あたしの二十四節気【浦川 日歌里 二十四節気詩集】

あたしのSTAND UP！【立春】

　もうちょい眠ってたい。

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　春が立つ

　冬のあいだ さんざんこらえてきたんだから

　もう がまんしてられないって

　座ってたパイプ椅子を

　うしろに ぱたんってたおしながら

　春が立つ

　もぐってた寝袋を

　きちんとしまえるように きれいにまるめてから

　春が立つ

　つんつん はやしたつくしで

　空き地にちょうちょの地上絵を描(えが)いて

　吹き荒れる春一番にマントをなびかせたなら

　だめだ

　これはもう 手がつけられない

　ここまで立ちあがってしまった春をおとなしく

　すわらせたり ねかしつけたりなんて

　だれにもできっこない

　せめて立ちひざくらいのときに

　どうにかしておくべきだった

　春はもうすっかり 立ちあがってしまったようだ

　夏と秋を一周してくるまで

　もう冬はもどってなど こられない

　しかたないなぁ だったら おつきあいしましょうか

　あたしも ついに この重いこしをあげて

　春といっしょに立ちあがることにした

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　冬は寒くて動けなくなりますからね。