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アイデア・リベリオン  作者: 浮遊戯
『暴食』心は常に天使と悪魔
16/18

独り言:理由には動機が付属する

毎度のことながら更新頻度遅くて申し訳ない。次は来週までに出せたらいいなぁーって感じですね、はい。

「しっかし……どうすっかなぁ」


暫く学会で考えていたが明確な理由なんぞそう簡単には出てくるはずもなく途方に暮れていた。やりたいと思う気持ちは十分にあるが果たしてそれに覚悟はあるのか、面白半分でやっているのではないか、超級相手に屈することのない災伐師になれるのか。色々考えていくうちに思考が良くない方へと進んでしまう。


「実際のところ、翼はどうなんだ?」


自分であれこれ考えるのはやめだ。こういう時は色んなやつに聞いてみるとしよう。


「俺は元々災師になりたかったし、親にも前から伝えているからな。なりたいと思ってる。弔は?」


「俺は……正直に言うとわからん。」


「まぁ、だろうな。災伐師は災研師と違って戦闘が主となるから必然的にリスクを伴うことになる。余程のことがなければいいって所だな」


「だよなぁ」


災伐師になる理由。そんなもの今の俺にはなく強いて言うなら好奇心とか興味とかその程度だ。生半可な気持ちでは駄目だとわかっているがこちとら義務教育を卒業したばっかなんだよ。責任とか言われてもな、なんて事は思うが実際この調子では良くないことは自覚してるつもりだ。しかしなぁ…



「ふんふふんふふ〜ん……あれ、テント?翼もいるじゃん!どうしたの?」


「ちょうど良いところに来てくれた。一つ聞きたいんだけど、入瑠ってなんで災師やってるんだ?そのー理由とかって」


「理由?唐突だね。んーそうだなぁ〜」


こういう時は身近な人に聞くのが良い。参考になりやすいからかな。

入瑠は暫く考え込んでいた。家系の都合上ってのはあると思うが入瑠自身はどう向き合っているのだろうか。結構楽観的だからそんなに考えてなかったりするのだろうか?などと考えながら返事を待つと、やがて入瑠は口を開いた。



「私の場合だと、まぁ人助けかな。代々災師やってるのものもあるけど、困ってる人とか悩んでる人を助けてあげてたいって気持ちが沢山あるから、それに見合う仕事をしたかったんだよね。警察官とか考えてたけど、ちょうど災伐師がそれに適してたから良かったかな〜」


入瑠は人情深い。人助けの為にしてるってのは至極真っ当な意見だし納得できる。俺もそういう気持ちはあるがこの話を聞いて動機をそれにするのもなんかやましい気がする。


「成程なぁ…あんがと、そんだけだよ。」


「別にいいよっこのくらい!んでも、何でこんなこと聞こうと思ったの?」


入瑠になら別に話しても大丈夫かと思い何気なく聞いてきた入瑠に事の全容を説明した。


「ふむふむ、なるほど〜。それで聞いてきたって事ね!それなら、1個思いつくよ!」


「えまじ?」


俺自身が思い付いてないのに?何てことを考え始める前に入瑠は率直に述べた。


「理由なんてものはない!」


「……………?それは……えーっと?」


「よーするに、後から考えばいいんだよ!無理に今考えなくても自然と理由なんて出てくるもんだよ!」


「そんな簡単に決めていいものなのか?」


「んーやっぱり?テントの実力なら全然いけると思うけどね。でもそうだな〜……なら、歴が長い人に聞いてみるってのは?」


「そりゃ良いかもな」


歴が長い人か。確かにそれならいい答えが聞けそうな気がする。それに、災師としての事も色々伺えそうだしな。


「今いる中で災師歴が長い人………総長は大変だろうし…柚々さんも忙しいよねぇ……う〜ん……あ!ちょうどいいところに適任発見!ちょっといいですかー!」


現れたのは、振り返るとそこにいたのは入瑠よりかは薄めな金髪で、王道的な雰囲気をした大学生か社会人ぐらいの……なんかさっきも同じこと考えてた気がするな?


「ハチさん?」


「お?なんだもう終わってたのか?」


「終わりはしましたがその延長で悩んでる最中です」


「っぱそうよな。誰だって悩むもんさ」


「知ってたんですか?」


「前にも似たようなことがあったんでな。聞きたいことはわかるさ。災師になる理由だろう?」


「んまぁ、そっすね」


「そんなら話しておこう。俺が災師をしている理由は3つ。まず安寧秩序、要は人助けだ。一番分かりやすいだろ?入瑠も総長も似たようなもんだしな。大体のやつはそうだ。そんで2つ目は……期待だ。」


期待?と言うと、自分に対する期待…とかか?何となくだけど自己成長を生き甲斐にしてたりしそうだし。などと思っていると


「一つ言っておこう、多分お前の考えは一部あっているが一部違う。ここで言う俺の期待はプレッシャーだ。」


「プレッシャー?」


「あぁ。"期待に押し潰される"って言うだろ?それだよ、それ。ここらで活躍しまくってたら存在が広まってな?雷帝なんて変にカッコいい肩書きで親しまれるようになったから後に下がれなくなっちまってな。ま、嫌って訳でもないしむしろ結構気に入ってるからいいんだけどな。悪魔達にも雷帝のネームバリューが地味に広まってて少しは抑制力になってるとかなんとかって話もある。結果的に功を制してるから押し潰されてるっつー程でもないが、要は引くに引けなくなっから、だな。」


「成程…」


大人気になったアイドルみたいなもんか。ファンに期待に応えないといけないから引退するわけにもいかないし頑張り続けるしかない。本人がいいならいいが、人によっては相当酷な事だと思う。ただそれって理由になるのか?とも思った。雷帝の名が広がる前は街の安全の為って事になる。いやまぁいい事なんだがなんかどこか引っかかるところがある。気にするだけ無駄か?


「んで次が最後だな。3つ目は夢だ。」


「夢?災師としての目標や夢があるってことですか?」


「そういうこった。俺の夢、目標は悪魔の撲滅と"カルプリット"を殺す事。悪魔には少々苦い思い出があるんでな。そのために力をつけて成長してるってもんだ。」


「カルプリットって、支配のカルプリットの事ですか?確か負の連鎖とも言われてる…」


「お、よく知ってんな翼……そうだ。支配のカルプリット。コイツだけは許せない。俺の宿敵とも言える」


「そんなヤバい悪魔なん?」


「悪魔…まぁ悪魔だな。一説によると悪魔を従えて自由に動かせるらしい。人間も可能だとか」


「中々にエグいな」


そのカルプリットとやらの話を聞きたい気持ちをグッと抑えて聞かないでおく事にする。他人の事情に深入りするのもあんま良くないしな。翼かどっかの資料でも漁ってみる方にしよう。


「ま、俺はそうだってだけで結局どうするかはお前の自由だ。こんなもんかな。んじゃ俺は…っと、そうだそうだ。最後に3つ、お前に聞きたいことがあるんだった。これは俺に解答を言わなくていいから自分で考えるといい。」


「それは一体?」


「災師への第一歩だ。この3つに答えられるのならばお前は災師としてのスタートラインを越えたことになる。俺独自のアレだがな。」


そう言うと、ハチさんは1つずつ述べていった。、


1つ。お前はどうやって能力を手に入れた?そして今、その能力をどう思ってる?


2つ。お前の価値観あるいは信念は何だ?それはどうしてだ?」


3つ。お前の夢は何だ?勿論、将来とかじゃなくて災師としての夢だ。


「たった3つ。コレだけだ。無理に今考えなくてもいい、焦るだけだ。色々とじっくり考えるこったな。んじゃ俺はこれで。考えるのも大事だが、休めることも大事だぞ。お前達もな。」


それだけ言い残してハチさんは去っていった。なんと言うか…嵐のような人だったな。言いたい事全部言って帰った感じがする。個人的には話しやすいしいいけど。


「さてと…とりあえず色々聞けたから良かったかな」


「ハチさんの話どうだった?」


「んまぁタメにはなったよ。理由は人それぞれだしな。災師なんて特にそうだ。」


「…もう18時か。今日は解散するか?」


「あれもうそんな経ってる?早いもんだな。」


「うーん…出来ることならもっと話したかったけど……明日話せばいっか!そうしよ!」


「それもそうだな。よし、今日は解散で!」


「私まだ仕事残ってるから、またねー!」


「おう、また明日」


そうしてそのまま現地解散となった。今俺がすべきことは災師になるかどうかを考えること。そのためにハチさんの言っていた3つのことを考えること。これが現時点での課題となるだろう。家で色々考えるとするか。

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