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兄「俺はどうしたらいいと思う?」
友「どうしたらって……。どうしたいわけよ」
兄「もしかしたら不純な仲かもしれないだろ! 止めないと!」
友「それは過保護な気がするけどねぇ」
兄「いいや駄目だ! そんなことを言うやつらが風紀を乱すんだ!」
友「風紀委員でもないのにまぁ……」
兄「とにかく! 俺は後輩と妹に仲良くしてほしくない!」
友「本音は?」
兄「もっと俺に構ってほしい」
友「シスコンだねぇ」
兄「そ、そうだ!」
友「言い切るなら躊躇しても意味ないよ」
友は呆れたようにジト目で兄を眺める。
まったく、こいつは仕様のない男である。
目の前で熱く語る兄はそんな友の視線に気づくと、さらに興奮したように言葉を繋げる。
兄「おおっ! い、いいよその目! もっと俺を蔑んだ目で見てくれ!」
友「シスコンな上にどMの変態さんだもんね……」
あまりの鼻息の荒さに友はうっと眉をしかめる。
引き笑いを浮かべながら返事をする兄に友はため息をつきながら思う。
友「それがなきゃ顔もカッコイイし、すごくモテてただろうにもったいない」ボソッ
兄「ん? なにか言ったか?」
友「その耳みたいなものは餃子か? 噛みちぎるぞ」
兄「ありがとうございます! ありがとうございます!」
友「自分で言っておいてあれだけど、あんな意味わかんないので感謝されてもねぇ」