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68話 調査員4

閲覧いただきありがとうございます。

仕事の合間に作成しています。

週に2回は更新できるように頑張りますので、

応援よろしくお願いします(´-﹏-`;)

エリーナを引き連れて、辺境の森の小屋の近くにある広場へと向かった。一戦交えて満足してもらえれば、今後エリーナが私に付きまとうことはなくなるはずだ。


模擬戦ということなので、市販の剣で対応しよう。



「ここなら多少暴れても大丈夫でしょう。さて、準備はいいですか?」


「風魔法《疾風》!!」



エリーナがいきなり仕掛けてきた。風魔法を使用して不意打ち気味に私に近づいてきたが、何かしてくるだろうと警戒していた今の私には特に問題ない。



「剣術スキル《一刀両断》!!」


「剣術スキル《やなぎ流し》」



エリーナが使ったスキル 《一刀両断》は、力を込めた防御不可能の上段からの振り下ろしだ。下から剣で受けようと思っても、高確率で力負けしてしまう剣術スキルだ。


対する私が使ったスキル 《やなぎ流し》は、剣先で相手の剣を受け止め、剣の柄までの部分を利用して相手の力を斜め下へと受け流すスキルだ。防御不可能とは言っても、力で対抗しなければいくらでもやりようはあるのだ。


私の場合はそのスキルを利用してさらに相手の背後に回り込むように工夫している。



分が悪いと気付いたエリーナは互いの剣が当たると同時にスキルをキャンセルして、後ろへと飛び退いた。



「火魔法《炎弾連舞えんだんれんぶ》」


「水魔法《水滝障壁すいろうしょうへき》」



周りが森にも関わらず、エリーナは構わず火魔法を使用して、9つの火の玉を私めがけて連続で放ってきた。


私が避けた後のことを彼女は考えているのだろうか。森や小屋が燃やされては困るので、私は水魔法で消火しつつ、相手の火魔法を受け止めた。



視界が水しぶきで遮られたのを見ると、エリーナは再度接近を試みて剣で攻撃してきた。


スキルを使用していなくても、素早い体捌きで剣を振り下ろしてくるエリーナはやはり強いと思う。ただ、私は慌てずエリーナの剣を捌きながら話しかけた。



「火魔法を躊躇なく使ってましたけど、周りが森ということわかっていますか!?」


「ええい、うるさい!剣術スキル《竜爪連撃りゅうそうれんげき》」



私はエリーナの放った斬撃を剣を振ることで生じる風圧で軽くいなした。力技でもある程度スキルに対抗することは可能なのだ。



それにしても自分の欲求を満たすのを優先して、周りのことを気にかけないこの感じ。なんだろう、ちょっとイラッってしてきたぞ。



「エリーナさん、これはあくまで模擬戦ですよ。周りに被害を出さないような配慮をお願いします!」


「・・・火魔法付与剣術スキル《火炎スラッシュ》」


「あっつ!」



話しながら対処していたので距離が近く、炎の熱風が私を襲ってきた。火魔法メインの戦闘スタイルなのだろうか。もしくは私に注意されたことに対する当て付けなのだろうか。



「火魔法は禁止にしましょう!」


「・・・風魔法 《かまいたち》」



火魔法を禁じ手にすると、すぐに別の魔法を使ってきた。かろうじてルールを守ってくれたのだろうか。不可視の風の刃が私目掛けて飛んできた。


不可視といっても、注意して見ると風景がズレてるところがあるので、慣れると避けるのは容易だ。



そろそろこちらから仕掛けよう。



「風魔法《風手裏剣》」



全部で8個の風手裏剣を致命傷を避けつつ、四方から狙いを付けてエリーナに放つ。エリーナは剣で風手裏剣を弾いていたが、すべてを捌ききれずにいくつかダメージを負っていた。



「はぁはぁ」



連続した攻防でエリーナは息を切らしていた。体のあちこちに切り傷や擦り傷が出来ていて、見ているこちらが痛々しいぐらいだ。



「・・・もう終わりにしませんか?」


「まだだ・・・剣術奥義《王斬乱舞おうざんらんぶ》」


「!!」




奥義シリーズ。


スキルを習得する上で決められたスキルをすべて習得することで身につけられるスキルだ。



例えば今回の剣術奥義《王斬乱舞》は、《乱れ斬り》、《竜爪連撃》、《一刀両断》、《流し灯籠》、この4つのスキルの習得が必要となる。


これらを身につけることで、はじめて《王斬乱舞》を修得する資格を得るのだ。その後も修行して鍛錬するのだが、奥義スキルが身につくかどうかは確定事項ではない。身につく人がいれば、身につかない人もいるのだ。


エリーナはまだ若そうに見えるのにもう奥義スキルを身につけている。すごく鍛錬したのだろう。



この《王斬乱舞》は、体を動かしながら防御不可能な斬撃を連続で浴びせることで相手に致命的なダメージを与えるスキルだ。剣を振ってる姿が舞いを踊っているように見えるのが特徴的だ。


殺傷能力のあるスキルは使用禁止と伝えたはずなのに、エリーナはどういうつもりなのだろうか。



そもそもなぜ私がこのスキルの内容を知っているのかというと、実は私もこの剣術奥義《王斬乱舞》を修得しているからだ。私の場合はスキルポイントを消費することで一瞬で身につけることができるという利点がある。



何が言いたいかというと、私はこの剣術奥義は初見ではないということだ。



つまり、私であれば対処が可能なのだ。逆にいうと私でなければ相手は致命傷を負ってしまうということだ。


あれ?ということは、これはルール上は許容範囲なのか?いやいや、これはあくまで結果論だ。防御不可能な時点でアウトでしょう。


私はお仕置きの意味も込めて、あるスキルを使用した。

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