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薔薇と魔物と魔法人形  作者: 蜜りんご
終りにして始まりの章
1/14

王女は魔法人形に恋をした。

 森の奥に、薔薇を祀る王国があった。

 美しい魔法人形が、薔薇の守り人をしていた。

 ある代、世継ぎの王女が魔法人形に恋をした。

 王女は魔法人形に想いを告げた。

 王女は、薔薇を捨て、共に森を出ようと魔法人形に希った。

 魔法人形は、王女の求めに応じなかった。

 魔法人形は主命に基づき、薔薇と共に在ることを王女に求めた。

 王女は薔薇に囚われることを拒んだ。

 王女は、魔法人形を手に入れるために薔薇に火を放った。


 薔薇は対価を求めた――――。


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