30話 独自調査2
閲覧いただきありがとうございます。
仕事始まりまして、毎日更新出来ずにすみません。
1日おきに更新できるように頑張りますので、
応援よろしくお願いします(´-﹏-`;)
さて、怪しい人たちを発見したのはよいがどうしよう。いきなり声をかけるのは気が引ける。今はバレないように闇魔法《隠密》を使用しながら後を付けている。この魔法は、使用時間(分)×20のMPを使用することで自分から発する気配、音、匂いを遮断してくれるので、彼らに気づかれることはないだろう。
こういうときは、定番だがやっぱりお面で変装かな。服装も黒のローブに変更しよう。以前、小屋で生活していたときに作成したものだ。戦士職もいいが、魔法職もいいな。よし作ってみよう、とノリで作成したものだ。これを作るために素材集めにこだわったんだったな。
話を戻そう。髪の色も変えておこう。光魔法《変色》を使用して、赤毛の髪に色を変えた。これは光の反射具合をイジることで、見た目の色を変える便利スキルだ。
見た目が変われば怖くない。
急ぎ変装して、彼らの後を追った。
男2人、女1人の冒険者風の怪しい人たちは、移動のたびに『小さな魔石』を落していた。そして、私も落ちている『小さな魔石』をその都度拾っていった。だいぶ観察していたけど、そろそろ話しかけてみようかな。
彼らの前方に向かい、目の前に来たところで、闇魔法《隠密》を解いた。余談だが、魔法は途中キャンセルが可能だ。ただし、使用したMPは戻ってはこない。
「すみません。ちょっと聞きたいことがあるのですが・・・」
「!?」「!?」「!?」
おっと、1人は剣を構え、1人は短剣を構え、1人は杖を構え、いきなりの臨戦態勢だ。あれれ、どうしたというのだ。こちらは両手に何も持っていないというのに。両手を上げて抵抗の意思なしのアピールを忘れない。
「そんなにかしこまらないでください。ちょっとお尋ねしたいことがあるだけですので・・・」
「誰よあなた!?」
杖を持った女性が話しかけてくれた。良かった、いきなり斬りかかってこなかったので、お話できそうだ。とはいえ、今の私は誰が見ても同じような反応をしそうなぐらい、不気味な感じだ。変装の方向性、間違えたかも。
「諸事情があってこういった格好をしていますが、決して怪しいものではないですよ」
「そんなわけないだろ!お面に黒いローブ、いかにも怪しいだろうが!」
「まぁまぁ、お気になさらず。ところで先程から落としていた『小さな魔石』について、何かご存知ですか?」
「!?」
怪しい人たちは互いに目配せをして、すぐにそれぞれ違う方向へと走り出してしまった。何かやましいことでもあるようだ。さて誰を追いかけよう。魔石の袋を持っていたし、一番捕まえやすい杖の女性を追いかけよう。
スキル《身体強化》を使用すると、思いの外、すぐに追いついてしまった。相手はそんなにレベルが高くないのかも。
「なっ!?速すぎでしょ!」
「《並列処理》、闇魔法 《スリープ》×10」
とりあえず闇魔法 《スリープ》で眠らせた。並列処理で10回かけておくと、どれか1回は効いてくれるので、念のため毎回そうしている。これでも効かなければ耐性持ちの可能性が高い。今回は上手くいったようだ。
《アイテムボックス》からロープを取り出し、手足をしばって動けないようにした。他の2人はどうしようか。3人いても扱いに困るし、彼女1人でいいかな。
まずは持ち物検査をしよう。空間魔法《簡易結界》を使用して、邪魔が入らないように隔離した。もちろん日本人の感性が残っているので、私は女性を襲ったりするつもりはない。健全な紳士なのだ。
まずは首にかかっているギルドカードを手に取った。ギルドカードにはこう書かれていた。
『ナターシャ 17歳 魔法使い 冒険者ランクD』
冒険者ランクDなのね。腰についている『小さな魔石』が入っている袋は没収だな。あとは直接お話しないとわからないかな。聖魔法 《スリープキュア》を使用して彼女を起こした。
「暴れられると困るので、手足を縛らせていただきました。危害を加えるつもりはないので、『小さな魔石』について知っていることを話してくれませんか?」
「私は何も知らないわよ!道端で突然声をかけられて、仕事内容の割に報酬が良かったから依頼を受けただけよ!」
んー本当かどうか私にはわからない。ちょっとだけ脅してみようかな。とはいうものの、どうしよう。手品風のごまかしでいけるといいけど・・・
「ここにそれなりの大きさの石があります。この石に触れるとあら不思議。石が跡形もなくなっちゃいました。さて、ここで問題です。これを人間で試したらどうなるでしょうか?」
私は握りこぶしぐらいの大きさの石を手に取り、それをナターシャの顔の前まで持っていき、一瞬で消した。いわゆる死体すら残さずに殺せますよのアピールだ。実際は《アイテムボックス》に収納しただけだが。
自身のその後を想像したのか、ナターシャの顔は血の気が引くように真っ青になっていた。ちょっと申し訳ない気がしたが仕方ない。
「話す!話すから殺さないで!」
「では、『小さな魔石』について知っていることを話してください」
「森の中にバラまくように言われたの!そしたら明日、面白いことが起こるって!報酬がいいから依頼を受けても仕方ないじゃないの!」
明日、何かが起こるらしい。どうしよう、絶対良くないことだ。時間がないから出来ることからやっていこう。
「依頼の相手はどんな方でした?」
「フードをかぶっていて顔はよく見えなかったわよ!ねぇ、話したからもういいでしょ!」
耳がキンキンしてきたので、彼女には眠っていただこう。私に尋問は無理のようだ。
「《並列処理》、闇魔法 《スリープ》×10」
さて、これからの動きについて整理しよう。今の時刻はお昼前。まずはこのナターシャを冒険者ギルドに引き渡し、事情を説明して、他の人にも手伝ってもらおうかな。その後、辺境の森に散らばっている『小さな魔石』を回収するとしよう。
そうと決まればロープで縛ったナターシャを肩に担ぎ、スキル《身体強化》を使用して、急ぎフロンダの街へと戻った。門のところに着くとドナートさんがいた。
「おい!そこの黒のローブ!止まれ!」
ドナートさんはいつもと違い、いつでも戦闘できるように、腰にある剣に手をかけていた。
(あ、お面と黒のローブ、赤髪もそのままだった。警戒されてる。どうしよう・・・)




