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ちょっと異世界に行ってきますね  作者: 蜂谷わさび
第1章 人違いだったようです
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第1話

初投稿です。

温かく見守ってくださると嬉しいです。

気が付くと、見渡す限り白い空間に立っていた。


……あれ?私さっき大学行くために家を出たよね?玄関のドアを開けたところまでは覚えてるんだけど……え、夢?もしかして、玄関のところで寝てたりする?

なんて考えながら辺りを見渡してみるが、やっぱり視界に移る範囲は全て白い。

てか、私以外は全部白だわ。なんかここまで白い夢とか初めて見た。

──そういえば、なんか最近似た感じの描写がされた小説読んだなー。真っ白い空間に気づいたらいて、夢だと思ったら天使やら神様やらがきて、その人たちからチートな能力もらって異世界転移する話だったけど、結構面白っかった。私、異世界転移とかチート系の話、結構好きなんだよね。

なんて取り留めのないことを考えてたら、だんだん眠くなってきた。

最近寝不足だったし、この夢いつ覚めるか分かんないから、目が覚めるまで寝てていいですよね、うん。

白い空間に体を横たえて、いざ眠ろうと目を閉じようとすると。


「お待たせしてすみませんっ。遅くなりました!」


……誰だ、私の大事な睡眠の邪魔をしたのは。

声のしたほうをちょっと恨みも込めて振り向くと、そこには超絶美形な男性が2人、飛んでいました。

もう1度言います。飛んでいました。……いや、幻覚とかじゃないんですよ、本当に飛んでるんですよ。だって2人とも明らかに高いところから降りてくるし、2人とも背中に真っ白な羽とか生えてるんですよ。羽生えてるし、天使かな?

……え?まさかのテンプレな展開ですかね?


「すみません、お待たせしてしまって。退屈ではなかったですか?」

「え?いや、大丈夫ですけど……」


天使だと思われる2人の男性のうち金髪のほうが、人懐っこく微笑みかけてきた。

うわっ、美形の笑顔はそれだけで攻撃になると聞いたことあるけど、本当だったんだ。キラキラした微笑みが眩しすぎて直視できません。


「え~っと、こちらの都合でお呼び出ししてしまってすみません。取りあえず、短いものだったようですが人生お疲れさまでした」


人懐っこい笑みを浮かべたまま、金髪の天使が言った。

……はい?


「堅実な人生を歩まれた貴方にお願いがあってここへ呼んだんです」

「……いや、ちょっと待ってください。私は死んだんですか?」


お願いとか今どうでもいいんだけど。


「正確に言うと、まだ死んではいませんね。完全に死んでしまうとこちらからは何の手出しも出来なくなるので、貴方が死亡するちょっと前にここへ呼んだので」


つまり、これから死ぬのは決定と。


「え……なにそれ、待って……本当に私は死ぬんですか……?」

「えっと、はい、そうですよ?」


目の前の金髪天使は、え?何か問題でも?という顔をした。


呆然と金髪天使を眺めていると、それまで黙って立っていた灰色の髪の天使が金髪天使の頭を思いっきりはたいた。


「いたっ。ひどいです、先輩~」

「うるさい、ちょっとは考えてから喋れといつも言っているだろう。……すみません、この馬鹿が」


良かった、灰色の髪の天使はちゃんと常識があるみたいだ。


「いえ、大丈夫です」

「ありがとうございます。……それで話を戻しますと、貴方はあと少しで人生を終えることになっています。そんな貴方にお話があってこちらへ呼ばせてもらったんですよ、間宮鈴音まみやすずねさん」


…………はい?今この人なんて言った?

まみやすずね?

……誰それ。


「あの、私、間宮鈴音じゃなくて、雨宮鈴音あまみやりんねなんですけど……」


私の言葉を聞いた灰色の髪の天使は、はたかれた頭をなでていた金髪天使が持っていたファイルを奪い、広げた。


「……すみませんが、年齢をお聞きしてもよろしいですか?」

「え、はい。えっと19歳です。あと3か月くらいで20歳だったんですけど」


そう答えると、灰色の髪の男性はワナワナ震えだした。


「--リュークっっ!!」


灰色の髪の天使は金髪天使に向かって大声で怒鳴った。


「はいっ!?どうしましたか、ゼクス先輩っ」

「どうした、じゃないっ。お前、あれほど間違うなと言っただろうっ!?」

「えっ、何か間違いでもありましたか?」

「話を聞いてなかったのかっ!?」


うん、そっちの金髪天使、もといリューク(敬称なんて付けてやらん)は完全にこっちの話聞いてなかったよー。ゼクスさん?も苦労するね、こんな後輩持って。


「この方は間宮鈴音さんじゃなく、雨宮鈴音さんだそうだが?」

「えっ」

「えっと、雨宮鈴音、19歳です」


リュークが勢いよくこっちを振り返ったので自己紹介してやった。

……もうここまでくれば何となく事情は読めました。


「うそっ、まさかの人違い……?」

「そのまさかだよ、この馬鹿っ」

「すっすみません、先輩!!」


リュークはゼクスさんに勢いよく頭を下げて謝った。

お~90度というか、90度確実に超えてるね。体柔らかいね。

でもそれより私を元の場所に帰して欲しいんだけど。


「あの、お話し中すみませんが、人違いなんですよね?元の場所に帰してもらえないですかね?」


そう2人に声をかけると、2人揃って頭を下げてきた。








ちょっと短かったので、第2話とくっつけました。第3話と第4話もくっつける予定です。いきなりで、すみません。

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