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死神と老婆の会話
「…しかし、何故あの子を庇うのだ?お前の子でもあるまいに」
「いいや。れっきとした、大切な我が子よ」
「血の繋がりすらない、赤の他人だろう。」
「血で繋がっていなくても、強い想いで繋がってるのよ」
「…戯けたことを。しかし、老婆心で教えてやるがな。今日お前がしたことはまるで無意味だ」
「そ。…でもそれが守らない理由にはならないわ」
「守れてすらいないと言っているんだ。」
「守られたその温もりを知っているだけで、人は強くあれるのよ」
「私という存在に対して精神論は無意味だ。」
「いいえ、人間っていうのはアンタ達が思っているよりもずっと強いのよ。…老婆心で教えてあげますけどね」




