色。


そして、覗き込む少女。栗色の髪―


世界樹に映った、あの少女。


「…空から落ちてくる人なんて、

初めて見たからさ。びっくりしたよ。」


笑うその声は、無垢以外の言葉で表せなかった。


アリオンは、微かに笑った。


「…大丈夫だ。たぶん僕は運命でここに来た。」


「運命って変な人…フフッ…」


その答えに、少女は太陽のようなまぶしい笑顔で頷いた。


太陽に近い場所で。


◆現代編2025年


「―おい、起きろ。

落ちるぞ。」


はっと息を吸う。目を開けると、蛍光灯の白い光。


そして―


同じ角度、

同じ距離、

同じ顔。


有村が、夢の少女と同じ目で覗き込んでいた。


「大丈夫? クウマ。」


その声音は、驚くほど無垢だった。


胸の奥が、遅れて震える。


(ああ―これは。)


夢でも偶然でもない。


物語が、重なり始めた瞬間だった。


有村が聞く

「―続きを見せろよ。あの“空から落ちてきた戦士”の話。一緒にかこーよ!」


「…ああ。最後まで書くよ―一緒にな。」


その言葉に、有村は照れ隠しのように笑った。


「決まりだな、相棒。」


そして白木先輩は―静かに微笑む。


まるで祈っているように。


第一部


続く

今日のあとがき


第一部、ここまで読んでくれてありがとうございます。

いよいよ一区切りつきました。


実は最近、他の方の作品を読んで勉強しながら、

「もっと分かりやすくできる」って反省もありました。


だから第二部に入る前に、物語の中で少しだけ補助線を引きます。

エッセイじゃなく、ちゃんと“ゲームチェンジャーの一部”として。

ヒロインたちのスピンオフも含めて、本気の実験をします。


そして、第2部へ。


冬休み、ちゃんとやり切ります。応援よろしくお願いします。


12/24(水)夜:幕間回(新章へ向けて)


12/25(木クリスマス)夜:ヒロインのスピンオフ


12/26(金)夜:過去編が10倍わかる回(※物語としてやります)



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