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47話 護衛依頼8

閲覧いただきありがとうございます。

仕事忙しくなり更新が遅くなりすみません。

2日おきには更新できるように頑張りますので、

応援よろしくお願いします(´-﹏-`;)

「アルトさん、着きましたね!」


盗賊騒動のあと、馬車でさらに2時間ほど進んで、ようやく山脈都市マトンに到着した。名前の通り、途中からは山道に変わった。周りには背の高い木々が増えてきて、いかにも山の中にありますといった感じだ。


そして山の中にあるにも関わらず、マトンはかなり大きな都市のようだ。昔の人たちが木を切って森を切り開いていったのだろう。立派な都市を形成している。




ランド含め無力化した盗賊たちは、手足を縛って2台の馬車へと放り込んでいる。もともと馬車の中に入っていた荷物は、私のマジックバッグに一時避難させている。もちろんあとでお返しするつもりだ。


今回の護衛依頼の商人たちだが、結論から言うと商人たちはグレーでシロではなかった。ランドたちの行為を見てみぬ振りしていたのだ。話を聞いてみたら、仕方ないことだったとは思うが、気持ちのいい話ではなかった。





商人たちは、辺境の街フロンダと山脈都市マトンを行き来して商売をしていた。道中、魔物や盗賊が出るので毎回護衛依頼を出し、冒険者たちに守ってもらっていた。ランドたちもその護衛依頼にたびたび参加していたそうだ。


そしてランドたちが護衛依頼に参加して何回目かのある日、事件が起きた。当時の護衛メンバーは、今回と同じように『暴風』の4人とソロ冒険者2名だった。今回と同じぐらい進んだところで、盗賊が20人ほど出てきたのだ。


「おい、盗賊が出たぞ!!」


「数が多い、こりゃ降参したほうがよさそうだな」


ソロ冒険者の2人は盗賊たちに降参するつもりだった。通常、降参した場合、積荷は奪われるが命は助かる。というのも、降参した冒険者をもしも殺した場合、危険とみなされてギルドから盗賊の討伐依頼が出されるからだ。



2人の冒険者は両手を上げて馬車から降りてきた。


「俺たちは降参する!命は助けてくれよな!」


「いい心掛けだな!馬車から離れたところに座ってろ!変な真似はするなよ」


「ちょっと待ってください!護衛依頼を受けてるのであれば、積荷を守ってくださいよ!」


商人たちは反発したが、冒険者は戦う意志を見せず馬車から離れていった。商人は盗賊の数を見て、しぶしぶ諦めたそうだ。盗賊たちはヘラヘラ笑っていた。2人の冒険者は馬車から少し離れたところへ行き、その場に座った。ランドたち『暴風』のメンバーも後ろからついて来ていた。商人や御者もそれについていった。




「うっ!」



突然、冒険者の一人が声を出した。どうしたのかと横を向くと、冒険者の背中側から、ランドが剣を突き刺していた。


「なっ!?何をしてる!?」


「見りゃわかるだろ。お前らはもう用済みなんだよ」


動揺しているもう1人の冒険者を、ランドの仲間が背中から切りつけた。必死に抵抗しようと反撃を試みたが、『暴風』メンバーによる数の暴力には勝てなかった。




かしら、これで良かったんですよね?」


「おぅ、よくやった!俺が苦労して冒険者ランクCまで上げたかいがあった」




かしらとは、ランドのことだった。彼は表向きは冒険者ランクCだが、実は盗賊たちのリーダーだったのだ。彼がなぜ冒険者を殺すという危険を犯しているのかというと、ギルドカードを奪うためだ。


ここからの話は長くなるのだが、順をおって説明していこう。



まずギルドカードだけを盗めばいいじゃないかと疑問に思うかもしれないが、それだとその人物が生きているうちにギルドカードを再発行されてしまう。そして別々の街でギルドカードの使用履歴がついてしまうと、なりすましがバレてしまう危険性がある。


つまり奪う相手は殺す方がいいというわけだ。そして、その人物になりすましすることで、殺されたという事実はなかったことになる。



なりすまししても、顔が違うからバレるじゃん、と思うかもしれないが、これが案外とバレないものらしい。


冒険者ランクDになると、護衛依頼で別の町に行く機会が増えてくる。もともといた街で顔を知られていても、護衛依頼で出向いた新たな街では、まだ顔を知られていないことが多い。さらに離れた街に行くとほぼ初対面だ。ランクDの行動範囲はまだまだかなり狭いのだ。


なので、その人の行動範囲だった街にさえ行かないように気をつければ、意外とバレないらしい。



次に誰がなりすましをするのかというと、もちろん盗賊たちだ。過去に事件を起こして冒険者資格を剥奪された場合、再登録は出来ない。なりすましすることで、別人として第二の人生を生きていくのだ。盗賊から足を洗う際にはもちろんそれなりの見返りをいただく。


他にも貴族にギルドカードを売る場合もある。貴族の名前を隠すために、別人になりすますことが必要な場合があるのだ。正規ルートで名を隠して冒険者登録をすることもできるが、足がついてしまうので裏ルートで対応する貴族もそれなりにいるそうだ。



冒険者ランクCまでランクを上げたのは、護衛依頼のリーダーになれるからだそうだ。護衛依頼で自分が主導権を握ることで、他の冒険者の行動を制限できる。万が一、返り討ちにあう可能性を減らすためだ。


商人たちはこの現場に出くわしたせいで、ランドたちにいいように使われていたそうだ。




大まかな内容はこうなっている。今までにかなりの人数が、なりすまし被害にあっているそうだ。私にできることはここまでかな。主犯格を捕まえたわけだし、あとは冒険者ギルドや街の衛兵などの仕事だ。




まだ山脈都市マトンの中にすら入れていないから、ここからが長いんだけどね・・・

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