42話 護衛依頼3
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翌日、護衛依頼の集合場所へと向かった。アルトさんのアドバイスをもとに、あらゆる事態に対応出来るように準備は万全だ。ドンとこいだ。
集合時間には早めに向かったつもりだったが、どうやら私が一番最後のようだ。しまったな、もっと早く出れば良かった。
馬車は2台あり、商人と思われる人たちが荷物のチェックをしていた。その周りで冒険者たちはそれぞれ時間を潰していた。
「おいおい、護衛なのに重役出勤がいるぞ」
「こんなんで大丈夫かよ。先行きが不安だぜ」
『暴風』のメンバーだろうか。さっそく野次が飛んできた。集合時間には間に合ったはずなのに、みんな来るの早すぎだろ。
「スグルくん、おはよう。今日は頑張ろうね」
「アルトさんおはようございます。頑張りましょう」
アルトさんがいてくれて良かった。他の人は初対面だから、まずはお詫びからかな。集合時間には間に合っているけどね。
「みなさん、遅くなってすみません。冒険者ランクDのスグルです。今日はよろしくお願いします」
「俺は『暴風』のリーダーのランドだ。今日の護衛依頼でのリーダーを任されている。俺の指示には従ってもらうぞ、いいな?」
「了解しました。あちらの方々は今回の依頼主ですか?」
「そうだ。依頼主とのやりとりはすべて俺がやるから余計なことはするなよ」
護衛依頼のリーダーとして依頼主とやりとりする、そしてメンバーに指示出しをする、ごく普通のことだ。だけどなぜだろう、なんか引っかかる言い方だ。ところどころの仕草がイラッとする感じだからだろうか。
ランドの体型はお腹に肉がついており、丸みを帯びたフォルムで運動不足と言われても仕方がないような、いわゆるだらしない格好をしていた。顔には無精髭が生えており、山賊と言われても納得してしまいそうな顔立ちをしていた。
「みなさん、準備は出来ましたか?そろそろ出発しようと思いますが、いいですか?」
商人が声をかけてきた。ランドたち『暴風』のメンバーは返事をして後ろの馬車の荷台へと乗り込んでいった。
それを真似して私とアルトさんも荷台に乗り込もうとすると、前の人にアルトさんが突き飛ばされ、それの巻沿いで私まで馬車の後ろへと押し出されてしまった。
「何乗り込んでやがる!護衛なら馬車の横を歩けよ!」
あれ、どういうことだろう。今乗り込んだ『暴風』のメンバーも同じ護衛のはずだよね?私はイラッとするのをなんとか抑え、冷静を装って質問した。
「わかりました。後ろの馬車にならんで歩くといいですか?ペース配分を考えたいのですが、交代はいつ頃になりますか?」
「お前ら2人で左右に別れて馬車に着いてこい。交代するときは俺が指示出しするからそれまで黙って護衛しろ!今のうちから休憩のことなんか考えるな!」
なんと強引な指示出しだ。話し合いすら出来ないとは。私のステータスでは何日走ろうと余裕だけど、アルトさんは大丈夫かな。なんか変なのに巻き込んでしまって、申し訳ない気持ちになってきた。
「アルトさん、あの人たちヒドイですね。どうしましょうか?」
「リーダーの言うことはまだ常識の範囲内だから、指示に従うしかないかな。かと言って、指示のすべてに従うほど信頼すべきではないから気をつけておこう」
「了解しました。荷物も荷台に置いておくと盗まれそうですし、不安ですよね。ここだけの話、私、マジックバッグ持っているのでアルトさんの荷物も私が預かりましょうか」
「スグルくん、試験のときから思ってたけどすごいね。マジックバッグをもっているなんて、ランクDではあり得ないよ。なんかあっという間に追い越されそうな気がしてきた」
「ははは」
乾いた笑いでごまかしながら、アルトさんの荷物を預かった。フロンダの街にいる間、馬車はゆっくりと進んでいたが、街の外へと出ると、次第に速度が上がっていった。なんか嫌な予感がする。




