63話 飲み会1
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「お前ら、こっちこっち」
ドナートさんの行きつけの食事屋さんに入ると、すでにドナートさんが席に座っていた。私とアルトさんが冒険者ギルドに行ったり、宿屋確保をしているうちに仕事が終わったのだろう。
「すみません、遅くなりました」
「気にするな。とりあえずなんか頼むぞ。飲み物はエールでいいか?」
「俺はエールで」
アルトさんはお酒を飲むようだ。そういえば異世界ではお酒は何歳から飲んていいのだろうか。前世では「お酒は二十歳から」だったけど、そこのところはどうなんだろうか。
「すみません、お酒って何歳から飲めるんですか?」
「何歳からでもいいぞ。冒険者になれるぐらいの歳なら大人と見なして飲んでるやつが多いな。ただスグルは見た目が子供だからなぁ。でもまぁ大丈夫だろ」
前世では体に取り込まれたアルコールは、肝臓などで自力で分解しなくちゃいけなかったが、異世界には回復魔法がある。何かあったとしても、不思議パワーで解決できるんだろうな。
でも意図的に状態異常にする必要はないだろう。アルトさんはエールを頼んだが、私はジュースにしておこう。
ファミレスに行くとドリンクバーを頼んで、ジュースといっしょにご飯を食べることも良くあることだし、飲み会に行っても車のドライバーはソフトドリンクを頼んだりするしね。
「スグルはやっぱりジュースか。それがいいだろうな。ふふ」
・・・ドナートさんにニヤニヤされたのは納得いかないけどね。
食べ物をいくつか頼み、ドリンクが揃ったところでドナートさんが乾杯の音頭をとった。
「まずは無事に帰ってきてくれてありがとう!いろいろあっただろうけど、まずはお疲れさん!乾杯!」
「「乾杯!!」」
出てきた料理を食べながら、『冒険者成りすまし事件』について、私とアルトさんでドナートさんに説明した。
「そんなことがあったのか。マジかよ、それじゃあ街に入るときのチェック意味ないじゃねぇかよ」
ドナートさんが言うには、門兵という仕事は街の安全を守るフィルターの役割を担っているそうだ。門を通る際にチェックするのは身分証のみだが、実際は顔と名前、人柄などを各自で覚えるように指導されている。
個人の力量に頼るやり方なので、新人門兵には当然無理で、1人前になるのには年単位の時間がかかると言われている。
「街を出ていった冒険者が戻ってきさえすれば、俺が成りすましに気づいたのによ」
ドナートさんはかれこれ10年以上門兵として仕事をしているそうだ。この街を出入りする常連さんの人相は頭の中に入っているらしい。
私にはたぶん無理だな。名前と顔を一致させるのがどれだけ大変なことかは、学生時代に身にしみて分かっている。クラスの皆のフルネームを覚えるだけでもどれだけ時間がかかったことか・・・
この道のプロはすごいなと改めて実感した。
「あ、みんなここに居た!私に会わずに行っちゃうなんてヒドいよ」
この席に近づいてきて突然声をかけてきたのは、冒険者ギルドで受付を担当しているミレイさんだ。
「すみません、話しかけようと思ったんですけど、行列が出来てましたので・・・」
私がそういうと、ミレイさんはしばらくむっとしたが、ドナートさんが頼んでくれたエールが届くといつもの明るい顔に戻ってくれた。
「それじゃあ改めて、みなさん。スグルくんとアルトくんの無事を祝して、乾杯!」
「「「乾杯」」」
ミレイさんの音頭で乾杯をしたあと、ミレイさんから今回の護衛依頼について根掘り葉掘り聞かれた。私とアルトさんはそれぞれ答えながら、美味しい料理やお酒を飲みつつ、ドナートさん含め楽しい時間を過ごした。私はもちろんジュースだけどね。
「何はともあれ、依頼受けるときにアドバイス出来なくてごめんね」
「気にしないでください。冒険者ランクDに上がったので、いろんなことにも対処できなきゃいけないですので」
「そう言えばここだけの話だけどね、今回の件について、王都の方から調査員が派遣されてくるらしいわよ」
なにやらフラグが立ちそうな感じだ。




