2・とうぞくが あらわれた
イケメン元英雄王は、颯爽と・・・・・泣いている童の魂を救うべく登場!!
のつもりでした
ここまでのとうじょうしゃ みんなざんねんな ものたちです
そして残念な者たちの業務を支えるシステムが正しいはずもないわけで・・・
「童、どうしたのかい?」
どうみても山賊にしか見えない巨大なコワモテが話してる。
童って誰だろう。。私の周りには、子供どころか人らしき存在がいないのだが。
この巨大な空間には、火の玉?炎?らしきものが複数浮いており
大きさは様々ではあるが青っぽい炎か赤っぽい炎が規則正しく並んでいる。
不思議な空間だ。背中から冷たい視線をいくつか感じるが人は存在せず
熱を感じない炎がただ複数燃えている
目の前には薄茶色の布の束 そして鳥の羽 黒い液体の入った小さな瓶
布には幾つかの記入項目がある。
名前。。。死亡?え?私 死んでるの? そもそも名前・・・
だんだん周りの空間がまるで怒られる時の様に空気が重くなる。
そして目の前には巨大な山賊?何故コレだけが人に見えるのだろう?
ここはきっと恐ろしい空間 いや 恐ろしい夢だ。
この恐ろしい世紀末な山賊は、何も書かない私にイラついているに違いない。
取り敢えず何か書こう。猫の絵でいいかな?
ウン!書いてるうちになんだか楽しくなってきた!もっと書こう!
背後の視線がなんだか緩やかになった。やっぱり猫は最強の生物!皆が和んだのだろう!
「童や。動物を書いても先へは進めないぞ?」
「煩いな!今いいとこなの!」と前を見ると・・・
恐ろしく顔を歪めた「巨大な盗賊」改め
かなり毛根の不自由な頭部と顔中に様々な切り取り線をデコった恐怖の大王がそこにいた。
思わず様々な物を貰いそうになったがここは恐怖に耐えるためにも叫ぼう!
うぇ~~~ん・・・・・オヤ・・・・随分おこちゃまな声 ところで私何歳だ。。。
イカン!目の前の大男が増々顔を歪めて睨んでいる。ここは誤魔化すしかない!
私は今幼児だ。幼児になり切ろう!!!取り敢えずここを乗り切らなければいけない。。
=山賊改め 世紀末な髪型の怖い人改め 切り取り線をデコったハ〇 改め大男 こと神様見倣い=
マニュアルによると性別は魂の色で判断 魂の大きさで年齢を判断
小さな魂かつ 色が無い場合は 性別も意識してない幼児の可能性が高い
大人の魂なら微笑み程度の笑顔で対応でいいが
明らかな幼児の場合、過度とも思える全力の笑顔で微笑みながら座り目線を低くする
・・・だったかな・・・・
イカン 益々泣き出した。。。オカシイ
私は子供に好かれ過ぎお忍び視察も出来なかった男だ。
何故この子は、このように泣く?
泣く子から事情を聴きとりは、苦手だ。何度やっても慣れる気がしない。
だがこれも仕事。どうすればこの子は泣き止むのだろう。
今日もパワハラ親父の視線が増しているのが判る。
精神生命体なので無いはずの胃が激しく痛む。神々も胃痛に悩むのだろうか?
泣き叫ぶ童の魂と雑念にとらわれる担当の私。。。これでは仕事が進まない。
こうなれば渾身の喜びのオーラで覆い体全体で無害をPRしないと!
== 不安に泣き叫んでいると思われている必死で鳴きまねしてる魂らしき物?==
ヤバイ!恐怖の変顔どころかまるで某世紀末覇者の周りの空間にある謎のオーラーらしき物が
全力の泣き真似だけでは誤魔化せそうもない。
いくつか差しさわりの無い返事をしてごまかすしかない。
名前だの死因だの年齢だの聞かれても判らない。記憶がはっきりと思い出せない。
そもそも性別を答える意味すら分からない。もっとも性別すらはっきり覚えてないのだが。
取り敢えず 〇ちゃん的に言っておけばあちらが勝手に埋めるだろう。。。
男とも女ともとれる名前か。。。美幸 美幸うん みゆきなら男女ともに使えるな
みゆきと答えると色々根掘り葉掘り聞かれて墓穴を掘りそうだ
みーちゃんと返事をしておくか・・
===
膨大な事前調査書類ことアンケートを
みーちゃん と ひたすら首を振る事で 判らないと返答する物と
少しでもリラックスしてもらおうと渾身の殺気!を振りまく戦場しか知らない元英雄
そして間もなく奇跡の報告書、いや・・・・
愛称と様々な 絵らしき記入物 と
脳筋王故に 唯一自分が理解できた聞き取り内容を使い慣れた言語での代筆
疲れ果てた両者は、たいして内容を再確認することなく書面にサインを入れた
※魂さんは、子供の振りを通すためにも名前代わりに猫の絵らしきものを記入・・・
そして書類は完成され膨大な業務ゆえに中身を審査しない各上位神の審査を終え次の現場へ回される。。。。もっとも内容がほぼ落書きなので審査する価値もないのだが・・・
こうして喜劇は、今日も次の工程へ丸投げされるのであった。
やはり問題点は フサ度が足りないから・・・(´・ω・`)
フサフサなら各種デコも目立たなかったのかもしれません
大丈夫かこの作品・・・作品タイトル回収が無事できるのか。。。
それこそ髪のみぞ知る