あたしの二十四節気【浦川 日歌里 二十四節気詩集】

あたしの甘露【寒露】

　フルーツ好きです。

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　食欲の秋には別腹もスペース拡張されてて

　ごはんを美味しく食べたって そのあと

　甘いものもやっぱり食べたくなる

　クリームや あんこもいいけど せっかく

　フルーツのもりあわせのような季節なんだもん

　あたしはくだものをいただくことにする

　信長を裏切った策謀家 緻密(ちみつ)のヒデが

「柿は法隆寺にあり」って言ってたし

　サルとカニが戦争をおこすくらいだから

　秋といえばまず柿なのだろうけど

　宝石のシャボン玉液にストローをつけて

　息をぶくぶく吹きこんでやったみたいな葡萄(ぶどう)や

　こっちに転移してきた

　むこうの世界のアナザー林檎(りんご)みたいな梨だとか

　ピンクのハートをさかさました

　あまりにキュートすぎる桃だとかもあるよ

　だけど忘れちゃいけないのは栗だよね

　とげとげの毬(いが)と かちかちの殻(から)で

　防御を固めた セキュリティ意識の高いあいつは

　野菜とはいえ甘みたっぷりの

　さつまいもとかぼちゃとで三巨頭をはる

　甘いお野菜が苦手なひとは こいつらを

　あえて塩辛(から)く炒めてやると

　すごく美味しいから おためしあれ♡

　フルーツのもりあわせのような季節に

　たわわに実った なんたる甘露

　あたしは美味しくいただくのであった

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　凍らせても美味しい♡