6・テンプレに従うだけの簡単なお仕事 のハズだった・・・
あまりに大きすぎる犠牲を供物に捧げた彼の決断は
犠牲が大き過ぎる故の「保守的なテンプレ案」の採用だった
テンプレなら失敗しないよね!!
大いなるマンネリ 絶対的な成功率を誇るからこそさまざまな物語のスタートは、僅パターンでまとめられることが多い。
受胎神話のパターンは、本当にお決まりなのだ!
ぶっちゃければ只「紙に愛された子を汝の子宮に受胎させた」と告げるだけの簡単なお仕事でしかない。
違うのは「どのような環境に産み落とすべき」かを考えそれにふさわしい女性もしくは、夫婦の前に姿を現すだけの簡単なお仕事。簡単だからこそ失敗が無い!
彼は考えた。どこに産み落とすべきか・・・
世の中の上流階層?いや駄目だ!武芸を磨くことを忘れた愚か者に育つ可能性がある!
(彼は忘れている・・・そうならない様に自分が周りを本人を導けばいいだけなのだが)
世の中の底辺がいいのだろうか?嫌 これは絶対にダメである!
無事育つ保証もなければ満足な教育も与えられず消耗される可能性もある。
スラムや小さな村社会では世の中を動かす立場の人物との出会いも限られることになるだろう。
底辺層だけは絶対にダメである!!
(やはり彼はポンコツである。出会いは己で操作すればいい。そもそも守護神たるもの「無事成長するまで見守り保護する」のが彼の役目なのだが・・
ポンコツは・・・ダメだめ・・・)
彼は考えた挙句
「下級貴族もしくはその使用人夫婦」の基に己の最愛の魂が産み落とされるよう準備をした。
英雄を目指す以上将来的にある程度紛争が起きることが予測される地域の下級貴族の家・・・
見付けた!この人物なら両親に相応しいだろう。
遂にカミが現世に降臨した
受胎告知 新たな伝説 後世に末永く語られる物語の始まりである
神は夫婦両方の魂に声をかける
「神々に愛されし新しい種をそなた達に授ける。この子を人々を導き護る者として育てよ」
お約束の語りかけ 安心安全無駄のない言葉である・・・
(´・ω・`) カンタンスギルナ ヤッパリ チュウイハ シテオクベキカ・・・
神様は、夫たるものに「夫として父親として相応しい生き方や考え」を告知した
神様は、妻たるものに「妻として母親として相応しい生き方や考え」を告知した
人が神に逆らうことなどできないとか「全く考慮」せず 自信をもって告知と言う名の命令を与えた。
夫には「流産させるんじゃねぇぞ・・夜のお勤めはしばらく厳禁。子供や家族の為に必死で稼ぎ教育の機会を十分に与えろ!神童になることは間違いないのだから利用しようとするゴミ共を排除するだけの力を父親として準備しろ・・・神の指導は事細かく延々と続く
若い夫婦の夫なる者は思った・・なげーよ 迷惑だこの親父・・・
あまりに長時間にわたる指導により 神々しさにひれ伏すより命令を聴いているふりをして早くこの時間が過ぎるのをただ待ち望んでいた。
基本的にオスたるもの他の知らないオスには厳しいものなのだ・・
神は人の子 妻たるものに告げる。彼は残念な者だが紳士!興味が無い一般女性にはどこまでも優しいのだった。妻の助言は比較的にシンプルなものとなった。
「あなたの生命は自分一人の物ではないのです。わが身を愛おしく守りなさい。」
ほんの僅か照れ隠しに彼の座右の銘であった言葉を紡いだ。
「健全なる肉体にこそ健全なる魂は宿す」
正に脳筋に相応しい言葉である。ただ彼はほんの少し後悔した・・・
女性にかける言葉として相応しいのだろうか (´・ω・`)
一人の女性と一柱の神は、しばしの沈黙に耐える事となる。
神は不安な時を過ごすと思われた時、女性は明確な声で返答をした
「そのお言葉確かに承りました。我が身命にかけてやり遂げることを此処に確約いたします!!」
カミさまは、自分の計画とは違う二人の反応に戸惑いを覚えながらも・・
自信ありげに告知を終えることにした
ナンダカ・・・うん・・・・
まぁ大丈夫だろう 問題が起きないからこそ「テンプレ化」してるのだと
ポンコツ神はやはりポンコツ。脳筋は、所詮脳筋・・
神界での業務は「テンプレと言う名のマニュアル」に従って行われているにもかかわらず
問題は発生していることを忘れている
テンプレは絶対安全な回答ではないのだ・・・
そもそも魂魄に己が与えた「正しい恩恵の意味」すら忘れてる
その魂は、無限に周りを巻き込み増殖する脳筋病の汚染源
親しい者をより深く蝕むというありがたくない効果を・・・
そんな汚染源を直接体内に取り込んだ女性がどうなるかとかポンコツが考え及ぶことは・・・
ここに脳筋女性 脳筋妻 脳筋母などと単純な言葉で語れない伝説の存在が爆誕してしまった。。
だからこそ会話に違和感を持ったのである
身命にかけてなどと語る妊婦が普通現れるはずがないのだが・・
脳筋故に一歩歩む前に先ほど覚えた違和感など忘れ告知神としての達成感に
ポンコツは酔いしれた・・・はた迷惑な伝説の始まりである
この世界に今度永遠に苦悩するであろう父親と
あまりにも強すぎる女傑が生まれました。。。
カミさまは、何も達成してないのに満足している。
大丈夫か?この世界?大丈夫かこの両親!!
あまりに濃い未来を歩むこととなる両親のもとに生まれる事となる主人公・・
どんなに輝ける未来が保証される存在であろうと
濃すぎる両親&問題しか起こさない守護神たるストーカー神に”哀される巫女”
彼女が両親よりも名前を残す物語のヒロインとなれるかはまだ誰も知らない
ヤバイ 全くヒロインが活躍しない物語になっている
ヒロインが活躍する日は訪れるのだろうか・・・
なおまだ只の受精卵状態でしかない・・・目指せ定着!
目指せ胚・・・胎児になるまでまだ日は長い。。。