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アイデア・リベリオン  作者: 浮遊戯
『暴食』心は常に天使と悪魔
6/18

試練:vs槍真秀

地下通路を抜けた先にあったのは、体育館ほどの広さを持つ空間だった。だが中は無機質な床ではなく、小さな建物や街灯が並ぶ、簡素な街並みを模した景色。薄暗い照明が路地を照らし、人工的な静けさが支配している。


「ここで行う。」


真秀が歩きながら説明する。


「ルールは簡単だ。俺に一発喰らわせてみろ。遠慮は無用、能力の使用も許可する。そして先程も言ったように俺は能力を使わない。」


「……マジでやる気なんすね」


「もちろんだ」


条件は単純。非常にわかりやすい。ただ肝心の能力の使い方が分からない。咄嗟に出ただけだからなぁ…


「あ、あのー…真秀さん?能力って具体的にどう使えば…?」


恐る恐る聞くと真秀さんは立ち止まり、低く言葉を投げた。


「そうだな…俺を倒す姿を思い描け。そして、その中にある()()をそのままぶつけろ」


一瞬、言葉の意味が掴めなかったが、その瞳に迷いはない。確かなようだ。総長…槍真秀を倒すイメージ…無理じゃないか?そんなの。ちょっと胸がざわついた。


「………分かりました」


分かってないがな。それでも真秀さんは口角をわずかに上げ、距離を取る。


「いい返事だ」


槍真秀、もとい総長が正面から向き合う。


見学組の方は入瑠が両手を胸の前で組み、心配そうにこちらを見ていた。翼はまるでサスペンス映画を見るかのような真剣さで見ていた。後はさっき医務室にいた看病してくれた人もいた。



「せんせーも見るんですね」


「まぁ今はちょっとだけ暇になったからね」


「そうなんですね〜…っと、忘れそうになってた。テント頑張ってよー!無茶はしないでねー!」


「出来る範囲で頑張れよー」


声援をよそに深呼吸を一つ。視線を槍真秀に据える。静かな目が、獲物を捉えた猛禽のようで怖い。が、もう遅い。後戻りはできない。やるからには全力を出すしかない。


「………始めるぞ、弔」


足音が、訓練場に響いた。試練が、始まる。



「とりあえず…」



言われた通り、総長を倒すイメージを頭の中で描く。手数で押すのは無理そうだし、とにかく力全振りで挑むしかない。拳に、あの時の感覚を思い出す。想いの具現をする。考えを固め、呼吸を整える。


「………」


「イメージできたか?」


「まぁ…なんとか」


「よし、じゃあ来い」


深く息を吸い、返事を返す。足に力を込め、接近して攻撃する。軽くいなされるが、止まるわけにはいかない。攻撃をし続けた。


「力はいいな。速さや軌道にも配慮してみろ」


「言われてできるものじゃないんですけど?」


その後も何故かアドバイスを貰いつつ攻撃を続けた。攻撃を当てるのに集中して気付かなかったが、途中で分かったことがあった。


「なぁ入瑠。アイツあんな動けたか?」


「能力を持つと身体能力向上するからね〜。でも凄いよね!あの時みたい!」


「成程なぁ…にしてはそんなに動けるものか?やっぱり身体強化の類なのか?何かをトリガーにしてるとは思うが…」


「ほら集中する!頑張れー!テントー!」


「頑張れ〜天道くーん」


そう、明らかに今までと身体能力が違うのだ。()()()()()()()に動く。力が湧き、疲れを感じない。性質もあるんだろうが、恐らく能力の使い方がなってきている。バテないし寧ろもっと力が湧く。これなら真秀さんのペースを崩せるかもしれない。こっからだ。こっから巻き返してく!




そう思っていた時期が俺にもありました。真秀さんは想像以上に強いかった。いや強すぎた。結局、寸前のとこで避けられ受け流され、そして押されてジリ貧のまま、次第に疲れが見え始めた。


「このまま続けてると負けるぞ?何か策を考えてみろ」


んな事言ったって…でも確かにそうだ。俺が一番理解してる。このままだと確実に負ける。そんなのは嫌だ…なら、あの時みたいに。力を拳に全集中して、発散させるように。思いを込める。


次の瞬間、右手に力が集中する感覚が走った。この感覚…あの時と同じ感覚だ。


(いける…!)


拳を総長にぶつける。


「喰らえ渾身の一撃ィ!!」


「ッ…」


轟音が鳴り響く。いった。と思ったがまた寸前のとこで避けられてしまった。火力は十分。流石に当てたと思ったのに。


「クソ…絶対当てたと思ったのにな」


っと、余韻に浸る暇はない。体勢を立て直して視界を上げる。


「テント!!!避けて!!!」


「ん?」


避ける?と思って上を見るとさっき外した拳が建物をほぼ粉微塵に破壊し、今まさに建物が倒壊して瓦礫が降り注いでいた。








倒壊して降り注ぐ?


「待て待て待て死ぬっ…!」


「顕現…壊れろ『バグ』!」


瞬時に総長が駆け寄り超級悪魔デスペレートとの戦いの時に見せた立方体を出して上空の瓦礫を飲み込んで、破壊した。


「大丈夫か?弔」


「…なんとか」


「テント!怪我ない!?大丈夫!?」


「擦り傷程度だから大丈夫だ安心してくれ」


何はともあれ、助かった。


「派手にやったな。」


「マジで…死ぬかと思った」


「天道くん、とりあえず傷だけ治すね。」


そう言うと柚々さんは負傷したところに手を当てると瞬時に傷跡がなくなった。治癒の能力なのかな?すげぇ便利そう。


「あ、ありがとうございます。柚々さん…でしたよね?」


「そうだよ、合ってる。あ、別に敬語外してもいいよ?」


「そんなこと急に言われても流石に…」


「ま、とりあえず無事で何よりだな」


「まぁ…そうだな」


「ホントに!ビックリしちゃったもん……ってあれ、総長?どうかしました?」


「…いや、考え事をな。とりあえず、無事でよかった。にしてもすごい威力だったな。目を見張るものがある。」


確かに、こんな力あったのかと未だに少し手が震えてる。流石にビビった。怪力なんてもんじゃない。あの時ぐらい…だったのかな?横目に入瑠と翼を見ると2人とも驚きと安堵が混ざったような表情をしていた。


「戦いは中止にしよう。アクシデントとはいえ、俺は能力を使用したからな。それに、多分だがお前も自分がどんな能力を持っているか分かっただろう?」


「…まぁ、何となくは」


「つまり本来の目的は達成しているわけだ。…弔、後でさっきの部屋まで来てくれ。そこで改めて、話をしよう。」


「あぁ…分かりました」


そう言うと、そそくさと真秀さんは去っていってしまった。


「なんか…波瀾万丈と言うか」


「とにかくもー本当に無事で良かった!死んじゃうかと思ったもん」


「マジで来世の可能性あったもんな」


「笑い事じゃないがな?」


何はともあれ、目標は果たせたし、一件落着である。










「………………」


何故、何故だろう。どうしてだろうか


「ねぇ、真秀」


「柚々か、どうした?」


「さっき、明らかに様子が変わったわよね?」


「………」


"恐怖・・"


恐れ慄くこと。それは未知との遭遇、または強大な力を前にした時に抱く感情。恐怖を抱くと言うことは、つまりその対象より下にいることになる。言い換えると、自分よりも上位の存在にのみ抱く感情である。弱者程この感情を持ち、強者になるにつれそれは好奇心へと変化していく。


「何か感じた?天道くんから」


まるで全て理解したように、柚々は問う



「あぁ……感じた…恐怖を。しかし何故だ?」


意味が分からなかった。正直、あの威力なら受け止められたはずなのに。避けるまでもなかったはずなのに。抱いた。抱いてしまった。発現して1日も経っていない者に、恐怖心を。超級5体相手でも恐れることはなかったと言うのに。




「…それがアイツの…いや、流石にそれはないな。だとすればこれから…だな」


もし、これが()()の現れと言うのならば、アイツは


「彼は貴方を超える才がある。そうでしょ?」


「…楽しみだな」


「ふふっ久しぶりねこの感じ。それじゃ私は仕事だから、またね」


「あぁ、じゃあな」



とりあえずはアイツと話し合わなければな


沢城さわしろ柚々(ゆゆ)

女性。槍真秀と同期。落ち着いた性格でどこか緩い所があるがやる時はやる人。治療はほぼこの人中心で回しているので地味に多忙

能力: 【___】返還『損傷物を元に戻す』


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