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アイデア・リベリオン  作者: 浮遊戯
『暴食』心は常に天使と悪魔
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リミットブレイク:破壊者

「『ドルフィスト』!」


入瑠は超級悪魔に対して、全力で立ち向かっていた。ガントレットのブースターで何発も殴りつけ、攻撃をかわして、必死に食らいついている。


「まだまだ、『ドルフィナーレ』!」


「オマエェ…グるララァぅ…グルァ!!!」


「…っ、結構くらっちゃったな」


攻撃を当てるも耐えられ反撃を喰らってしまう

なんとか超級と張り合っているが、それでも、敵の力の方が1つ抜けて強かった。


「ヴルラァァアァア!!」


「くっ……!」


つんざくような轟音が鳴り響く。悪魔が入瑠の身体が吹っ飛ばし、壁に叩きつけられる。彼女は膝をつき、もう立ち上がれそうになかった。







「入瑠!?」


あれから、どうしても入瑠のことが心配だったから来てみたものの、着くや否や入瑠が吹っ飛ばされた。確実に骨がいってるぐらいの吹っ飛ばしだった。能力者ならそうでもないかもしれないが、まともに鍛えてない一般人なら即病院レベルだ。


「おい大丈夫か入瑠!?だいぶ強そうだぞアイツ」


「テント!?なんで!?」


「いや…ちょっとな」


「バカばっかり言って…私は大丈夫。だから、早く…逃げなよ」


そう言うと入瑠は再び悪魔と対峙した。しかし、様子を見るに大丈夫とは言えなかった。明らかに悪魔の方が優勢で入瑠はやられっぱなしで、それでも周りの人の為に命を奮って戦っていた。


「まだいける…っと!そこッ!ガッ!?」


限界も近いだろうに、攻撃を喰らいつつも入瑠は必死に戦っている。





俺はただ見ていることしかできなかった。


仕方がない。無能力者が無理に助けようとしてもかえって邪魔になるだけだ。そもそも俺は入瑠がこんなに苦戦するとは思っていなかった。多少はキツいぐらいの相手だろうとは思っていたりそれなのに今は目の前の光景がただ辛い。




怖い。ただでさえあんな上級悪魔にさえビビっていたなんだ。仕方のないことかも知れない。でも…だとしても…



「……何か…何かないか?」


誰か来るまで、まだ時間がかかる。でも、それまで持たない。このままじゃ、入瑠は……


「はぁ…はぁ……ガハッ」


ついに入瑠が倒れ込んだ。もう寸前のとこまで悪魔が来ている。このままじゃ入瑠は死ぬ。死んでしまう。虚しい。自分が何もできないのが。体が動かない。


「オイマズいぞ!」


「他の能力者は!?」


「まだだ!行ける奴いないのか!?」



周りも焦っているようだった。行けるなら行きたい。助けに行ってやりたい。だが現実は非常だ。俺は何もできない。



その時だった



「……助け…て」



ポツンと、かすかに入瑠がそう呟いたような気がした。単なる偶然に過ぎないのかもしれない。でも、自然と体が動いていた。怖さとか、迷いとか、迷惑だとか、全部吹っ飛ばして。()()の赴くままに動いた。無力ながらに、全力で走ってた。


気づいた時には、俺は悪魔の目の前まで走り出していた。



胸の奥で、何かが叫んでる。熱くて、爆発しそうな何かが。



次の瞬間、拳に力が集まった。何かが変わった気がした。でも今はそれが何かなんてどうでもよかった。



「オオォラァァ!!」



俺はその拳を全力で叩き込んだ。ただただ、叫びながら拳を振るった。今まで抑えていた感情・・が、一気に溢れ出す。恐怖、怒り、焦り、悔しさ……全部が力に変わる。頭の中で思い描いた「なりたい自分」を、そのまま現実に叩きつける。


拳が、空気を割る。

想像を超えた一撃が、悪魔の顔面を捉えた。


「ッ!ガッ、」


急に体が重くなる。さっきまで動いていた力が、急に切れた。


「流石に…動けよ…頼むからさぁ!」


神はチャンスをくれなかった。悪魔がゆっくりと立ち上がる。まだ終わってなかった。


「ハハッ…やっぱり意味なかったか?」



「いや…まだ……終わってないッ!」


テントを守護るように入瑠が前に立ち、最後の力を振り絞って手のブースターを構えた。


「『ドルフィアブースター』!」


その手から放たれるビームが悪魔を貫いた。悪魔は大きくよろめいて、限界まで追い詰められる。


「……ガァ…ハハハ…シナなイぃ…」


だが……まだ完全に倒れない。俺たちはもう、動けなかった。


「タフにも程があるだろうがよ…クソったれが」



もう…ダメかもなぁ、と。そう悟ったその時……






「間に合ったか」


静かな声が響いた。


黒い服の男……その雰囲気は世界を圧倒する。


総長・・…遅いですよ…」


ボソッと入瑠が呟く。


「すまんら俺のミスだ。後で正式に謝罪させてほしい。…さてと」


「…なんダァ…アァヴァゥゥダァガ………」


「お前、覚悟はいいな?」


「…ア?」


「チッ…はぁ……()()…」


その男が指先を少し動かすと、空中に透明で少し灰色がかった立方体が浮かび上がった。それは規則も法則も無視して空中に浮かび、ただそこに「存在している」だけで、世界の法則を壊していた。


「壊れろ…『バグ』」


その言葉と同時に、立方体から数多の立方体が生まれて悪魔へと襲いかかる。そのおびただしい数の立方体により悪魔の身体は飲み込まれ、立方体達が破壊されるとその悪魔も崩れ、音もなく消えていった。


完全に破壊された。静かに四角いパーツが消える。


「……よく頑張ったな。後は…魔災学会で詳しく聞こう」


俺も入瑠も、もう意識を保てなかった。気づけば世界は、静かだった。

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