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閑話 アルトの日常

閲覧いただきありがとうございます。

毎日更新できるように頑張りますが、

仕事が繁忙期なので、

更新滞ったらごめんなさい(´-﹏-`;)

冒険者ランクDになって、約1年が経過した。依頼にもだいぶ慣れ、成功率はそれなりに高い・・・はず。ドナートさんに助けられてから、だいぶ経つが感謝の気持ちを忘れずに頑張ろう。




依頼を終え、食事屋さんへと向かった。


(あ、ドナートさんとミレイさんがいる。挨拶しに行こうかな)


近づくと、二人の会話が聞こえてきた。


「・・・1時間しないうちに革袋を満杯にして帰ってきたときには、マジで将来有望だと思ったな」


「スグルくんって、もしかして強い?」


「どうだろうな。ただまぁ普通のランクFじゃないのは確かだろう」


(スグル?誰の話だろうか)


「ドナートさん、ミレイさん、こんばんは。ちょっと聞こえてきたんですけど、そのスグル?って子、何かあったんですか?」


「最近ドナートが人助けした子がいて、その子の素材納品速度が異常なのよ」


「へー、ということはすでに上のランクの実力があるってことですか?」


「まだわからないが、その可能性は高いな。前まで森でじいさんと二人暮らししていたらしいから、そのじいさんに鍛えられたんじゃないのか?」


スグルくんについて、いろいろと情報をもらった。何やら謎めいた子といった印象だ。


「俺もドナートさんに助けられた先輩として気にかけておきますね。ランクアップ試験があれば、俺、試験官しますから声かけてください」




数日後、ミレイさんから声をかけられた。スグルくんが早くもランクアップ試験を受けるらしい。俺のときは冒険者登録してから半年はかかったのにな。彼はまだ1週間という早さ。




翌日、冒険者ギルドに行くと別室に案内された。試験官は何度か経験している。今のランクはDなので、冒険者ランクFのランクアップ試験に携わっている。しばらくすると、ミレイさんといっしょにスグルくんが入ってきた。


「紹介するね。こちらが今回の実技試験の試験官をしてくれるアルトくん。ランクDの冒険者よ」


「おはよう。君がスグルくんだね。今日の実技試験の試験官をするアルトといいます。よろしくね」


「はじめまして、スグルといいます。今日はよろしくお願いします」


挨拶を交わしたあと、注意事項などの説明を終え、門のところへ移動した。




街の門のところへ行くとドナートさんがいた。


「スグル。今日はランクアップ試験だってな。頑張れよ!アルトもスグルが無茶しないようによろしくな」


「ドナートさん、応援ありがとうございます。頑張ります」


「俺が見てるのでスグルくんの安全は大丈夫ですよ」




門を出て、辺境の森へと向かった。


「アルトさん、魔物や薬草を探すのは私の思うがままに探して大丈夫ですか?」


「それで大丈夫だよ。スグルくんがいつもしているようにやってごらん。それを見て審査するから」


さて、ここからが本番だ。今回のお題は次の4つだ。


・カミツキリスの討伐

・ツチモグラの討伐

・ハナポークの討伐

・薬草10株の採集


どのように対処するのか、よく見ておこう。無謀な挑戦をしないように、周囲の警戒をするのも試験官の努めだ。森の中の状態を確認するために、スグルくんから視線を外すと、スグルくんの気配が急に消えた。


(!?)


見失ったと思ったが視線を戻すと、前方にスグルくんがいた。なぜだろう。目を話すと彼の存在がわからなくなる。置いていかれないように、視界に彼を入れたまま、後について行った。


(何かがおかしい・・・気配がない?)


森の手前までは普通の少年といった感じだったのに、森に入った瞬間、雰囲気が変わった。この感じ、高ランクの冒険者といっしょに仕事したときの感じだ。


スグルくんから目を離さないように気をつけながらついていくと、突然止まって足元の草を採集し始めた。


(え、薬草をすぐに見分けられたの?いや、まだわからない。いつも集めている採集場所ということもあるし・・・)


その後、採集を終えたのかまた走り出し、途中で速度を緩め止まった。


(何か見つけたのかな?)


「《ウインドアロー》」


風魔法が唱えられたかと思えば、風の矢は前方のカミツキリスの首元をあっさりと貫通し、向こう側の木の根元に刺さって消えた。


(!?)


(あのウインドアローの速さは何だ!?目で終えなかった・・・)


目を離すとスグルくんを見失いそうになるが、カミツキリスに移動した彼を見て、視界から外さないように気をつけた。素材を回収したあと、また走り出して、止まったところで草を採集した。その後、少し移動してはまた止まった。


「《アースカッター》」


前方にはハナポークがいて、これもまた一撃で仕留めたようだ。以前担当したランクFの試験ではこんなにスムーズではなかった。そもそも魔法を使える子はおらず、ナイフなどの武器を用いての戦闘だった。


(彼の戦闘能力は異常だ。13歳って本当か?)


ハナポークの素材を回収して移動した。移動先には薬草があり、目標の10株を集め終えたようだ。


「あの、アルトさん。この辺にツチモグラがいないみたいなんですけど・・・」


突然、スグルくんが話しかけてきた。ここまで移動してきて、確かにツチモグラには出会っていない。でも、いなくなったといった話はギルド職員から特に聞いていない。


「そんなはずはないよ、スグルくん。減点になってもいいなら辞退ってことで対応するけど、どうする?」


「辞退にしてもらってかまいません。森の中が何かおかしいようです。」


ランクDの僕には何も感じられないが、スグルくんは何か感じ取ったのだろうか。注意深く観察していると、一瞬目を見開いた表情をして、次の瞬間には何事もなかったかのように表情を戻した。


「アルトさん、試験はこれにて終了ですか?聞きそびれたんですが、現地解散でも大丈夫ですか?」


「んーランクが上の試験の場合はギルドに素材納品に行ってもらうけど、ランクEの試験なので現地解散でも大丈夫だよ。スグルくんはここに残って何するの?」


「まだ時間もありますし、もっと素材を集めて帰ろうと思いまして。今回ツチモグラを辞退したので、もし不合格の場合、また銀貨1枚必要になるんですよね?」


「そうだね。でも筆記試験も加味されるからまだ落ちたとは限らないよ。そういう理由ならここで解散しよっか」


(これは何かするつもりだな?)


スグルくんに疑いの目を向けながらも、一度この場で解散することにした。スグルくんの姿が見えなくなったのを確認して、バレないように気をつけながら、彼が進んだ方角に向かって、急いで後を追いかけた。


(・・・いない)


その後、しばらく周りを探索したが、彼の痕跡を見つけることは出来なかった。

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