あたしのほっぺを濡らす朝露【白露】
そうゆう夢は、たいていいい夢。
もう二度とそばにはいられないあなたが
あたしの眠りのなかに逢いにきてくれた夜は
これは夢だけど のよろこびと
これは夢だから のさみしさで
あたしはぐちゃぐちゃになって
泣きながら 朝 目を醒ます
しあわせでふくらんでた胸が
きゅうにしぼんぢゃった風船なのか
しあわせが詰まってた胸が
きゅうにすかすかになっちゃった
クッキーの空き缶なのか
どっちかの気分
もうちょっと あなたと
眠りのなかで過ごしていたかったのに
たとえ 寝坊するのを覚悟で二度寝したとしても
そんなのうまくいかないこともわかってるから
あきらめて やさしくて意地悪な夢にお別れをする
こういう朝は泣きながら目を醒ますんだ
なんて残酷なことをするんだって
うらめしく思わないわけでもないけど
なんて素敵な時間をくれたんだって
ありがとうと思うほうが ずいぶんおおきくて
きっと またそのうち
あなたはあたしの眠りのなかに
逢いにきてくれるはずだって信じたら
枕からあたまを浮かせて いちにちをはじめるわ
睫毛に絡んで瞼にたまってた雫が
こぼれおちて朝露みたいに
あたしのほっぺを濡らした