表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界昔話を創ろう  作者: お灸師ニコ
3/11

異世界桃太郎 その2

山を降りていると、犬が吠えて僕に駆け寄ってくる。

いや、吠えていなかった。


「主、主~。やっと見つけました。ハァ、ハァ」


普通にしゃべってる。

そう言えば神様が言ってたな、


「地球に似ているといっても、そこは異世界。ナビとして、3匹のお供をあげよう。そして、肉体強化と、異世界言語を付与する。これで問題はないな。(ドヤッ)」


行きたくもない異世界に飛ばされた時点で、問題ありだけどな。

それに、あのドヤ顔思い出すだけでムカムカする。


「私は、神様から主に使えるようにと仰せつかまりましたポチといいます」


僕の前まで来て伏せをしてる。

見た感じ、シベリアンハスキーだと思う。


「この世界にもシベリアンハスキーはいるんだね」


「いえ、この世界には存在しません。千年後位に似たような犬種は出てくるでしょう。で、私は神様によって、賢者の加護と、この世界の知識を付与され、地球から来たのです」


「えっ、地球からきたの?」


はいと頷くポチ。

普通ナビだったら、地元の人、正確には動物だけど、なんで、地球から呼び寄せたの?しかも、異世界の知識を付与できるなら、僕に付与するのが普通じゃない?やっぱり神様は馬鹿でしょ。

それにしても、後2匹の姿が見当たらないのはなぜだろう?疑問に思い聞いてみっるとびっくりする。

猿は、遊び人の加護が与えられ、暫く待っていたが、たまたま近くに猿の群れがいたらしく、そこに遊びに行ってしまった。1時間後戻ってきたら、「ボスになったばかりで、まだ治安が悪いから、暫くこっちに留まらないといけない。ほんとゴメン。安定してきたら、かわい子ちゃん何人か連れて戻るからよろしく」と言って、又、茂みの奥に行ってしまった。

遊び人の加護って何?このパーティーにはいらないでしょ。しかも、猿は猿でも、天狗猿って、絶滅危惧種じゃん。神様は馬鹿だと思ったけど、大馬鹿だった。

そして、鳥は鶴で、「ここは今は春だから旅立たないといけない。冬になったらつがいを連れて戻ってくるから、それまで頑張ってくれ」との事。勇者の加護を付与されたが、職業が旅人。

勇者の加護こそ、僕に必要なものじゃない?しかも、その一番使える加護を持っているのに、すぐにいなくなるって、職業を考えろよ。そもそも、旅人は職業なのか?鶴じゃなく、普通にキジでよかっただろう。

ポチにツッコミを入れてもしょうがないけど、入れずにはいれなかった。


一番まともなポチがいれば何とかなると、自分に言い聞かせ、ポチを撫でてやった。

ポチは嬉しそうに、顔を舐めてきた。


「くすぐったいからやめろ」


そう言って離そうとするが、一向にやめる気配はない。だんだん鼻息も荒くなり、体中を舐め始めた。


「ハァ、ハァ、桃、桃がうまい。ハァ、ハァ」


汚された。

俺の力をもってしても、引き離す事は出来ずに、体の隅々を睨め回された。

桃のベトベトから、唾液のベトベトに変わった。

ポチは恍惚の表情をしてる。

こうして、異世界最初のトラウマができた。


ゴブリンのおじいさんを抱える気力もないので、ポチに背負わせ、トボトボと山を降りて行く。

1時間もしないうちに、村のようなものが見えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ