閑章 転移者1 -1-8
二人の女を改めて上から下まで見てみる
「………」
よもぎ色と薄い雁皮紙みたいな色の縞模様と斑が入り交じった七分丈の上下に、手足はバンテージでぐるぐる巻き…肌の露出は首から上と手足の指先だけか…ほぼ裸足じゃん…サンダルとかは…?
全身筋肉質なアスリート体形で身長は167前後で二人とも同じくらいか…俺とはそんなに離れてないくらいか?両方とも歳も同じくらいに見える
二人とも髪はもうちょいで黒の暗い茶色で山吹色のメッシュが所々に入ってる美人さんだね!
「俺はマサだ、これからよろしく」
無表情極まってて感情を読み取れない方が口を開く
「霞だ、よろしく」
なぜか徐々に口角がつり上がってる右側の方も喋る
なにか変なこと言ったか…?目は笑ってないし
「霧です、では両手を前に掌をうえにむけて」
ほう?言われた通りにしようか
二人は右手で俺の両肘までをガッチリと掴んできた
バ ン テ ー ジ な の に マ ジ で 冷 た い
「君たち、手ぇ冷たくない?」
思わず言っちまったッ⁉
「まだまだこれから…はい」
霧の口角が更につり上がってるし嫌な予感!
「霧さん、何すか?」
二人が左手を両肩に置いてくる
左手は冷たくも何ともない…?うわ、電気風呂みたいな刺激がビリビリ来た
「アビビババダゥアタァァいってえ!!何だよこれ!?」
これで何もなかったら只じゃおかんぞ?
「霞、何か言うことある??」
霞が瞬きした後に呟く
「戯れだよ、たわむれ」
そっかぁ…真面目に答える気はなさそうだね
二人が手を離すと、システムアナウンスが流れ、ログウィンドウにも同時に通知が来た。
<霧、霞(放浪の神官戦士)がパーティに加入しました
あなたがパーティリーダーです>
霧が俺の右横を通り抜けながら頬を突いてくる
「そうだ、言い忘れてた」
ふざけた動きだけど目はマジですね
何ぞや?霞も黙って左側で止まっている
「仕事以外で勝手に街の外含めて海とか川に行っちゃダメだよ、今は危ないし死んじゃうから…
まぁ
仕事の合間に行う訓練のために、河原とか砂浜に転がってる流木をこっそり拾って木剣作って持ってきてもらうけど」
ってのを半分聞き流して……え?
この世界、そんな材料からでもクラフトできる要素あんの…?
「「じゃあまた」」
呆然とする俺をよそにそそくさと二人は去っていった
ふぅ、ログアウトするか
電気刺激には不正検知、敵対勢力のスパイ検知などが含まれます(サーヴァントによって電撃以外にも色々種類があるが、本当に付いていって良いのかの最終確認もある)




