あたしの二十四節気【浦川 日歌里 二十四節気詩集】

あたしの召喚【小寒】

　私、絶対、炎属性ではない。

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　ずいぶんと冷えこんできたようだけど

　今年の冬の真の寒さは

　まだまだ こんなもんじゃないから

　あたしはそれにそなえて

　ちょっと短気だけど けっこうゆかいな

　炎の精霊たちを召喚しておく

　鼻と 枝分かれしたつのに

　篝火(かがりび)を赤く焚(た)いたトナカイや

　ステンドグラスの翅(はね)をひらいて

　鱗粉(りんぷん)のかわりに火の粉を散らしながら舞う

　アゲハ蝶だとか

　燃えさかる激流を遡(さかのぼ)るサーモン

　あ サーモンを 召喚(サモン)するなんて

　韻を踏んだわけじゃないよ

　あとは定番だけど ドラゴンよね

　あたしはこの盤石(ばんじゃく)かつ灼熱の布陣で

　今年の冬の真の寒さを迎え討つ

　だけどまんがいち

　この盤石(ばんじゃく)かつ灼熱の布陣でさえ

　今年の冬の真の寒さに

　かなわなかったときのことを考えて

　いつでも逃げこめるように こたつを出しておこう

　ふっくらした こたつぶとんを敷(し)いて

　もし眠くなったら

　そのまま眠っちゃえるようにしとくんだ

　こたつ最強！

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　部屋にこたつはありません。

　起きられなくなってしまう（汗）