哀愁の彼方に
グラスを傾け、微笑み合い楽しむ
深い意味も、期待もなく
旧知の友と日常の友とは違う
そんな時の流れを楽しむ
ただ、ひと時を大事にと
傾けたグラスの回数が
ひと時の流れを変える
グラスとともに心も傾き揺れ
カウンターのランプの炎は
哀愁に揺れる瞳を照らす
想いを届けることも
心を知ることも
目に見えない形のないものは
捉えようもなく苦しく
遥か昔に諦め逃げてきた
期待することも
信じることも
群衆の中に揉まれる日々に
幾度となく裏切られ、傷つき
泪も枯れて、歩みも止まる
それでも流れる日常に
一抹の希望は産まれる
深い意味も、期待もなく
一期一会の扉を
今日も開く