邪なる者の集まる川 序
地下室の猫にも肉を置いていき、俺は相棒と三人娘がいた川沿いの盗賊の縄張りに侵入することにした
あの地下室から北東に進むと大きな川がある
流域は90マイルにもなり、海に続いてるし、支流も幾つかあるし、この川を隔てて自治領なんてところもあるが、数年に一度は氾濫してるから国境が曖昧だし自治領の小競合いによる群雄割拠も著しい
信仰も俺達のジッチャンバッチャンだけじゃなく土着の神や精霊、天使など多岐にわたるようでとても把握できない
だけど不思議とこの大陸、異教徒の弾圧が少ないんだよな…弾圧なんかすると信徒は弾圧した神と弾圧された神の両方から身の毛もよだつ方法で根絶やしに
滅ぼされるって伝承があるからかもしれん
半神半人の親たち曰く、事実とのことだが…
人道から外れた事を推奨する邪神もいるけど
これだけはやるなってのを巫女だのなんだのに神託で伝えるはずなのに、それでもやらかしてしまう時はあるらしい
などと考えつつ歩いていると、少し前を歩く相棒の足が少し遅くなった
何かを感じたのか?
少し足を早め、隣に並び小声で訪ねた
「何やらこの邪な気に満ちた土地で誰かが神の眷属に囚われているらしい」
と相棒は言う
危機を感じたのか相棒は来た道を戻り、左手の森に走り出した
10分もかからず問題の場所に二人で行くと、巫女らしき娘が森の少し開けた広場に跪いていた
神の五感を発動する
すると二柱の神、邪神と善神の眷属が娘を挟んで向かい合っていた
審問されてるみたいだな…
内容を聞いてみよう…