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四人の双子(仮題)  作者: チサト
P
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邪なる者の集まる川 序 参

巫女様は祈りも届いたし神のクォーターの俺達にも会えたので兄さんのところに戻るというから

ついていった

川をひたすら遡上していくが2週間歩いてる今でも全然着かないし、川べりの賊がバンバン襲撃してくる

在野の巫女様暗殺とかそういう流れなのかってくらいにはバンバン来た

毎日のように三対三十人とか本当にやめてほしい


巫女様の身のこなしは目をみはるものがあった

身体操作に魔力放出を少し加えるだけでどんな魔物の如何なる攻撃魔術も的確に被弾するであろう場所に魔力を身体に流し当たったら滑らせて

炎か水の魔術だけで迎撃しているし

俺にはここまで繊細な魔力操作はできないし、相棒も魔術を滑らせて受け流すまで行けるけど迎撃までができない

14歳にしては強いと相棒も自分も思ってたけど全然まだまだだし

そんなことを自然にやってる巫女様の手札の中で一番強力なのはやっぱり槍なんだな…

流れるような正中線への三連突きから後方への石突きでの兜割りか…賊一人につき三連突きだけでどうにかしてるって事もよくあったし、三連突きを躱すか受けきれる賊なんて今んとこほぼ皆無だった

他にも型はあるんだろうけど…

槍を引戻して石突きを振り下ろす過程で両脇への対処が遅れても瞬時に魔力で穂先のリーチを伸ばした横薙ぎに移行して長物の隙を減らしてるのか…長物はあまり使わないけど見習う点は多いな…


巫女様はどんな相手でも態度を変えず淡々と受け答えしている

お願いされても罵られても変わらないし

「神々は総てを見ておられます」

で片付けてしまう

どんな悪い行いをしようと神々の目は誤魔化せず

自分に返ってくるって事しか言ってるつもりがないみたいな感じだし…

無愛想に見えるけど、聞き上手だし不思議と人が寄ってくる人たらしなのかも


川だろうと山だろうと賊が多いし

旅の途中の村で巫女様に雨乞いついでに武術を教えてと頼み込むやつもいる

素手だろうが得物があろうが分け隔てなく平等にスパルタしてるし、その武器に適した型を三つすぐに考えて教えたりもしてるし…人助けってところでも俺達霞んでるよな…先は長そうだ…


そんな巫女様でも弱点があった

名前を呼ばれるのが嫌いで巫女様としか呼んで

欲しくないらしいし、流れてくる噂で名前を知ってるやつに呼ばれるとなぜか真っ赤になっている

超反応で名前を呼ばれそうになると俺達の周りを

魔術で遮音してしまうので俺も相棒も本名は知らないんだよな…俺達にはミコとしか呼ばせてくれない巫女様ってどういう訳なのか…

照れ隠しにしか見えないし、やっぱり訳が分からないが、色々と教わってるし心のなかでは師匠と呼ばせてもらおう


そんなこんなで賊を倒し村を回ってるけど巫女様の兄さんのもとにはいっこうにたどり着かない

来た道を戻ってるだけらしいのに

…巫女様って方向音痴なのか?いやいやそんな馬鹿な…北がどっちかわかってるし川をひたすら遡上してるんだから北から北西、北東までの触れ幅で移動してるはずなんだ…きっと巫女様はたどり着けるし兄さんと友達を助けられるはず

巫女様は

「身内が危ないから先を急ぎます」

なんて絶対言わず目の前の人を助ける人だからな…

そんな巫女様のためにも助かってほしい

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