77話 新たな仲間6
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エリーナの余っているスキルポイントを使用して、スキルをいろいろ修得させようと画策したけど、結局上手くはいかなかった。
自分のことならステータス操作で簡単に出来るけど、相手のこととなると出来なかった。でもまぁ今回はダメだったけど、追々いろいろ試してみようと思う。
エリーナの呆れた表情と付き合いながらの検討になるだろうが、私は師匠だし、多めにみてもらおう。
さて話は変わって、これから何をするかというと、手っ取り早く強くなるために、エリーナのレベル上げに行こうと思う。
「さっきの話はひとまず置いておいて、さっそくレベル上げをしようと思う。ただその前準備として『器用さ』を意識して上げてもらうよ」
「わかったが、どうすればいいんだ?」
「手っ取り早いのは魔物の解体かな。解体は今までやったことある?」
「も、もちろんあるぞ。道中で魔物を倒してその日の食事とすることもあるしな」
うん、嘘だな。ステータスは嘘つかないというか・・・たぶんやってはいるだろうけど、上手くやれてはいなかったのだろう。私だって最初は下手だったけど、数をこなしていくにつれ自然と上手くなっていった。
今日は解体祭りかな。
「じゃあまずは手本を見せるからそれを覚えてね」
「わ、わかった」
優しく話しかけたつもりだったけど、エリーナは顔を引きつらせて返事をしていた。そんなに嫌なのかな。
私はお構いなしに森の中へと進んでいった。
森の中に入るとすぐにラビットがいた。最初にこの魔物に出会ったときは、スキルを使用して倒したんだったな。今となってはいい思い出だ。
そんなことを考えながら散歩するように歩いていき、ラビットをナイフでさくっと倒した。弱い魔物なので、エリーナは驚くこともなく見ていた。
「エリーナ、今の魔物の最適な倒し方はわかる?」
「ん?心臓をひと突きしてやるといいんじゃないか」
「あ、そうですか・・・」
この返答を聞くだけでエリーナは解体を疎かにしていることは明らかだ。ラビットは、体に傷をつけず、頭の角に傷をつけず、その間の部分に攻撃するのがこの魔物の最適な倒し方だ。そうすることで、素材を余すことなく手に入れることができる。
エリーナに説明すると、なるほどと言ってラビットを狩り出した。お互いにかなりの数を狩り、マジックバッグに入れて小屋に戻った。
解体場に向かい、解体用のナイフを使って二匹のラビットの血抜きを始める。
「エリーナ。これからラビットの解体をしようと思う。私のやることを真似してみて。細かいところはその都度説明するけど、全体としては、刃物を肉の隙間に滑らせることを意識してみてね」
「わ、わかった」
血抜きを終え、解体作業に入った。エリーナの手付きはぎこちなく、皮と肉とその他の素材になんとか分けることはできたが、できた素材は綺麗とはとても言い難かった。
これがどこまで綺麗にこなせるようになるか、数をこなしてもらおう。
「・・・よし、エリーナ。私の手本をみながら、これに近づくように数をこなそうか」
「し、師匠。レベルを上げるために魔物を倒しに行かないか?」
「だめ。さぁやるよ!」
イヤイヤ顔のエリーナを軽くあしらい、解体を再開した。ラビットを3匹解体したが、まだまだ刃の使い方がイマイチで、粗が目立つ。
「そういえばエリーナは解体スキルはもってないの?」
「そんなものはもってないぞ」
かくいう私も最初は解体スキルは持っていなかった。スキルを使わずに数をこなして、気づいたら解体が上手くなっていた。
魔物と戦う上で、その魔物の構造を知るということは大切なことだ。構造を知れば自ずと急所がわかる。
解体スキルを使って解体すると、構造を理解せずとも素材を得ることができる。もちろん時短にはなるので、ある程度慣れてきたら、解体スキルでさっさと済ませるようにしている。
「じゃあ私が刃を動かしてみるから体で覚えてね」
「え、ちょっ!」
そう伝えてエリーナの手を上から握り、解体ナイフを動かした。エリーナは何か言おうとしたが、私は気にせず解体を再開した。
ナイフさばきを修得するには、実際の動きや斬る際の感覚を体験するのが一番手っ取り早い。
エリーナはどこかぎこちない表情したまま私と共に解体を進めていった。




