始まル、
嫌われ系が苦手・嫌いな方、お逃げ下さい!;
どうして僕は生きてるの?
考えても考えても、その言葉が頭の中をしつこくグルグルとまわっているだけで、答えには辿りつけない。
否、辿りつける筈がない。こんな、生きる事を半分諦めている人間に、出来る筈が無いのだ。
*****
ジリリリリ、と元気のよすぎる目覚まし時計が今日も僕を起こす。時間はきっかり午前七時。
学校に到着しなければいけない時刻は七時五十分。登校に掛かる時間、四十五分。
イコール、
「余裕で遅刻だ・・・。」
朝ごはんも食べずに、僕は家を飛び出した。
校門の前には、僕の苦手とする生活指導の中村先生が立っていた。
どうしてこんな昔みたいな事するのかな・・・。
ハァっと呆れ半分の溜息をついて、中村の五月蝿い説教を受けた。
結局、中村から解放されたのは、朝のホームルームが終わった後だった。
ガラッ
教室のドアを開けて自分の席に向かう。
・・・みんなの視線が痛いと感じるのは、気のせいだろうか。
「?」
なんなのだろう。
少し疑問に思いながらも、着席する。
「あのさ、鈴木さん。」
何かあったのかを訊く為、隣の席の女生徒、鈴木 夕佳に話しかけた。いつもなら答えてくれるのに、今日は反応すらしてくれなかった。
流石におかしいと思い、親友の佐竹 亮に休み時間に訊きに行った。すると、
「・・・話しかけるな。」
と睨まれた。
「ど、どうしたんだよ、亮?」
冗談だろうか。
・・・きっとそうだろう。
「つまんねぇ冗談、止めろよ。シラけるじゃん。」
いつもの調子で笑いながらそう言うと、次の瞬間僕の腹に鈍い、しかし凄い衝撃が走った。
「話しかけるなっつってるだろ。」
亮の顔は、見た事が無いくらい冷たかった。
何故?
亮の考えている事が全く分からなかった。
~昼休み~
「おめでとう、君は今日からみんなの標的だよ。」
みんなのまとめ役である、武藤 智に真顔でそう告げられたとき、僕は全てを悟った。
【虐めの対象になった】
という事を。
そしてまた、
【本格的に僕への虐めはスタートしてしまった】
という事を。