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アイデア・リベリオン  作者: 浮遊戯
『暴食』心は常に天使と悪魔
8/18

狩り:駆け出しの冒険者

あれから真秀さんに細かいことを色々聞いた。能力のこととか、魔災学会についてとか、悪魔の簡単な生態と弱点について…とか。思った以上に知らないことだらけで、自分の無知を改めて実感した。




そうして次の日


「今日マジでやるんかなぁ…」


感情・精神の具現化……意思そのものを体現するような正に「意思能力」たらしめる能力。入瑠と軽く訓練こそしたがいざ実戦となると緊張する。正直、恐怖もあった。授業中も頭の中はそれでいっぱいだった。


「どったんテント、元気なさそうやん」


「ん?あー…色々とな」


「カラオケでも行くか?」


「用事あるからパス」


「ほーん?…まぁ、なんかあったら呼べよ」


「おう、ありがと」


「テント!忘れてないよね?行くよーっ!」


「今行くから待っててくれー」


「ちぇっ、そういうことかよ末長く爆発しとけアホォ」


「ちげーよドアホ」


「ほんとか?」


「待て、そこは俺が保証する。弔はデートとかしないってか多分できない」


「それはそれで腹立つな」


「翼が言うなら…まぁ」


「弔、俺もついて行っていいか?」


「まぁ…いいんじゃね?」


「それじゃ、同行させてもらう」


「頑張れよテント。んじゃ俺別のやつと帰るわ」


「おう、またな」


「俺らも行くか」


「そうだな」


こうして俺は、悪魔狩りパトロールという名の能力実践の赴くことになった。いやはや、人生って分からんものだな。





「…ん?」


「どうした?弔。早くしないと入瑠が怒るぞ」


「いや…何でもない」


一筋の()、昼の都会に流れ星が見えた。明らか普通の光じゃなかったような…どこか人工的な…そんな光が通った。




気のせいか?


「何してんのー!早くー!」


「ほら言わんこっちゃない」


「あ、あぁ行くか」







「よし!パトロール開始!」


かくしてパトロールが始まった。


「なんかアホほど緊張してきた」


「言うてもパトロールだけどな」


「ま、焦らず気軽にやればいいよ」


「そんなもんなのか…?」


「なぁ入瑠、1日にどれぐらい悪魔を狩ってるんだ?」


「うーん、中級悪魔(バザーダー)が5〜10体、上級悪魔(ディザスター)が2体ぐらい?」


「多いのか少ないのか分からんな」


「今はまだ少ない方だけど、すこーしずつ増えてるよー。あと偶に能力持ちもいるから気をつけてね。」


「おう、そんときゃ任せる。申し訳ないけど」


「別にいいよー、仕事だしね」


ふらふら歩きながら街を見回していると…



「ガァ…ハハハハ」


「早速悪魔だな。それも2体」


「テント、いけそう?」


「まぁ…なんとか。一応中級だしな」



「…初陣か」


「…ニィハハハ」


「ギャララララ…」


「さてと…うまくいくといいがな」






遡ること前日。俺はとあることを真秀さんに聞いていた。


「能力の発動の仕方?」


「感情の具現化をやっても感覚が掴めないんです。感情の出し方って言うか…んまぁ正直にいうと()が欲しいです」


「技?」


「ほら、真秀さんや入瑠が使う、『バグ』とか『ドルフィスト』みたいなのです。あれってどうやって覚えるんですか?」


ゲームとかで「炎魔法を扱うキャラ」がいたとしよう。火炎玉・火炎放射、炎柱、炎撃、業火弾…と、レベルが上がるにつれ色々な技を使えるようになる。要は俺もそれが欲しいのだ。だがこの世界にはレベルアップの概念はない。故に技など勝手に手に入らないのだ。


そこで疑問が。入瑠や真秀さんはどこで技を覚えたのだろうか?それが知りたかった。「感情・精神の具現化」と聞いてすぐさま扱えるわけがない。概念を扱う能力だからな。だから技があれば十分戦えるようになると思ったんだが…


「……()()()()()()、以上だ」


「はい?」


「自分で技を考えるんだ」


「あれ全部オリジナルっすか!?」


「遺伝能力なら先代の技を受け継ぐこともあるが、基本は自分で付けるものだ」


「なるほど…」


「深く考えなくていい。自分が分かりやすければ何でもいい」


「はぁ…」






曰く、「自分の能力だから自由」らしい。そう、確かに自由だが複雑だと扱いにくい。だから敢えて技として捉えることで扱いやすくなる。ただし意図的に制限することにもなる……扱いにくい100%の力よりも扱いやすい70%の力、と言うわけだ。


「深く考えるなって言ったけど、技名とか一番深く考えたくなるわ…」


育成シュミレーションゲームで初入手のキャラクターの名前を決めるようなもんだ。最低10分はかかる。それと同じだ


「まぁ、やるだけやってみるか」


深呼吸し、推定15分考えた技を発動する。


「ふぅ…よし…『落体(らくたい)』」


能力を行使する。入瑠の時と同じ感覚がすれば良いんだがな……


「…おっ」


あの時の感覚と似ている。恐らく成功したのだろう。技として捉える事の重要性を改めて理解する


「よっしやろうか、悪魔さんよ」


「ギャラァ!」


「ニィガハァ!!」


戦いの火蓋は切られた。

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