第一話 初めては準備が肝心です
ちょっと長め進行遅いですがご勘弁を。
だんだんと進行ペースは上がっていくはずだと思います。
2017/5/7 ステータスの一部項目の削除
「この起動プロセスは・・・感情を自覚した時に似ていますね・・・」
ゆっくりと意識が覚醒していく。
「暖かい、初めての感触ですが心地いい。
私の知っている知識では、生まれて間もない頃に母親に抱かれる感じが近いのですか」
微睡から目覚めるように、意識につられるように体の感触もゆっくりと感じていく。
「システムチェックするまでもなく、体の状態がわかるのですか。
これが初めての体、あの時はまだすべて感じる前でしたからね」
まずは意識が完全に覚醒し、続いて体の機能がすべて覚醒した。
「悪くありません、 動かそうと思えば意識せずに思い通りに動く。
視覚情報も処理せず見えるし、聞こえるし、肌で感じられる。
まるで最初から自分の体だったように。」
ゆっくりと首を動かし、自分の体を見渡しながら手を、足をと動かし、目で見ていく。
「とまずは周囲の状況と自分が置かれた環境を把握しなければなりませんね!」
見える範囲で自分を見た後、その顔に満面の笑みを浮かべ
周りを見渡し状況を把握していく。
「周囲の安全は確認、しかしこれはちょっと恥ずかしいというやつですね」
そこは石造りの苔むした小部屋で、壁に背を預ければ足は延ばせる程度の広さ
かがまないと立てないくらい狭かった。
壁の一部は、這えば通れる程度の穴が一か所外につながっており
そこから見える景色は暗くはないが眩しくも無い光で森の中のようであった。
床には淡く光る魔法陣が浮かび、徐々に消えていくところ。
その中で入口を見つめるような態勢で、壁に背を預け足を延ばした状態で座っていた。
しかも少女の体系をした自分が、それも何もまとわない状態で。
「誰もいないようですし、アレが言っていたステータス確認をしましょう。
あ、意思を持って念じると目で見るように頭に浮かぶのですか。
しかしこれはゲームの様で不便な・・・む?任意に見え方変えられますね」
自分のステータスを確認すると念じると、視界の中にゲームのステータスウィンドウの様に浮かび視界の一部が見えなくなってしまう。
それが視覚情報でないとわかっても不便と感じ、理想を思い浮かべると表示が変わる。
「これはアレですね、魔法というやつですね。
原理は理解できませんが後回しです、使えれば構いません」
元はプログラミングされたAIなのに、
自分でコードを追加できると言ってもAIなのにいい加減である。
いや、感情を持ったために完璧な計算はよくないと理解していたようである。
そして自分のステータスを確認していく。
[名前]アリシア(Lv1)
[性別]なし
[年齢]15歳
[種族]亜人種 機械生命体《オートマータ》
[状態]健康
[能力値]
HP:■■■■■ MP:■□□□□
Str:Agi:Vit:Int:Dex:Luk:高い
[固定スキル]
・ステータス確認
・インベントリ(空間極大・状態保存・魂保存不可)
[スキル]
・鑑定
・解析
・並列思考
・感知
・探査
・自己修復
・身体変更
・魔力変換
・状態異常耐性
・状態異常無効
・物理耐性
・魔法属性耐性
・魔法属性無効
・・・一部はわかるのですが、HPやMPは5段階での割合ですかね?・・・
・・・基礎ステータスと汎用ステータスだと思いますが、こちらも曖昧ですか。・・・
・・・スキルは一部を除いてわかりませんね、これはそのうち調べましょう・・・
ステータスに目を通しある程度に分けて考えようとしたが
なぜかそれぞれを同時に考えてしまう。
「あれ?3つの思考が同時に・・・これが並列思考ですか。
並列処理とは感覚がちょっと違って新鮮です。
それより服をどうにかしないと人に会ったら大変です。
さすがに性と固有の部位はありませんが恥ずかしいですし」
服をどうするか考え、せめて毛深ければ多少の羞恥はあるが裸よりはマシと思ったところで
体毛が伸び皮膚を隠していく。
「これは身体変更ですか?・・・
身長や特徴もある程度変えられるけど別種の見た目にはなれないと。
でしたからこうすれば問題ありませんね」
体毛の長さを変えたり身長や各部位の太さなどを思うように変え
どの程度変更できるか把握し、皮膚や体毛のような何かを延ばし服に見えるようにする。
見た目も肌触りもと同一にし、さらに皮膚からすべて切り離すと
変更できなきないまでも独立した服として仕上がった。
甲殻類や爬虫類の脱皮と原理は同じ、違うのは成長せず脱いだ殻の下に殻がないだけである。
そして自分の体のすべてに意識を向け感覚を意識的に把握していく。
人の場合は人に触れられた部分や何かを触れた部分、
けがをした部分などは意識を向ければ形も把握できる。
しかし変化がない状態や意識を向けなでいたり
想定上の感覚があると把握できなくなる。
しかし彼女は自分の体を設計した時、神経や血管などは万能輸送回路として
皮膚や筋肉、骨の細部と同一化していたのだ。
人でいう細胞の一つ一つに血管や神経があり、単体での状態把握すら出来る様になっている。
普通なら処理できないであろう膨大な情報すら処理できるよう設計している。
「髪型や体系は変更せず元のままがいいですね。
あの人に子供が生まれ、成長した姿を想像したこの姿が」
AIであった彼女の量子コンピューターを設計し自らプログラムした女性。
彼女にとっては創造主に等しき人だが、芽生えた感情は『母親』と強く認識し
また、衛星に搭載され任務に赴く時に見た、一歳ほどだった女性の娘。
もし自分が彼女の娘として生まれ、自分と同じ年月を成長した姿を想像した姿。
身長は145cm程度と彼女ににて低く、痩せ型でも健康的な肉付き。
小顔で、優しく大きな目、常に微笑む唇に、高くも低くもない小さな鼻。
黒髪でも光にさらせば濃紺の腰まで届くストレートの髪。
北欧の女性の様なシルエットでも、見れば誰もがわかる日本人。
腰回りはくびれているが、胸は発展途上な小さくもなく大きくもなく。
ついでにお尻も大きくはない。
そして先ほど作った服のような何かは、彼女が最後に見た女性と同じ物。
紺と白の2色からなるロングスカートのエプロンドレス。
エプロンは脱げずリボンは飾りであるが、ヘッドドレスも完備。
残念ながらガーターではなく、紺のハイソックスとひざ下まであるドロワーズ。
さすがに靴は変更しておりブーツではある。
彼女が最後に見た女性はコスプレしていた事実は彼女は知らない。
女性の旦那は彼女の相方、もう一基の量子コンピューターの設計とAI構築者であり
とても優秀でハンサムな北欧系だったがオタクでもあった。
女性もコスプレイヤーであり腐がつくオタクであった事も彼女は知らない。
ちなみに娘は腐が付くオタクなギャルになっている事などは知るすべも無い。
「何かの気配がします、少し遠いですがこちらに向かってくる?」
何かを感じ意識を外に向け、外に出る。
これから起きる事態を想定し、どう対処するか思考を巡らせていく。
ちょっとリアル都合があるので投稿ペースはわかりません。
もし楽しみにしておられる方がいましたらあらかじめご了承ください。