83話 新たな仲間12
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「グルアァァァ!!」
「火魔法付与剣術スキル 《炎剣突撃》!!」
「グギャッ!?」
眼の前では魔物ランクCのギガントベアが、エリーナの放った剣術スキルによって胸部に穴を開け、煙を上げながらそのまま前方へ崩れ落ちた。胸部はえぐれて穴が開いていたが、焼け焦げていたため血があふれることはなかった。
無事に戦闘が終わり、エリーナに声をかけた。
「前と比べてどうだった?」
「ギガントベアは以前倒したことがあるが、ここまで楽に倒せる魔物じゃなかったはずだ。以前は4本腕の攻撃を防ぐのに手一杯だったが、修行の成果なのか剣を使って攻撃を楽にいなせるようになっていたぞ」
「修行の成果だね。後ろから見てたけど、剣の使い方が前よりも上手くなっていたよ」
ギガントベアと言えば、身長は2mから3mを超えないくらいの大きさで、4本腕で接近戦を好む熊の魔物だ。足は速く、敵を掴んでひねりながら千切ろうとしてくる魔物ランクCの魔物だ。
通常、距離を置いて魔法で対処するのが楽に倒すためのコツだが、エリーナは近接型の戦闘スタイルなので、このような倒し方となった。
エリーナの修行を始めて1週間。彼女がどれほど強くなったのかを実感させるために、魔物ランクCの魔物が出るところに移動した。そして、ほんの数分前に出会った魔物が先程のギガントベアだ。
修行によりエリーナのステータスはこのように変わった。
【修行開始前】→【1週間後】
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名前:エリーナ=ロンダルタント
年齢:19歳
種族:人間
性別:女
レベル:67→68
HP :342/342 →348/348
MP :146/146 →150/150
力 :120 →122
生命力:143 →148
知力 :72 →90
器用さ:56 →84
素早さ:108 →114
運 :63 →64
スキルポイント:75→6
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レベルは1しか上がっていないけど、それに対して、『知力』『器用さ』の上昇率が凄まじい。今までいかにさぼってきた分野だったかは一目瞭然だ。
『器用さ』が高くなると、力の込め方が上手くなるので、剣の刃の傾きや接触箇所を上手く扱うことができる。その結果、相手の攻撃を上手くいなしたり、剣の切れ味が増したりするのだ。
スキルポイントは『秘伝の技』を使って、新しいスキルを覚えさせたから、残りわずかになってしまった。
「ギガントベアは美味しいお肉だから、解体もやっちゃおうか。周りの魔物はこっちで対応しておくよ」
「了解した」
エリーナはその場で解体を始めた。ベア系の魔物の解体はすでに経験済みなので、腕の本数が変わろうとも、やり方はだいたい同じだ。
今回のギガントベアの体長は2mちょっとなので、人間に比べたら体格が大きい。解体には早くても15分以上はかかりそうだ。
私は周囲の状況をスキル《索敵》で警戒し、近づく魔物は遠慮なく葬り、《アイテムボックス》の中に放り込んだ。
「師匠、解体終わったぞ。どうだろうか?」
エリーナに呼ばれて解体されたギガントベアを見に行くと、きれいに部位ごとに分けられていた。ここ1週間しっかり練習した賜物だ。
「上手くできたね。じゃあこっちで収納しておくよ」
「師匠・・・忘れないように言っておくが、フロンダに全部は持って帰らないでくれよ?これは食べたいからな」
「も、もちろん大丈夫だよ」
修行初日にやらかした前科があるから、辺境の森の小屋にも置いていくように忘れないようにしないと。ギガントベアは美味しいお肉だから、食の恨みはなんとやらだ。後ろから斬りかかられないようにしないとね。
人物紹介
【スグル】
主人公。早川傑35歳が異世界転生した。冒険者ランクD。
【エリーナ=ロンダルタント】
王都調査員の護衛騎士だったが、スグルに弟子入りを希望。冒険者ランクA相当の実力があるが、冒険者支援制度(師弟関係)を利用するために冒険者ランクFとして登録した。




