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48話 護衛依頼9

閲覧いただきありがとうございます。

仕事忙しくなり更新が遅くなりすみません。

2日おきには更新できるように頑張りますので、

応援よろしくお願いします(´-﹏-`;)

「次の方どうぞ〜」


順番がきて山脈都市マトンの門兵に呼ばれた。さて、どうしたものか。他に選択肢はないだろうし、覚悟を決めて行くとしよう。


「アルトさん、門兵に説明してきますね」


「スグルくん、盗賊に襲われたときから何も出来なくてごめんね。詳しい説明も必要だろうし、ここは見張っておくから行っておいで」




馬車を門の横につけて、私は門兵のところへ向かい、事情を説明した。馬車の荷台に盗賊が乗っていることがわかると、門兵は衛兵を呼んで馬車を取り囲み、中から1人ずつ出して拘束していった。



「おい!俺は冒険者だ!縄を外してくれ!!」


「事情聴取で問題なければ解放するから、それまで大人しくしていろ!」



ランドが悪あがきをしていたが、衛兵は気にせず拘束した。商人たちも拘束されて、盗賊たちや『暴風』のメンバーといっしょに連れて行かれた。


馬車の中に人がいなくなったことを確認すると、もともとあった荷物をマジックバッグから取り出し、馬車の中へ戻しておいた。これらも証拠品として押収されるらしい。



そして、私たちはしばらくここで待たされることになった。どれくらい待たされるのかはわからない。ある意味、私たちも容疑者なのかもしれない。ただ、盗賊を捕まえた側なので無下にはされないだろう。



「アルトさん、退屈になりましたねぇ」


「そうだね、どうしようか」



私たちは他の人の邪魔にならないように、山脈都市マトンの門の前のひらけた場所に座っていた。目の届く範囲にいるなら、外で待っていてもいいと言われたからだ。室内にいても退屈だから、景色でも見ようと思い、外で待つことにした。


山脈都市というぐらいなので、標高は高くなっている。山道じゃなくて平地であれば、もっと早く着いていただろうに。もうすぐ夕暮れ時だ。


周りを見渡すと、山を下ったところに広大な大地が見える。その右手には平地が広がり、遠くの方には街が見えた。左手には森が広がっていた。おそらく辺境の森だろう。眺めのいい景色が広がっていた。




そういえば、異世界にはこういうときに役立つ娯楽は何があるのだろうか。暇を持て余すのはもったいない。


「アルトさん、こういったときは何をして暇を潰していますか?」


「んー、ぼーっとするか、お酒を飲むか、寝るか、かな。あとはトレーニングだね」 


冒険者の場合、そんな感じなのだろう。簡単にできる手遊びとかはないのだろうか。


「私の故郷には、手遊びがあるんですけど、グー、チョキ、パーってわかりますか?」


「いや、知らないな。なんだいそれは」


手を使ってグー、チョキ、パーを見せてみたが、どうやら異世界にじゃんけんはないのかもしれない。普通は、石、ハサミ、紙に例えるけど、このまま広まると私が異世界人だとバレてしまうかもしれない。こっちの世界にあるもので例えると・・・


「グーは石で、チョキは魔物の牙で、パーは素手の例えですね。素手だと魔物の牙に噛みつかれてしまいますので、パーとチョキだと、チョキの勝ちですね。でも魔物が石に噛みつくと牙のほうが負けてしまいますので、チョキとグーだと、グーの勝ちですね。石と素手だと石を持ち上げて捨てることができるので、グーとパーだと、パーの勝ちですね。同じものを出した場合は、あいこで引き分けになります。地方によっては例えが変わるかもしれませんが、大体はこんな感じです」


「へー、スグルくんは面白いこと知っているね。よし、やってみよう」


アルトさんが乗り気になってくれた。2人はその場で立ち上がり、私にアドバイスされたように構えをとった。


「では、いきますよ!」


「「最初はグー、じゃんけんポン!!」」


アルトさんはパーを出し、私はチョキを出した。アルトさんは初めてのことなので、ぎこちない動きではあったが、形にはなった。


「これは俺の負けってことかな。よし、もう一回勝負だ!」




それからアルトさんと何度もじゃんけんをして遊んだ。山脈都市マトンに入ろうとする人たちが、なんだろうかとチラチラ横目で見ていた。すると商人だろうか、1人こちらに歩いて話しかけてきた。


「すみません、なんだか楽しそうですね。良ければ私にも教えてくれませんか」


「いいですよー。じゃあ今度は3人でやってみますか」


3人でじゃんけんすると勝ち負けで順位がつく。冒険者のほうが直感や反応速度が早いから勝ち越すかなと思ったけど、意外にもアルトさんより商人のほうが勝っていた。きっと駆け引きが上手いのだろう。もちろん1位は私だったけどね。ただこれは経験の差なので、あとあと抜かれるんだろうな。



周りにいた護衛の冒険者たちも、見様見真似でじゃんけんを始めた。皆、初めてのことなので勝ったのか負けたのか、わかるのに時間がかかったが、しだいに慣れてきて勝ち負けを競うようになってきた。


こういう風に皆で同じ遊びをすると、初対面でもなんとかなるものだな。じゃんけんしようってことで、話しかけるハードルがぐっと下がる。皆、仲良くしてくれるといいが、勝ち負けがあるということは、ズルをする人が出てきてそのうちいざこざが増えるので、どうなることやら。







皆でじゃんけんを始めてしばらく時間がたった。夕日ももうすぐ沈みそうだ。向こうから1人の男性が歩いてきた。



「君がスグルくんかね、こんにちは。私はこの街の衛兵の副隊長をしているニグルだ。盗賊の件もそうだが、この人だかりのことについても詳しく話を聞かせてくれるかな」



お偉いさんが来たようだ。笑顔がなんか怖い。


周りを見ると20人ぐらいの人たちが、思い思いの相手とじゃんけんをしていた騒いでいた。もうすぐ夜なのに都市の中に入らず何をしてるのかと思ったのだろう。


私は悪くないはずだけど、説明を間違えると反省文を書かされそうな雰囲気だ。さて、どう説明したものか・・・

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