表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

なろラジ5参加作品

君との思い出が欲しい僕は、"秘宝の帽子"で姿を変える。

掲載日:2023/12/21

 初顔合わせは十歳の時だった。


 王子である僕の未来の(きさき)にと、紹介された女の子。

 イヴ・ドラン公爵令嬢。


 貴婦人や侍女達とは違う、同い年の女の子はとても可愛くて。

 どうしてよいかわからなくなった僕は、彼女に冷たく接してしまった。


 以来六年、関係を(こじ)らせ続け、彼女は僕に笑わなくなった。

 更に最近。


(想い人が出来たと聞く)


 侯爵家の息子ケイン。


(イヴが一層美人になったのは、恋のせいか?)


 彼女の幸せの為に、婚約を解消してあげないと。


 でも一度でいいから。

 僕に笑顔を向けて欲しい。


 それを思い出に、イヴを諦めよう。



 初代国王が王妃と結ばれたという王家の秘宝。


 被れば恋しい相手の姿に見えるという変身帽子を、僕は手に取った。


 そして偶然を装い、城下で花祭りを楽しんでいた彼女に声かけ、現在順調にデート中。


 帽子を被った僕は、ケインに見えてるんだろう。

 イヴはずっと、惜しみない笑顔を僕にくれている。


(みじ)めだ)


 ケインに向けた笑顔だとわかっていても、心弾んでしまう自分が。

 こうでもしないと、微笑んで貰えない自分が。



 花祭りで求めた花を、イヴの髪に挿していた時だった。


「暴走馬車だ!」


 大声に振り返ると、猛スピードの馬と馬車。

 咄嗟にイヴを庇ったが、僕らは盛大に転んだ。


「イヴ! 怪我はないか!」

「はい。殿下(・・)こそご無事ですか」

「平気だ」


(待て。彼女は今、僕を何と呼んだ?)


 慌てて見ると、帽子が(かたわ)らに落ちている。


 サッと血の気が引いた。


(変身が解けた! どう言い訳すれば)


「っ、これは……」

「この帽子は王家の秘宝ですね? すごく不思議」


「! 知ってたのか」

「我が家にも口伝があります。初代王妃様はドラン家のご出身でしたから」


(なん)てことだ。誤魔化しようがない)


 焦る僕に、イヴが続ける。


本心帽子(・・・・)。殿下のお心がわかり嬉しかったです」


(え?)


「僕がケインに見えてたりは?」

「なぜケイン様? 殿下はずっと殿下でした」


 彼女が言うには、帽子にはイヴへの好意の言葉が次々に(あらわ)れていたらしい。


 好きだ。嬉しい。美しい。


(うわぁ!)


 変身(ヘンシン)帽子と本心(ホンシン)帽子。

 確かに一字違いだが、両家で伝説が違ったのは事故か故意か。



「ずっと好きだった。素直に言えずごめん」

「私もです……。だからもし好きな方に見える帽子だとしても、やはり殿下に見えていたことでしょう」


 

 恋の噂は、イヴに横恋慕したケインが勝手に流した虚構(デマ)だったらしい。

 (ヤツ)は厳重にシメ、僕とイヴの仲は良好で。


 垂れ幕付き三角帽子を被った甲斐があった!



 お読みいただき有難うございました!(*´▽`*)


 hensinとhonsin スペルでも一文字!

 護衛とかは撒いてます。1000文字制限なのでカット。(;´∀`)


 2023.12.22.20:00ラスト部分改稿。

 帽子が三角帽になってしまった! 活動報告でいただいたコメントが衝撃過ぎて、どうしても頭から離れなくて! すみませんーっ(≧∇≦;)。マウスで描いた三角帽子絵。こんなかな?

 挿絵(By みてみん)

 名前の候補、ユール(冬至)とかあったのですが、悩んだ末に普通にケイン。そして殿下に至っては名前出ないという!(気の毒。ノエル(クリスマス)王子)

 勝手に身を引こうとする彼に、「いやもっと会話しようよ」って思ったのですが、10歳~16歳までのことなので、笑って許したってください。

 思い込みの激しい、照れやな思春期でした(王侯貴族だけど腹芸しない人たち)。


 今月22日は冬至、ゆず湯の日ですね。寒さが一層厳しい12月後半、皆様どうぞご自愛ください。

 挿絵(By みてみん)

 お話を楽しんでいただけましたら、下の☆を★に塗って送信くださると励みになります!! よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
良かったらコチラもよろしくお願いします!
短編が多いです!

・▼・▼・▼・▼・▼・
【総合ポイント順】
・▲・▲・▲・▲・▲・

・▼・▼・▼・▼・▼・
【新しい作品順】
・▲・▲・▲・▲・▲・

・▼・▼・▼・▼・▼・
【異世界恋愛+α】
・▲・▲・▲・▲・▲・

・▼・▼・▼・▼・▼・
【なろラジ5参加】
・▲・▲・▲・▲・▲・
・「サーラと魔法のたまご ~一日一度だけの魔法」(ゆるふわ童話)
・「私の幼馴染は、5年後の未来から死に戻ったそうです」(定番イセコイ)
・「三日月姫は、満ちる時を待っていた」(かっこよファンタジー)
・「文化祭後に、菊は咲かない」(サスペンスちょい怖)
・「雪山に、閉じ込められたから」(ほっこりラブコメ現代)
すべて1000文字均一!
― 新着の感想 ―
ヘタレヒーロー企画からの再読です。 二人とも可愛らしい♪ ハッピーエンドにほっこりしました! そしてケインとの関係……のデマだったのか!(笑) ケインはデマを流したのは悪いけど、おかげでヒロインとヒ…
[良い点] オチwwwwww [一言] 可愛い2人の話でした。自分の本心が垂れ流しとかwww死ぬwwwww
[良い点] 素晴らしき言い伝えのズレ! ……ハッ! これはまさか、ご先祖さま達がワザと……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ