あたしに呪われた春【雨水】
とけちゃ、やだ(涙)
さようなら 雪ウサギ
冷蔵庫のいちばんした
アイスのとなりが あいてるよって
つれてこうとしたんだけど
あんたはついてこなかった
さようなら 雪ダルマ
いっしょに北国へ ひっこそうか
相談したんだけど
あんたは首をたてにふらなかった
来年は 来年で
新しい雪ウサギや 雪ダルマが
あたしを待ってるはずだからって
あんたたちは とっても やさしく
だけど ちょっとだけ さみしそうに
おとずれる春にとけていったんだ
さようなら 雪ウサギ
さようなら 雪ダルマ
あんたたちがとけたあとにできた水たまりは
きっと あんたたちとの想い出と
あたしの涙が描いたもの
そして春がやってくるけど
あたしはちっとも うきうきなんてしない
あんたたちと別れなきゃなんないのなら
春なんてやってこなくていい
あたしは あたしから
あんたたちを奪った春のこと
ぜったい ゆるさない!
春なんて とっとと
夏の陽射しに灼き尽くされてしまえって
腫れた目でにらみつけてやる
そんなのあんたたちが望んじゃあいないだろうけど
かまうもんか!
あたしは春のこと ぜったい ゆるさないんだから!!
そして あたしに呪われた春がやってくる
それでも あたしに呪われた春はやってくる