閑話 計算違い
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フロンダの街中に現れた『小さな魔石』由来の魔物を、ステリアは順調に倒していった。
(住民へのアピールも順調ね。このまま何もなければいいけど・・・)
街中に出た魔物はスネーク系ばかりだった。それもそのはずで、ステリアは『小さな魔石』を調達するとき、組織にスネーク系の魔物限定で依頼をかけていたのだ。魔物ランクBからCのスネーク系であれば、ステリアはソロで討伐が可能だ。準備に抜かりはなかった。
次の場所へと移動して魔物を探したが、最初に3体のスネーク系の魔物を倒してからは、すでに討伐された魔物に出会う回数が急に増えた。
街中であっても冒険者はいたる所にいる。緊急事態であれば、依頼がなくても危険度を鑑みて魔物の討伐をすることがある。そのためなのか、すでに討伐されている魔物もいた。
そこまでは予想していた。
思いがけないことと言えば、討伐速度が予想以上に速いのだ。ステリアはこの状況に疑問を持った。冒険者の数は多い。しかし、魔物ランクBからCに対応できる冒険者となるとその数はぐっと減る。
私と同じように誰か高ランクの冒険者がこの街にいたのかもしれない。そう思い、魔物の素材を回収している人たちに訪ねてみた。
「魔物が突然現れて、急いで逃げなきゃと思ったけど、気付いたら倒されてたんだよ。いったい誰がしてくれたんだか・・・」
「これかい?仮面の人が倒して、そのままどこかに行っちまったよ」
「この魔物は俺たちが倒したんだ!横取りはさせねえぞ」
3箇所で話を聞いてみたが、共通点は特になさそうだ。仮面の人?とは誰かしら。ちょっと気になるけど、先を急がなくちゃ。討伐されてしまっては実績が作れなくなる。魔物を探すために移動速度を上げた。
まだ生きている魔物を探して移動していると、前方から戦闘音が聞こえていた。
「応援はまだか!?もう持たねぇぞ!!」
「なんで街中にこんな魔物が!!危ない!火魔法 《ファイアランス》」
「ここで火魔法を使うな!!火事になるぞ!」
冒険者たちが戦っていた。現場は慌ただしくしており、負傷者もいた。ステリアはまだ魔物が倒されていないことを喜び、加勢に向かおうとしたが、急いで物陰に隠れる行動に出た。
(え!?なんであんな魔物がここにいるのよ!)
目の前に見えたのはスネーク系の魔物だが、単色ではなかった。少なくとも3種類の色が確認できた。すなわちこの魔物の名前はこれだ。
『レインボースネーク』
スネーク系の魔物を調べたときに知ったことだが、体にある色の数で魔物ランクをある程度予想することが出来る。今回の場合は3種類の色が見えたので、属性を3つ持つ。魔物ランクはおそらくAだ。
(依頼していたのとは違う『小さな魔石』が混ざっていたの!?私には手に負えない魔物だわ、どうしよう・・・)
予想外の魔物の出現に、ステリアはどう対処しようか悩んだ。魔物ランクAを倒せるのは冒険者ランクSの人たちだが、フロンダの街に今いないはずだ。
ひとまずギルドマスターに報告しようと思い、その場を去ろうと立ち上がった。すると不意に横を風が通り過ぎていった。何?と思い、レインボースネークを見ると、魔物の周りに黒い球体が浮いていた。
(あの黒い球体はなに?)
レインボースネークが水魔法を使用した。狙いの先にいるのは、黒いローブを着た人だった。後ろ姿なので顔は見えないが、直撃を受けてしまったらこの人はもう助からないと瞬時に思った。
しかし、ローブの人は水魔法の直撃を受けているのに、何事もなかったかのようにそのまま移動を続けていた。
(え!?どういうこと!?)
後ろ姿しか見えていないので、何が起こったのかがわからなかった。レインボースネークは水魔法を解除して、今度はローブの人の足元に土魔法を使用した。
ローブの人はそれを避けようとジャンプをしたが、レインボースネークは狙ったかのように風魔法を使用した。風の手裏剣がローブの人に向かって放たれた。
(やられる!?)
思わず目をつぶりそうになったが、ステリアは冒険者ランクBということもあり、現実を受け止める度胸を持ち合わせている。ローブの人がどうなるか目を凝らして見ていた。すると信じられない光景が現れた。
(え!?ローブの人も風の手裏剣を出した!?)
ローブの人が出した風手裏剣とレインボースネークが出した風手裏剣が互いにぶつかり、何事もなかったかのように消滅した。
(相殺した!?あり得ない、なんて技量なの!?)
驚きもつかの間、レインボースネークの周りに黒い球体が接近してきた。レインボースネークは、周りに土壁を作りそれを防いだかのように見えたが、土煙が舞い上がって視界が悪く、はっきりとは見えなかった。
ステリアはレベルの高い一連の出来事に啞然としてしまい、ふとローブの人を見失ってしまった。
風が吹いて視界が開けてくると、レインボースネークの周りに出来た土壁はそのままの形で残っていた。しかし、戦いの音はすでになく、魔物の気配も感じられなかった。




