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薔薇と魔物と魔法人形  作者: 蜜りんご
始まりにして終りの章
14/14

傷ついた王子は枯れかけた薔薇に出会った

 傷ついた王子は森の奥で、枯れかけた薔薇に出会った。

 王子から零れ落ちた血で、薔薇は息を吹き返した。

 薔薇は、貪欲に血を求めた。

 王子は命を手放しかけたが、魔を操る従者が立ちふさがった。

 王子を救うため、従者は薔薇に契約を持ち掛けた。

 薔薇はこれに応じた。

 王子は血の対価として薔薇の魔力を得た。

 契約により得た力で、薔薇と森は大いなる渇きを乗り越えた。

 王子は森の王となった。

 契約は、次代に引き継がれた。

 従者は魔法人形に契約を託した。

 薔薇もこれを了承し、魔法人形の心臓部には、王の血を吸った薔薇が埋め込まれた。

 主命により、魔法人形は血と契約の守り人となった。


 薔薇は、渇きを生き延びるための血を求めた。

 従者は王家の存続を、何よりも願った。

 魔法人形は、主命を忠実に果たした。


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