31話 独自調査3
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「聞いてるのか!?肩にかかえてるその人はどうした!?お前は誰だ!?」
フロンダの街の門兵であるドナートさんに怒鳴られてしまった。現在の私の格好は、お面に黒のローブに赤髪という、いかにも怪しい格好だ。それに肩には手足を紐で縛ったナターシャを抱えている。明日何かが起こるという焦りで、凡ミスをしてしまったようだ。
(どうしよう・・・こうなったら行き当たりばったりだ!)
声質をいつもよりも低い感じにして話しかけてみた。
「危害を加えるつもりはない。明日『小さな魔石』で危険なことが起こるらしい。こいつはその関係者だ。俺は今からその対処に当たる。後は任せた」
簡潔にそう伝えるとスキル《身体強化》を使用して、ドナートさんの近くにナターシャを下ろした。
「おい!待て!どういうこと・・・」
その後、ドナートさんの返事を待たずにその場を離れた。これでちょっとはごまかせたはず。あとは上手くやってくれることを期待しよう。
森の中へと戻り、『小さな魔石』の回収を始めた。変装しているので、見られても気にしない。生活魔法《収集》《分別》を使用して地道に行った。もちろん壊れた武器などの金属類も忘れずに回収した。後で再利用しよう。
浅瀬から奥の方に向かって進んでいったが、ランクEの魔物のところで夕暮れ時となってしまった。だいぶ回収出来たと思うが、逆に言うと、これをバラまいた冒険者もそれなりの数がいるということだ。なんとも由々しき事態だ。
変装をといて、フロンダの街へ帰ろう。
夕方遅くになったので、ドナートさんは門のところにいなかった。その後どうなったのか、冒険者ギルドにいって話を聞いてみようかな。
冒険者ギルドの中に入るとミレイさんとドナートさんがいた。2人でお話しているようだ。私の姿を見つけるとすぐに話しかけてきた。
「スグル!無事だったか。変なやつに会わなかったか!?」
変なやつとは、もしかして変装した私のことだろうか。疑われないように返答しておこう。
「お面を被った人ですか?見かけたんですけど、なんか急いでるみたいで、あっという間にいなくなりましたよ」
「何もなかったのなら良かったわ。『小さな魔石』関連で仮面の人から情報提供があったのよね。明日何かが起こるらしいって。ホントかどうかはわからないけどね」
「へーそうなんですね。てことは『小さな魔石』は危険なものってことですか?」
「今の段階ではわからないわね。今日緊急依頼をかけていくつかのパーティに辺境の森を調べてもらったんだけど、『小さな魔石』が出てこなかったのよ。その代わりに葉っぱの山がいくつも出来ていて、なんか気味が悪いのよね」
もしかして私が回収したところを、後から冒険者が調査したのかな。しまったな、多少魔石をそのままにして現場保存しておけばよかった。私が関わったことで、謎が増えてしまったようだ。ちょっとフォローを入れとかないと。
「もしかして仮面の人が先に『小さな魔石』を回収たんじゃないですか?仮面の人の近くに葉っぱの山があるのを見かけましたよ」
「それならいいんだけどね。別の意味合いがあったら怖いわね。念のため明日も警戒だけはしておくつもりよ」
「この前の街の掃除で『小さな魔石』を見つけましたけど、やっぱり街の方にも魔石が落ちてたりします?」
「街中はいろいろ入り組んでいるから見つけにくいのよね。こちらも緊急依頼かけたけど、まだ少ない数しか見つかっていないのよね」
街の中にある『小さな魔石』はまだ残っていそうだ。辺境の森の浅瀬は回収できたけど、奥の方はまだわからない。明日何かが起こるのなら大変だ。
「仮面の人が抱えていた方ってどうなりました?」
「そいつはひとまず勾留している。全容がまだわからないしな。なんだかきな臭くなってきやがったな!」
ドナートさんとミレイさんとお話して、私はサラさんの宿屋へと戻った。
宿屋に入ると空き部屋の表記が満室になっており、今日も繁盛しているようだ。私の場合、宿屋に貢献した功績により、優先的に一部屋確保してくれている。ありがたい話だ。もちろんお金は支払うけどね。
「スグルさん、浮かない顔してどうしました?」
サラさんが声をかけてくれた。明日街で何か起きるかもしれないし、前もって話をしておいたほうがいいかもしれないな。簡潔にだが『小さな魔石』について説明した。
「なるほどなるほど。要するにその魔石が見つかればいいってことね?」
「そうですけど・・・」
「ご恩のあるスグルさんのためです。助けになるかはわかりませんが、ベルグに手伝ってもらいましょう。このことはここだけの話にしておいてほしいんですけど、とりあえず夕食を済ませてまた来てください」
「???」
どういうことだろう。




