スタートは雨宿り
隣のハンモックで相棒は寝ている
故郷から6マイルある隣町まで移動してる途中で雨期に当たり二週間くらい足止めされている。
今いる地下室以外ほとんど屋根が吹き飛んでる
雨漏りの激しい廃屋は、ベッドと雨漏り以外はほとんど無事だったがネズミだらけだった。
地下室には天然のネズミ取り(野良猫)が居着いてたので懐柔しようと
相棒がネズミ以外の生肉をあげたらガツガツと食い、あっさり軍門に下った
相棒の膝の上に乗っかって何かをしきりに訴えていた。
もちろん言葉は分からん
それはそうとこの猫ネズミを食ってるときたまにモヤッと瘴気を出しててヤバイな…
食ってたネズミが危なかったのか…?
どこに食料があるのかまるっと太ってるしネズミ達は瘴気なんか出してないんだけどな…
ネズミの食い物からのセーブツノーシュクってやつなのか…
考えているといつの間に隣に座っていた猫はハンモックの相棒の腹の上にジャンプした‼
「うぅ…」
相棒は飛び起きて俺を睨んだ
「猫が乗ったんだぞ?」
そう言うと相棒は膝上にずり落ちた猫を抱えて
「お前が乗せたんだろ?飛び起きた私の服の破れた背中を見るために」
今は掛け布団のマントでいつも隠してるのに自分の肉体にそんな自信あるのか…俺も14歳でまだ成長期だけど…
「そいつ、暇になったから構ってほしかったんじゃないの…?」
猫は相棒の掌をパンチしていた。
相棒は機嫌を直しニやけていたが
「どうして私を起こしたんだろうな…客が来る気配もないし、お前にはなついてないし」
それに頷き首をかしげているとしばらくして
足音が上からした
二人くらいか?
もしかして廃屋に見せかけたあやしい組織のアジトだったりして…
廃屋だらけの区画をあちこち歩き回ってるけどやっぱり雨宿りで地下室なんかを探してるのか…それとも無関係なのか…
客を待ち受けることにした