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兄「しかし、そうだったのかー。誕生日会を開いてくれようとしてたのか」
友「うれしい?」
兄「うれしい。終わった今でも興奮冷めやらないぜ。ありがとう」
友「ふふっ、あとで妹ちゃんと後輩ちゃんにも言ってあげてね」
兄「ああ」
友「…………ねえ、兄。みんなにいつまで内緒にしておくの?」
兄「ああー。いったら、妹が悲しみそうなんだよなあ」
友「また、シスコン」
兄「違うって」
友「?」
兄「俺がシスコンになったのは、小さい頃にあいつが俺にべたべたくっついてきたからだよ。そうじゃなきゃ、普通の兄弟みたいに適度な関係を気づいていたはずさ」
友「そっかぁ」
兄「……でも、そうだな」
友「?」
兄「そろそろ、潮時かもな」
友「!」
兄「友、誕生日会ありがとな……この報告が伝えることがあるから」
友「なんでフラグ立てていこうとするのさ!?」
兄「冗談だよ」
友「……もう」
兄「これからもよろしくな」
友「うんっ」
兄「妹よ!」
妹「あっ、お兄ちゃん。どうしたの?」
兄「悲しいが、言わなければならないことがある」
妹「ま、まさか、お兄ちゃんが不治の病に犯されていて、寿命があと一日しかないとか?」
兄「それだったら、もうちょっと感極まった姿を見せてくれよ!」
妹「いつもどおりの私を見せるのがベストかなって思って」
兄「いくらいつもどおりだからって、毛の処理をしてる妹を見せられたら全然うれしくねえわ」
妹「仕方ないでしょ、女の子だから処理しないといけないの」
兄「それもそうだろうが……大事な話、聞いてくれよ」
妹「……そんなに大事なの?」
兄「いや、そうでもないんだがな」
妹「なにそれー」
兄「実は俺と友、付き合ってるんだ」
妹「へー」
妹「は?」
兄「付き合ってるんだよ。黙っててすまなかったな」
妹「ちょっと待ってて」
兄「? …………おぃぃいい!? 包丁もって何処に行く気だ!?」
妹「え? お兄たんを奪った豚のところだよ」
兄「いい間違いは可愛いけど、やろうとしてることがこわすぎぃ!!」
そのあと、どうにか頑張って妹の機嫌をなおしてもらう兄だった。
次で完結