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四人の双子(仮題)  作者: チサト
P
13/49

邪なる者の集まる川 破 壱

川沿いを北に歩いていく

北に進むにつれて、村が少なくなっていった

最北の村には関所があるんだと思うけど…

そこまで進むつもりなのか、途中に用があるのか

お兄さんが村だかに留まってる理由もわからない

もしかして病気になっちゃったから

動けないとか?わからんなー…

村の入り口に

歩きながら巫女様は語りだした


「3か月前、兄は私とこの村から

二つ先の村に入り、神に願うような事はあるかと聞いて回ったあと、村長さんの親戚の家から託宣をお願いされたので、近くの村で流行っている

毎年来る病がこの村にも来るか、

対策は出来るのか

どうか神に尋ねました…」

毎年来るなら対策できるだろうし

薬もあるんじゃないの?

「色々助言をもらい病が流行っている村に行ってみると、

私も知っている病と似ていましたが、

治療してみると何かが違いました」

横を歩いている相棒を見ると、続きは

まだなのかって顔をしている

「その時病が流行っていた村がここなんですけど

たまにすれ違う木こり等も元気そうでしょう?

病は終わったらしいですね」

肝心の今回行く村はどうなったよ?

「近くの村の病が収まり始めた頃、この村にも

病がやって来ました

最初にかかったのは、私達を最初に村に案内してくれた、門番の家でした

兄は彼と仲良くなっていたので、真っ先に診察

に行きました

神から授かった対策が功を奏し

広まるのを防げました

いつもは死者がいなければ川の精霊に感謝を伝えるという話だそうですが、今年は精霊には会えず祠も何かおかしいというのです」

不穏だなぁ…

その後もしばらく俺達に出会う経緯について説明されたが要約する


村人を二人連れて兄と四人で祠を監視に行くと、村では今まで

一度も見たことない格好の集団が5人ほどで

祠で精霊を呼ぶ儀式をしていた

この辺での神への祝詞には詳しくない巫女様は

ひっそりと身を隠して聞いていたが、特にその日は祝詞におかしい文言もなく、しばらくそのままこちらには気づかず、怪しい集団がいたというのを村に報告してその日は終った

翌日も四人で祠に向かう

祠に向かうとその5人はいなかった

近くを探しても見当たらず、村に戻って行くと

入れ違ったらしく、昨日見た5人が村の入り口で止められていた

5人は村人と言葉が全く通じていなかったため

巫女様が間に入った

どこの言葉なのかしばらく5人で話している会話を聞いた

知らない言葉だったが、ただ訛っている

だけなのかと気付き、この言葉なら通じるかもと思い、南西大陸の言語で話し掛けた

結果、突然聞こえた故郷の挨拶に仰天した5人は

巫女様を取り囲んでこの村に入れてくれないか

頼むように言ってきた

巫女様は祠での儀式は何をしてたのか答えないと村人が怪しんでいるし、入れてくれないと思う

というと、5人は急に押し黙った

説明は難しく決して疚しいことはないが、この川で故郷に必要なものが手に入るかどうか、お伺いをたてていただけだという

本当にそれだけが目的とも限らないが、

嘘はついていなかったので門番にその事を伝えた


5人は村に入ることが出来たが、

巫女様と兄の借りた家にしばらく逗留することになった

その夜は5人の故郷の風習など、

昔話で盛り上がった

巫女様が南西大陸にいたのは

ほんの一ヶ月前のことだったので、5人の故郷の近くの話をした

聞いてみると、3年前から

この辺を放浪しているらしい

5人は罪人で、禁を犯して追放された女二人に

懸想していた男三人が同じく禁を犯して

追放されてどうにか探して追い掛けて、

付きまとっていたらしい

まとめると、職業は全員が元神殿騎士で、別の部隊の女隊長で仲がいい二人にそれぞれの下っ端三人が懸想していたと言うことだったのだ


そんな話を聞きつつ、夜は更けていった







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