表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界金融帳実務録 ~転生銀行員が金融知識で成り上がる~  作者: しじむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/60

採用試験と合わない帳面#9

午後、俺が戻ってくると——窓口の前で、エリーゼとある穀物商が揉めていた。


「だから、さっき革袋のまま預けたって言ってるだろ!」


「でも、帳面にないんです……」


「嘘をつくな!確かに預けたぞ!」


俺は割って入り、短く聞いた。


「午前中ですね。担当は?」


「たぶん……ダリウスさんの時間帯です」


俺は引き継ぎ簿を開く。


——ない。


商人の名前も、シルバの枚数も記録されていない。

俺は商人に確認した。


「今の運用は、窓口の帳面に書くだけです。あなたの手元に残るものは受け取っていませんね?」


「もらってない。預けたらそっちが書くもんだろ!」


「その通りです。確認します」


俺はダリウスを探し、休憩室で問いただした。


「午前中、シルバを預けに来た穀物商を覚えていますか?革袋で、帽子は黒。声が大きい」


ダリウスは渋い顔でうなずく。


「来た気はするが……忙しくて、帳面に書き忘れた」


俺はため息を飲み込み、即座に指示した。


「推測で書かないでください。金庫方に当たって、現物で確定します」


金庫方に確認すると、黒紐の革袋が一つ保管されていた。

中身を数える。


「シルバ25枚」


ダリウスに引き継ぎ簿への追記をさせ、俺は窓口へ戻った。


「確認できました。午前中にシルバ25枚、確かにお預かりしています。申し訳ありません、記録漏れでした」


商人は鼻を鳴らした。


「だろうが!」


エリーゼがほっと息を吐く。

俺は小声で言った。


「……窓口記録だけの運用は限界だ。次は、揉めない形に変える」


そして、自分の窓口に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ